演歌
- 2014/11/30
- 12:11
本曲、三曲、新曲、現代曲、そして民謡、詩吟。これが尺八家の生活を立てる職場ですが、もう一つ、数少ない選ばれた人の生活手段として演歌歌手の伴奏があります。この道の魁は何と言っても今年初めに亡くなった村岡実さんでしょう。もともと最初に話が来ていたのは民謡尺八の第一人者・菊池淡水さんで、村岡さんは初め菊池さんの「手伝い」として行っていたのが、そのうち村岡さんにばかり話が来るようになったと言うことです。村...
客のいた時代
- 2014/11/29
- 16:34
昭和50年の春くらいですか、消防法の改正が有りイベントをやるに当たって会場に無制限に人を入れられなくなりました。そのかわりに、入場税の手続きが楽になりイベントが開催しやすくなりました。入場税は今はゴルフ場にのみ残っていますが、昭和50年以前は面倒なことでした。二千円以下のチケットは二十分の一、それ以上は十一分の一を入場税として納めなければならず、売れた枚数を明確にする為に、事前に役所に行き検印を貰わな...
詩吟
- 2014/11/28
- 22:48
中国文学を表して、漢文、唐詩、宋詞、元曲と言います。漢の賦文、唐では定型詩が流行、宋になると文学の主流は不定形詞になり元の時代は戯曲というものです。中国文学で三国志演義、水滸伝、西遊記などの明代小説を別にすれば日本で最も人気が有るのは唐詩でしょう。絶句、律詩などで李白、杜甫は特に人口に膾炙しています。これを舞台芸能にしたのが吟詠ですな。私のお客様は尺八で詩吟の伴奏をする人も多く、日本一といわれる河...
袖すりあうも 其五(海童道さん)
- 2014/11/27
- 14:22
伝説の尺八家、本曲のカリスマ海童道。会った人、話したことのある人は多くないと思います。昭和52年の夏の暑い盛り、横山勝也先生が海童道を招いて「聴法会」と称する集いをおこないました。横山門下の方30人くらいの会で、2時間というもの全員正座で海童道の話を聞きました。若き日の香川一朝さん、古屋輝夫さん、菅原久仁義さん、中村明一さんもいました。横山門下以外の人間は私と笛の赤尾三千子さんだけだったと記憶していま...
聖徳太子
- 2014/11/26
- 18:40
私の友人で、ある大学の学長をやっていた人間がいます。ある時、その友人宅で見せられた手紙の異常だったこと、オチャラケでも笑えません・・・ 友人も「どう思います?頭がおかしいのですかね」といかにも汚い物を見る様にして私に見せてくれました。差出人は聖徳太子を讃えることを目的にしている会だとの事ですが、その手紙の内容を簡単に言いますと・・・古事記、日本書紀の記述は全て正しい. ビャ~、聖書は全部本当と...
一攫千金
- 2014/11/25
- 15:53
一攫千金の儲け話に乗って大損したという話が後を絶ちません。すると、その度にテレビや新聞等は「一攫千金の儲け話などは無い」とコメントしますが、その報道している人達をはじめオトナなら誰でも「一攫千金の儲け話」は実際にいくらでも存在することを知っています。「甘い儲け話には裏が有る」と言うのは良いんですよ。ただ一括りにして「無い」と言う事は考えものだと思うのです。それだと若者の功利性や冒険心、あるいは「楽...
通(つう)
- 2014/11/24
- 18:26
私の祖父は戦後のハイパーインフレで貯金は紙屑となり、仕事も無く私の父親が生活費のいっさいを出していましたが、そのくせ身についた多趣味、食道楽は現役時代のままで、当時としては頻繁と言って良いほど外食をしていました。一週間に一度くらいですが、昭和30年代の前半ですから他の家は一月に一度するかどうかだったでしょう。ウナギ、焼き鳥、寿司、蕎麦でラーメンは口にしませんでした。たぶん祖父や祖母は一生のうち一度も...
京都の厚み
- 2014/11/23
- 22:13
バブルの頃、煤竹で尺八を作り 作れば作っただけ売れたので大儲けしました。そのうちに煤竹が無くなりまして、探したんですが何処にも無いんですよ。「オレにまかせとけ」、そう言ってくれた人は何人もいましたが、違うんですよ。普通の煤竹なら手に入れるのに別に苦労はなんか無いですよ。私が買ってたのは京都の笛師が使う百年物の煤竹です。笛師は煤竹を割って裏返し、ちょうど樽を作るようにして笛を作るんです。京都の笛師は...
いい加減な時代
- 2014/11/22
- 10:38
私の子供の頃は、それはマア口で言えないくらいイイカゲンがまかり通った時代ですわ。その頃の駄菓子屋で売られていた子供相手の菓子なんて、今のお母さん連中が見たら卒倒するのと違いますか。ドクドクしい色に彩色されていて、包装も粗末、たっぷり保存薬品を使ってあるので賞味期限は半永久です。ついでに言えば砂糖なんか入っていません。代わって、溢しても蟻のたからないサッカリンとか発癌性と催奇性で大いに知名度を高めた...
外国語
- 2014/11/21
- 22:31
尺八で英語と中国語がこんなに必要になるなんて20年前には思いもしなかった。今、どう考えても尺八は日本での市場の縮小は避けられない情勢です。10年後に今の六割、20年後に四割を維持できていれば上出来です。20年前には今の倍、六万人いましたが、段々少なくなる減少曲線が最近下降カーブが急角度に変わりました。明らかに崩壊期と言って良いと思います。日本尺八界がどうなろうと、尺八自体に魅力が有れば世界に広まるでしょう...