貯金
- 2019/06/12
- 20:48
私が小学生の頃ですから、もう60年ほど前になりますが、父親から「お前は一生かかっても1億は貯められないぞ」と言われました。「だってな、年に百万貯めたとしても、ほら1億だったら百年かかるだろう。とうてい無理だよ」。この父の言葉を、どういうわけか私は鮮明に憶えています。ついでに言うと、ナルホド貯められなかった。「預言者」と自称する輩は、口から出まかせを数多く言いちらし、まぐれで当たった事だけを吹聴しているだけですが、何でいオヤジさんよ、当たったじゃねえか。見事なもんだ。
おまけに当時の1億は今だったら10億以上ですから、事業に成功していて、たいそう羽振りの良かった時代の父にも達成は絶望だった数字なのでしょう。ましてオイラ、オヤジみたいに同年配のサラリーマンの収入くらいの税金を納めていた時なんて無いもの。
今、「65から95まで生きたとして、年金以外に2千万円必要」と言って問題になっています。「そんなに貯められるわけがない」と言う意見はチョット置いておくとしてですな、政府の依頼で専門の人が出したレポートでしょうが、それを、大臣が「受け取らない」ですと。政治家達は代々の稼業ですし、落ちでもしたら目も当てられない境遇ですから、まあ、アベちゃんやヒョトコ達にとっての選挙対策をトヤカク言っても仕方が無いですが、こういう処理の仕方をしていると、誰も本当の事を言わなくなると思うのですよ。それはそれとして、少し疑問なんですが、自営ならともかくサラリーマンで、65歳の時点で2千万円手に出来ないものなのでしょうか?だって一時的にせよ退職金が手に乗るわけですよね。
それはともかく、「貯金」の意味合いは自営と給与所得者では違います。私達自営は、よく給与所得者の皆さんから、「良いなあ、金をパアパア使えて」とか言われますが、それは錯覚ですよ。確かに私でも20パーセント納税(所得税だけで20パーセント)の時期が10年以上有りました。これだと、当り前ですが1千万稼いでも手元には6百万しか残らない計算になります。でも、反対に買い物は経費で落とせば4割安で買っている事になりますから、確かに支出が派手に見えるのでしょうね。
でも考えてごらんなさいな、サラリーマンだって立場によっては私ら自営より、余程良い思いをしてまっせ。たとえば林嵐山。ヤツなんてバブルの頃、脱サラする前ですが年収1200万、それにプラスして自己裁量で使える接待交際費が800万有ったんですぜ。
翻って自営業としての尺八家を考えてみますと、演奏家が専業の場合、親の代からの持ち家、配偶者が働いている、そういう様なケースを除いては、65歳で2千万の貯金を持つ人は極く極く一部です。
製作家でしたら、昭和50年以前に開業していた人では、それほど難しい事ではないです。それ以降ですと完全な専業者では、やはり財産とか配偶者の収入が無いと難しいですね。前からの製作家でも、ここ20年は貯蓄を減らしている人がほとんどですな。
だいたい自営というのは何にせよ停年が無い事が前提になっています。ですから、国民年金の人が多いのですよ。65で無収入になったら、それこそ「95までに2千万の不足」で済みっこないでしょう。その辺は大して問題になってはいないですね。まあ自営業者は票田としては期待出来ませんもの。でも切実さは変わりませんですよ。「給与所得者は65からは働き口が無い。でも自営は有る」という事でっしゃろ。それも大いなる誤解です。
これからの尺八界、演奏も製作も年齢を重ねるごとに仕事は無くなります。俳優や歌手を見れば分るでしょうよ。老人になっても仕事が減らない人って、本当に極く一部の人です。名前の重さとか業界の仕組みで仕事をとれた時代も有りましたし、まだ、そういう世界も存在しています。でも、勘違いしてはいけないのは、歌舞伎とか落語は「贔屓筋」の形成や維持に大変な労力を使ってきたという事です。
では、これからの尺八界で生きるには?サブかメインかは知らないが、ともかく他に仕事を持つことです。尺八業そのものが「貯金」となりますから。
おまけに当時の1億は今だったら10億以上ですから、事業に成功していて、たいそう羽振りの良かった時代の父にも達成は絶望だった数字なのでしょう。ましてオイラ、オヤジみたいに同年配のサラリーマンの収入くらいの税金を納めていた時なんて無いもの。
今、「65から95まで生きたとして、年金以外に2千万円必要」と言って問題になっています。「そんなに貯められるわけがない」と言う意見はチョット置いておくとしてですな、政府の依頼で専門の人が出したレポートでしょうが、それを、大臣が「受け取らない」ですと。政治家達は代々の稼業ですし、落ちでもしたら目も当てられない境遇ですから、まあ、アベちゃんやヒョトコ達にとっての選挙対策をトヤカク言っても仕方が無いですが、こういう処理の仕方をしていると、誰も本当の事を言わなくなると思うのですよ。それはそれとして、少し疑問なんですが、自営ならともかくサラリーマンで、65歳の時点で2千万円手に出来ないものなのでしょうか?だって一時的にせよ退職金が手に乗るわけですよね。
それはともかく、「貯金」の意味合いは自営と給与所得者では違います。私達自営は、よく給与所得者の皆さんから、「良いなあ、金をパアパア使えて」とか言われますが、それは錯覚ですよ。確かに私でも20パーセント納税(所得税だけで20パーセント)の時期が10年以上有りました。これだと、当り前ですが1千万稼いでも手元には6百万しか残らない計算になります。でも、反対に買い物は経費で落とせば4割安で買っている事になりますから、確かに支出が派手に見えるのでしょうね。
でも考えてごらんなさいな、サラリーマンだって立場によっては私ら自営より、余程良い思いをしてまっせ。たとえば林嵐山。ヤツなんてバブルの頃、脱サラする前ですが年収1200万、それにプラスして自己裁量で使える接待交際費が800万有ったんですぜ。
翻って自営業としての尺八家を考えてみますと、演奏家が専業の場合、親の代からの持ち家、配偶者が働いている、そういう様なケースを除いては、65歳で2千万の貯金を持つ人は極く極く一部です。
製作家でしたら、昭和50年以前に開業していた人では、それほど難しい事ではないです。それ以降ですと完全な専業者では、やはり財産とか配偶者の収入が無いと難しいですね。前からの製作家でも、ここ20年は貯蓄を減らしている人がほとんどですな。
だいたい自営というのは何にせよ停年が無い事が前提になっています。ですから、国民年金の人が多いのですよ。65で無収入になったら、それこそ「95までに2千万の不足」で済みっこないでしょう。その辺は大して問題になってはいないですね。まあ自営業者は票田としては期待出来ませんもの。でも切実さは変わりませんですよ。「給与所得者は65からは働き口が無い。でも自営は有る」という事でっしゃろ。それも大いなる誤解です。
これからの尺八界、演奏も製作も年齢を重ねるごとに仕事は無くなります。俳優や歌手を見れば分るでしょうよ。老人になっても仕事が減らない人って、本当に極く一部の人です。名前の重さとか業界の仕組みで仕事をとれた時代も有りましたし、まだ、そういう世界も存在しています。でも、勘違いしてはいけないのは、歌舞伎とか落語は「贔屓筋」の形成や維持に大変な労力を使ってきたという事です。
では、これからの尺八界で生きるには?サブかメインかは知らないが、ともかく他に仕事を持つことです。尺八業そのものが「貯金」となりますから。
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