流しの兄さん
- 2015/01/29
- 21:36
居酒屋のカウンターです。さっきから隣のオッサンが私相手にボヤキ酒。と言っても、もう30年前です。オッサンは流しの歌手ですが、カラオケのおかげで失職したのです。その後どういう人生をおくったんですかね。昔は盛り場には、たくさん流しの歌手がいました。またピアノの弾き語りも、それなりの店に行けばいました。新宿には三味線流しのジイサンまでに残っていて、私も顔を合わせれば席に呼んで祝儀を渡しました。尺八吹きです...
サンカ
- 2015/01/28
- 23:24
私の子供の頃までサンカと呼ばれた山の民がいたらしいのです。柳田國男にはサンカについての論文が有りますし、五木寛之の「風の王国」を読むと、その大体のところが理解できると思います。いつの頃からか山の中で生活して、竹細工や川魚、スッポンを村人に売って生活していた集団です。定住していないので、いわゆる「部落民」とも違います。「部落」にも存在した、兵役や納税の義務も無かったようです。その代わり、国からの教育...
音色
- 2015/01/27
- 22:57
音色つまり尺八のネイロですが、どこで決まるのか? 当然一番は吹き手です。八寸でも六寸でも、どの銘柄の尺八でも青木鈴慕が吹けば青木鈴慕の音、山本邦山が吹くと邦山の音です。それでは尺八には音色は無いのか、そう問われれば 「有るに決まっています」と答えますが、どの位、どういう処となると、これが難しい。昔なら「竹のヒビキです」とか言ってれば、質問する方も妙に納得したもんですが、この時代、そんな事を真顔で言...
小田原北条氏
- 2015/01/26
- 22:35
私の住んでいる所は小田原の近郊です。小田原は戦国時代には北条氏が五代にわたり約百年間支配しました。小田原市も観光客誘致のためNHKの大河ドラマに採用されるよう働きかけていると聞きますが、どうなんでしょう。だいたいからして地元の小田原でも北条早雲しか知られていませんし、初代の早雲をドラマ化するにしても、初代だけに、マア本当のところが良く分からない人物ですわ。脚本を作るにも苦労するのと違いますか?ドラマ...
贋作
- 2015/01/25
- 12:23
尺八に贋作って有るのでしょうか? 「古鏡はニセモノも多い」と聞きます。「古の印の両肩が下がっているのが本物だ」と聞いたことも有ります。そこで、古管尺八研究の第一人者である大阪芸大教授の志村哲(しむら さとし)先生に真偽を聞いたことがあります。「私はニセ古鏡の存在を確認していません。古の印は複数のタイプが有りますし、古鏡以外の人も使用していた可能性も有ります」と言うことでした。「如水はニセモノが有る...
青い鳥
- 2015/01/25
- 00:13
展示会にいらしたお客の中には、尺八屋を開業できるのでは、そう思えるくらい尺八を持っていらしゃる人がいます。コレクターは良いとして、何となく買って、気がついたら凄い数になっていたという方も多いです。「どうして買ったんですか?」 「どの尺八も気にいらなくなるんですがねえ。」 それでお聞きすると結構な尺八と思えるモノをお持ちなのです。「XXでしょう、気にいりませんか?」 「買った時は良いと思ったんだが...
尺八鑑定
- 2015/01/23
- 22:45
日本刀でありますな、刀身だけを見て銘を当てる鑑定。尺八で私も出来るんです。「日本でオレだけだろう」とささやかな自慢でしたが、この頃、私の弟もかなり判定出来るようになりました。私の弟は遼山工房という尺八の修理だけを行う会社を26年やっています。そして、手がけた修理尺八が一万本を超えたあたりから、銘を見なくとも尺八の「造り」だけで誰の作か分かるようになりました。種明かしをしますと、素人の作った尺八は分か...
入れ歯
- 2015/01/22
- 22:00
尺八界もこう老人ばかりになると、「最近肺活量が無くなって」とか「入れ歯にして途端に鳴らなくなったよ」とか景気の悪い話ばかり聞かされますな。 そんなモンですかね?山口五郎、島原帆山、米谷威和男、笛の名人・寶山左衛門(四代目)といった人達は総入れ歯でした。入れた当初は、もの凄く悩んだと聞いています。でも演奏を聴いている人達は気が付かなかったでしょう。要するに前を懐かしんでいてはダメです。新しい口のポー...
洞簫(どうしょう)
- 2015/01/21
- 22:26
洞簫という笛は中国や台湾で今もかなり人気が有ります。この笛は尺八と酷似しています。長さも同じなら、手孔が全面5孔背面1孔という点も尺八のオリジナルの形です。太さが現在の尺八より細いですが、これは内径調律をしないで竹の内部の節を削り取っただけですので、良く鳴る物を求めれば当然そうなります。江戸期の尺八が同様でした。ただ1点、歌口が違います。尺八が斜めに外側から切るのに対して、洞簫は内側から削ります。こ...
見せ物小屋
- 2015/01/20
- 14:57
子供のころの楽しみは多かったものの、縁日や祭りは格別でした。妖しいアセチレン灯の下の夜店で売っていた品は、子供の目には、どれも魅力的でした。その中でも一番の人気は見せ物小屋です。 テンテンテン、テンテンテンの太鼓の音、口上、今も耳に懐かしい。 「可哀そうなのはコノ子でござい、親の因果が子に報い・・・」 この口上を真似て友達の家の前でやって、容姿や成績をカラカウと、からかわれた友達より早く家の人が怒...