自動販売機
- 2019/07/27
- 18:05
昭和50年頃ですわ、死んだカメラ屋の後藤がはしゃいで言いました。「大橋さん、知ってました。10ウオン硬貨を自動販売機に入れると100円として使えるんですよ。この前、一緒に韓国に行った時の10ウオンがポケットに入っていて、気が付かないで自販機に入れたらオツリまで出ました」。10ウオンは1975年当時で約7円です。7円が100円として使えて、おまけにオツリまで貰えるたって、ア~タ、後藤は当時は金回りが良くて、大学出の初任給ぐらいを平気で競馬の馬券につぎ込んでいた男ですぜ。喜ぶような事でっしゃろか?
それはともかく、その首尾を実際に見ましたが、私は、それまで自販機というものに深い尊敬の念を抱いていました。だってそうでしょう、何回も金を入れているのに、それまでただの一度も商品はおろかオツリも間違えた事は無い。私より、いや法政大学三曲会のあらかたのОBより利口でっせ。それがイッペンに尊敬心が薄らいでしまいましたな。
私が初めて自販機なるものを見たのは昭和37年頃です。二子玉川駅前に設置されたオレンジジュースの自動販売機でした。てっぺんにタマネギ型のガラスケースがついていて、そこに常時ジュースが勢い良く噴き出していました。備え付けの紙コップをとり10円をいれるとジュースが1ッ杯出てきました。「ワタナベのジュースの素」とかいう粉末の人工オレンジジュースですが、いつでも冷たくて大人にも子供にも大人気でした。でも、そのまま順調にいかないのが昭和30年代です。
この機械はすぐに無くなりました。だって当時の子供ですからね、すぐに弱点を見つけました。コップを置いて機械を揺すると、すぐコツは飲み込めましたが、ともかくタダでジュースが1ッ杯分出てしまのです。ハイ、3人なら1人1回ずつ3回揺すれば良いのです。
それより悪いのが昭和50年頃まで有ったコーラやジュースの瓶売りの自販機です。コインを入れて瓶の首を引っ張ると抜けるヤツですよ。金を入れないで引っ張ると途中で抜けなくなるのですが、これってコツすらいりません。コップを構えて途中まで引き抜いて、あとは用意した栓抜きで蓋を開けるだけです。半分くらい垂れ流しになりますので、もっと飲みたければ10本くらいタテに並んでいましたので、次々に開栓すれば良いだけの事です。
人通りの絶えた深夜に何度か現場を目撃していますが、これは法政大学三曲会の名誉の為に言っておきます。うちの連中は誰もやってない。本人に確認はしていませんが、高橋河童や永田シンパチといえどもやっていないと、自信は持てないが一応は断言します。だって、ここまでやったら立派な犯罪ですよ。「オマエの話だと河童や木稲とかいうヤツは、もっと悪質な事をやってるじゃないか」とか言いますが、うちの連中って「シャレで済まない事」はやらないんです。だからこそ、根っから善良な私が今でも仲良くしているのですよ。
自販機って日本以外では中国、韓国、台湾とかでよく見ます。人件費の安い南アジアとかには無いですね。安定的に電力を供給出来る社会基盤も必要ですし、それに機械を壊して金を盗すむ輩も多いですからね。でも人件費が高くて、社会モラルだって、少なくても昭和の時代の日本よりズッと良いはずの西ヨーロッパでもあまり見ないですよね。電車とかはそうでも、ドリンクとかは無いに等しいでしょう。一度、現地の人に訊いた事があります。
答えは「不便だから」。どうして、便利じゃん?
答え、「だってオツリとかどうすんの?それと頻繁に故障するじゃないの」、ですとよ。なるほど、普及には技術の優秀さ、メンテナンスの速やかさとかが必要なんですね。人件費の安さや社会モラルの高さだけだと「必要条件」であって「十分条件」まではカバーしてないんだ。
尺八って、今でも客が「貴方の店で買ったんじゃないんだけど、修理を引き受けていただけるんでしょうか?」とか訊いてくる世界です。ですから30年前に修理専門工房の遼山工房をたちあげて大成功したわけですが、その事よりも、外国で売った尺八の場合、修理はどうするんでしょうか?ろくに修理も施されていない中古尺八が大量に海外に持ち出されていますけど、それで問題は起きないのでしょうか?それにメンテナンスのいらない楽器なんて無いですよ。
修理の技術指導も、これまで何回か海外でやってきました。だけど今のところは、せっかく教えても定着しないで、教えた人がすぐやめてしまいます。修理のビジネスとしての「旨味」を説明しているのですが、製管と違って「時給いくらの世界」で言ってみれば地味ですもんね。
そこで考えた。中国文化圏に何萬人といる洞簫製作者を対象にして、尺八修理の講習会を開くのです。まず9月6日からの台湾展示会からスタートします。
修理、メンテナンスは楽器普及の重大な条件だと思うからです。ここですよ、ビジネスとしたって期待大でしょう・・・。
それはともかく、その首尾を実際に見ましたが、私は、それまで自販機というものに深い尊敬の念を抱いていました。だってそうでしょう、何回も金を入れているのに、それまでただの一度も商品はおろかオツリも間違えた事は無い。私より、いや法政大学三曲会のあらかたのОBより利口でっせ。それがイッペンに尊敬心が薄らいでしまいましたな。
私が初めて自販機なるものを見たのは昭和37年頃です。二子玉川駅前に設置されたオレンジジュースの自動販売機でした。てっぺんにタマネギ型のガラスケースがついていて、そこに常時ジュースが勢い良く噴き出していました。備え付けの紙コップをとり10円をいれるとジュースが1ッ杯出てきました。「ワタナベのジュースの素」とかいう粉末の人工オレンジジュースですが、いつでも冷たくて大人にも子供にも大人気でした。でも、そのまま順調にいかないのが昭和30年代です。
この機械はすぐに無くなりました。だって当時の子供ですからね、すぐに弱点を見つけました。コップを置いて機械を揺すると、すぐコツは飲み込めましたが、ともかくタダでジュースが1ッ杯分出てしまのです。ハイ、3人なら1人1回ずつ3回揺すれば良いのです。
それより悪いのが昭和50年頃まで有ったコーラやジュースの瓶売りの自販機です。コインを入れて瓶の首を引っ張ると抜けるヤツですよ。金を入れないで引っ張ると途中で抜けなくなるのですが、これってコツすらいりません。コップを構えて途中まで引き抜いて、あとは用意した栓抜きで蓋を開けるだけです。半分くらい垂れ流しになりますので、もっと飲みたければ10本くらいタテに並んでいましたので、次々に開栓すれば良いだけの事です。
人通りの絶えた深夜に何度か現場を目撃していますが、これは法政大学三曲会の名誉の為に言っておきます。うちの連中は誰もやってない。本人に確認はしていませんが、高橋河童や永田シンパチといえどもやっていないと、自信は持てないが一応は断言します。だって、ここまでやったら立派な犯罪ですよ。「オマエの話だと河童や木稲とかいうヤツは、もっと悪質な事をやってるじゃないか」とか言いますが、うちの連中って「シャレで済まない事」はやらないんです。だからこそ、根っから善良な私が今でも仲良くしているのですよ。
自販機って日本以外では中国、韓国、台湾とかでよく見ます。人件費の安い南アジアとかには無いですね。安定的に電力を供給出来る社会基盤も必要ですし、それに機械を壊して金を盗すむ輩も多いですからね。でも人件費が高くて、社会モラルだって、少なくても昭和の時代の日本よりズッと良いはずの西ヨーロッパでもあまり見ないですよね。電車とかはそうでも、ドリンクとかは無いに等しいでしょう。一度、現地の人に訊いた事があります。
答えは「不便だから」。どうして、便利じゃん?
答え、「だってオツリとかどうすんの?それと頻繁に故障するじゃないの」、ですとよ。なるほど、普及には技術の優秀さ、メンテナンスの速やかさとかが必要なんですね。人件費の安さや社会モラルの高さだけだと「必要条件」であって「十分条件」まではカバーしてないんだ。
尺八って、今でも客が「貴方の店で買ったんじゃないんだけど、修理を引き受けていただけるんでしょうか?」とか訊いてくる世界です。ですから30年前に修理専門工房の遼山工房をたちあげて大成功したわけですが、その事よりも、外国で売った尺八の場合、修理はどうするんでしょうか?ろくに修理も施されていない中古尺八が大量に海外に持ち出されていますけど、それで問題は起きないのでしょうか?それにメンテナンスのいらない楽器なんて無いですよ。
修理の技術指導も、これまで何回か海外でやってきました。だけど今のところは、せっかく教えても定着しないで、教えた人がすぐやめてしまいます。修理のビジネスとしての「旨味」を説明しているのですが、製管と違って「時給いくらの世界」で言ってみれば地味ですもんね。
そこで考えた。中国文化圏に何萬人といる洞簫製作者を対象にして、尺八修理の講習会を開くのです。まず9月6日からの台湾展示会からスタートします。
修理、メンテナンスは楽器普及の重大な条件だと思うからです。ここですよ、ビジネスとしたって期待大でしょう・・・。
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