鬼ごっこ
- 2017/01/31
- 21:39
他の音楽もそうでしょうが、尺八もソフトとハードと演奏者は「追いかけっこ」、それも互いに鬼になりながらの「鬼ごっこ」です。尺八の性能進化が新たなるソフトを展開し、演奏者のチャレンジ精神を呼び、曲に追いつく為にハードである尺八もさらに必死に改良を試みる。虚無僧が托鉢、それも天蓋を被ってという後期のスタイルになると、尺八には大して楽器としての機能は求められません。でも、その頃には虚無僧寺の中で、より複雑...
聴きどころ
- 2017/01/30
- 22:36
ブログの効果で、このところ吹奏楽をやっている人達のアプローチを頻繁に受ける様になりました。つい最近もトロンボーン奏者の若い女性の訪問を受けました。尺八に興味が有るんだそうです。吹奏楽をやっている人達の中には、尺八の音程の悪い演奏を頭からバカにする人がいる反面、そういう民族音楽ならではの特性を面白いと思う人も少なくないのです。演歌で言うならば、正確極まる音程を求められるオペラ歌手が歌っても面白くない...
眠る間が無い
- 2017/01/29
- 22:26
今や大学の邦楽サークルの尺八では女性の方が多い。これって高校時代に吹奏楽部にいた人が入って来ているからです。とりあえずフルートをやっていた人は有利ですね、尺八を持ってすぐ音が出る。でも、かつてやっていたのは吹奏楽です。そういう人達が今さら流によって固定された音楽をやると思いますか?大人気の和楽器バンド以来、高校生が和楽器を持つことが少しずつ増えてきました。今に大きなウエーブになりまっせ。その証拠に...
制御不能
- 2017/01/24
- 21:28
ドエライ事が起きましたな、ライオンを洗っていたら、突如襲い掛かってきて大ケガをしたとの事。いくら人に馴れているとは言っても、やはり相手は猛獣ですからね。何かの時に牙を剥かれたら、それは大事になります。何せ私の家の犬ですら、たまに気に障る事でも有ると喧嘩を売ってきますものね。ライオンとの心の交流を書いた『野生のエルザ』、20世紀最高の動物文学と言われるだけに、なかなかの感動本です。ただ、著者のジョイ...
竹の色着け
- 2017/01/23
- 22:52
10数年前ですが「客から預かって修理していた黒い尺八が段々と色が薄れてきたので元に戻すには?」という相談を弟からうけました。尺八を人工的に黒くするに方法は幾つか有ります。誰でも知っているのは、時間をかけて囲炉裏などの煙で燻す方法、煤竹です。これは、やり方でとても綺麗に仕上がります。ですが時間がかかり今日では入手が困難です。手っ取り早いのは炭窯で燻す方法ですが、この方法ははっきり言って駄目ですね。材...
復活するパワー
- 2017/01/22
- 22:16
学生の時は気楽なモノでした。大学には全国から学生が集まってきていましたから、その気になれば無銭旅行が出来ました。これは法政だけのことではなく、たとえば倉橋、今の容堂ですが、ショッチュウ東京に来ていましたが、決まって関学三の誰かの下宿に泊まりましたし、林嵐山と高橋照誠山は同じ下宿にいましたので、ここにも泊まりました。ですから、逆に林が京都に行った時は倉橋の家にアナタ、一週間も食事つきで泊ったんですぜ...
後援の意味
- 2017/01/21
- 22:23
1974年の1月そうそうです。タブン10日頃だと思いますが韓国のソウルから釜山まで行く急行列車に乗って、その食堂車で金相國というお笑いタレントと知り合いになりました。その時点では名も、どういう職業の人かも知らず、たどたどしいながら金さんが日本語を話せたので芸能人とも知らずに気楽に会話しました。後で訊くと金相國はお笑いタレントとしては一流。今の日本で言うと、さんま、たけしとまではいかないものの、ダウ...
お客様って神様?
- 2017/01/20
- 21:13
「お客様は神様です」というのは流行語にもなりましたがね、そりゃ三波春夫先生にとってはそうでしょう。公演はいつも満杯、どこへ行っても下にも置かないモテナシで人が接してくれますので、この世は天国だったでしょうよ。でも三波春夫の場合、客だけでなく下隅のスタッフに対しても実に丁寧に接する人だったと聞いています。ただ礼儀や筋目に対しては厳格だったそうです。真摯な人だったと本人を知る人達が皆言います。三波春夫...
尺八の行く道
- 2017/01/19
- 21:23
尺八ってどうして老人の趣味になり得たのか? 事情を知ってる多くの人が言うでしょう、「決まってらあ、上手いも下手も無いからさ」。 その通り。では、「上手い下手が無い」というのはどうして? 尺八を純然たる楽器、音楽として受け止めている人達と、それとは全く別の世界が有ります。その最も端に位置する人になると、もはや尺八は哲学というか宗教というか、そういう対象です。私が実際に会った人で「音なんか出る必要は無...
テーパー内径
- 2017/01/18
- 23:16
もう40年近く前になりますよ、「大橋さん、鳴り易くて値段の安い尺八を作るんでしたら、いっそのこと水道管で作ったらどうですか」 こう言ったのは三塚幸彦さんです。その頃はと言えば、私の会社の普及品には竹の中にプラスチック管「悠」が入っていました。永瀬さんに頼んで、悠(当時はこの呼び名は無かったですがね)の売り物にならない外形破損品を2千円で譲ってもらい、旋盤で細く削って竹の中に入れたのです。それをいっ...