孤独の人
- 2015/02/28
- 21:43
こういう題名の藤島泰輔の小説が有りますが、勿論ここでいう「孤獨の人」とは天皇なんて大それた話ではありません。私は高校時代に、校長と友達だとウワサをたてられましたが、そんな事実は有りません。ただ気楽に校長に挨拶するところから、そういう間違った話になったようです。校長室に招き入れられたのは、卒業後に母校に遊びに行った時が初めてです。その時、校長もプロレスファンだったと知りましたが、「ブッチャー(アブド...
三浦琴童の尺八
- 2015/02/27
- 22:29
つい一週間前、女性の方から電話があり「尺八の事、何も知らないのですが・・・」と前置きが有って、「家に古い尺八が有るのですが・・・」 つまり、どう言う尺八か鑑定して欲しいということでした。そこで見せてもらいましたが、三浦琴童でした。焼印は俗に言う「瓢箪琴童」ですから、通説にしたがえば、「格落ち」ということになります。琴童ですから、現在の製管師の目からは下手に見えます。訓練精度の低さ、基礎が出来ていな...
プレッシャーポイント
- 2015/02/26
- 23:18
尺八の鳴りは、管内空気の直接的な振動です。空気は一秒間に340メートルの速さで進みます。空気は波動ですから、これは一秒に340メートルの波を作るということです。1尺8寸の筒音はⅮですね、Ⅾが293ヘルツとすれば、これは一秒に293回振動するということです。つまりⅮは340メートル割ることの293です。この数字が基本です。そして尺八の管内振動は半波形ですから、さらに2で割ります。その上、尺八には管端補正値といって、...
隠語
- 2015/02/25
- 23:00
世の中の様々な業界には、その世界の人同士で通じる隠語、あるいは符牒というものが有ります。私が40年以上前にプロレスの世界に入った時、まっさきに憶えたのが、ハガミ(前借り)とシカト(無視する)です。当時のプロレスは相撲の影響が強く、この言葉も相撲界から持ち込まれたようです。ハガミは借用書、つまり端(葉)紙で、シカトは花札の十月の札の絵柄で鹿が横をむいていることから、ソッポを向くという事になったようです...
アメリカ師範
- 2015/02/24
- 23:20
30年くらい前、青木鈴慕師匠に呼ばれて高田馬場の道場に行くと、師匠と佐野鈴霏さん素川欣也と結婚する前のローリー・カザスさん、宮城会の上條妙子さん、ニューヨークから来た尺八のラルフ・サミエルソンさん、同じく箏曲家のゲイツ・陽子さんが居合わせていてホームパーティーとなりました。いくらか酒のまわったころ、ゲイツ・陽子さんが困ったようにおっしゃいました。「アメリカ人に簡単に師範を許すのはどうかと思うのですが...
八幡神
- 2015/02/23
- 23:15
私の大学の卒業論文は「応神天皇」です。興味が有ったのかって? まさか。3年生になるとゼミをとって、卒業論文の準備をするのですが、大体からして日頃マジメに授業に出ていないものですから、ゼミの登録は一日伸ばし、気が付いて登録に行った時は文献史学のゼミしか残っていなかったのですわ。でも私なんかマシな方でっせ。何しろ私と同学年で尺八と箏をやっていたやつ、そう二人です、授業登録をしないで五月の連休過ぎて学務...
18世紀の大変化
- 2015/02/22
- 22:12
丁度18世紀に入るか入らないかと言う頃、日本音楽に大変化がおきた事は広く知られています。一口に言うと、それまでの律音階(陽旋律)が1700年をはさむ、わずか30年くらいの間に都節音階(陰旋律)にすっかり変わってしまったのです。都節音階は、レ~チㇵローロッロッレレッロ ご存知「船頭小唄」。その前の律音階はッとㇵを半音上げて中メリにして吹けば、どういうモノか分かります。この都節音階は三味線の流行がもたらした...
素人製管
- 2015/02/21
- 10:32
ピアノ、バイオリンさらに言えば箏、三味線に素人の作ったものは有りませんよね。でも尺八には有るんです。プロ製管師は数え方にもよりますが、大体のところで40人弱です。会社員や自営など他に職業を持っている人は分かりやすいですが、定年退職した後の退職金頼り、あるいは年金で生活している人のコズカイ稼ぎ、こういった人達が「他に仕事なんかしてねえよ」と言うと、プロかアマか、はてさてド素人なのか判定に迷います。だけ...
ハンバーガー
- 2015/02/20
- 21:37
私の世代の者でポパイを知らない者はいません。今の若い人は知らない人も多いでしょう。ホーレン草を食べると突如としてスーパーマンになる怪力男ですわ。そのポパイにオリーブやブルートといった登場人物とともに、いつもハンバーガーを食べているオジサンが出てきます。ところで昭和30年代の日本では、まだハンバーガーは大都会の一部の人以外は知らない食べ物でした。私も見当はついても、見たことも食べたこともありませんでし...
チューナー
- 2015/02/19
- 23:14
音程を測るチューナー(チューニングメーター)は1975年頃に普通の人にも買える価格になりました。でもまだ三万円を超えていました。大学出のサラリーマンの初任給が八万円くらいの時ですから、まだ高いですが、その5年前には、その3倍しました。1970年頃の初任給は三万五千円くらい、チューナーは十五万以上しました。私の世代の者には1973年のオイルショック後の物価や給与のバカ上がりは強い記憶となっていますが、安くなった物...