3月19日から24日まで北京で展示会を開きました。その御報告です。

展示会場なんですが、お寺です。禅宗ですが無宗派との事。そう言うのを一般に新興宗教と言います・・・。

今回の同行者は「尺八世界チャンピオン」の岩田卓也さん。そして「販売数世界チャンピオン」の大橋鯛山がタッグを組むんですから、まあ負けるわけがないですわな。

お寺の中庭ですが、陽があたって昼は暑いくらいです。

昼からビールです。大酒豪の岩田さんと大橋亮太のツーショット。

朝6時から開いている食堂です。

出勤前のサラリーマンや店員も多くが利用しています。

こういうメニューですが、食べたいだけ食べて10元。日本円で160円ですもの。それで驚くほど美味しい。オレ、もし落ちぶれたら、ここに住もおっと。

品揃えは20品目くらいですかね。饅頭も具入りのパンも美味しい。ドンブリに入っているのは豆乳。店のオバちゃんも皆が明るく親切です。学生時代の安食堂を思い出すなあ・・・。160円で満腹になるのも当時と同じ。

スタートは製管の講習会。キットを使いました。

10人が限度ですね。今回は応募が多く、はみ出た人は、また次回。

皆熱心です。私の講習は重点を強調する方法です。すなはち「歌口と内径だけは厳密に作れ。それで鳴らないなんて有り得ない。後の細工は自身で数をこなせば出来る。細工は上手くなるのに時間がかかるけど、吹く技術が大切で、それさえクリアできれば鳴る尺八は作れる」。
ちなみに左の3人は中国でも有名な琴製作者達です。

終わりに、皆で記念撮影です。

展示会場です。

夜は、やっぱりこれでしょう、北京ダック。私も北京ダックが好きで中国、香港、台湾と名店を食べ歩きましたが、1番の贔屓はは台北の天厨菜館です。でも、ここのも美味しい。

左から。ウチの石内、岩田さん、一音無心の曹社長です。

岩田さんのコンサートです。

台湾のテレビ局から取材を受けました。時代は変わりましたよね。「北京で尺八の展示会が有る」というので、わざわざ台湾から、その為にテレビクルーが来るんですから。私みたいな昔者には、驚きです。中央は通訳してくれた謝さん。曹さんの奥さんで日本語が堪能です。

この寺の信者は尺八を吹くのが宗教修行です。かつての普化宗の虚無僧みたいですね。そういうのって「宗教としてどうなのか」は知りませんよ、でも私は単純に、尺八が売れて嬉しい。

このお坊さんは尺八も吹くけど、有名な古琴の奏者でもあるんです。この弾いている古琴は「20万元」だそうです。日本円で3百万円ですな。日本の箏屋が中国箏を作るわけだわ。

岩田さんの個人レッスンです。1時間が一万円ですが、朝10時から夜9時まで、ビッシリ埋まってしまい、ここでもはみ出しの受講希望者が出てしまいました。

流石に「世界一決定戦」のチャンピオン。問答無用の吹奏力と説得力で、嘘でも何でもなく、受講者が見る間に上達していきます。

この若い人はプロ志望。わざわざ飛行機で3時間の成都から着来ました。しかも4時間受講です。いったい幾らのお金がかかっているんだろう・・・。
岩田さんに言わせると、「プロになれる吹奏力と才能」だそうです。でも、岩田さんとの力量の差は歴然。例えて言うと「大人と子供」。これが「世界チャンピオン」の貫禄。

北京に来たからには天安門。前の時から40年以上の歳月が経ってしまいました。

元明清三王朝の王宮の正門で、ここから広大な紫禁城です。

王府井に続く街並み。「古ぼけた街並み」だと思うでしょう。でも40年前には無かったんですよ。これでも新しい建物です。

中古尺八のオークションです。脱税するつもりが無いから言いますわ。30本持って行って、買い手が付かなかったのは3本だけ。最高価格は三浦琴童で72万円です。中古尺八は「コレクター趣味」で、1人が何本も買います。1尺8寸を売ると時間が経たないと次の寸法が出ない新管の世界とは違います。ここでは普及とは関係無いから、どんなに高額でも後ろめたさは有りません。
試し吹きは岩田さんですから、どんな物でも良く聞こえます。

岩田さんの団体レッスンです。ここは初心者向けです。

北京ダックと並ぶ北京の名物は「羊のしゃぶしゃぶ」です。昔、秋が深かまり街に冷たい風が吹くころになると、店先に赤い紙が出ていました。「今年も羊が入りました」という印です。今は1年中食べられますが、前は、この羊がマルマル肥えた、秋のしゃぶしゃぶをペキンッコは楽しみにしていました。北京ダックは高級料理ですが、こちらは庶民のささやかな楽しみでした。

羊のしゃぶしゃぶに岩田さんも大満足。
で、気になるんだが、まさかオレと「顔比べ」してんじゃないよね。悪いけどレベルが違うよ。アンタは卓也だけど、なんせオレは拓哉だもん・・・。

途中経由地のソウル・金浦空港でサンドイッチをパクつく岩田さん。良いねえ。大食いは成功の秘訣。私の若いころは、韓国人や台湾人と商売して、食の細いヤツは「能力が無いヤツ」だと思われたものです。嘘じゃネエんだぜ。
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