映画を見ました。
- 2019/10/11
- 15:08
ネプチューン海山の「海山たけのおと」というドキュメンタリー映画を見てきました。渋谷のユーロスペースです。

5年前に私の所に出演依頼が来た時にも、口を酸っぱくして言った事です。「日本では映画がヒットするかどうかは、偏に主演俳優にかかっている。顔の悪い人間が主演をつとめる映画は絶対に当たらない。ジョン・ネプチューンは尺八も確かに上手い。性格も良い。だけどね、顔、顔だよ、悪すぎる。さあ、こう言えば分るでしょう、誰が主演にふさわしいか。ちょっと私のスケジュールを見ましょう。たぶん今年の後半には若干の余裕がありましたよ」。
これはヒットしてほしいからこその真摯な忠告です。私は、昭和30年代の時代劇から始まり、東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、任侠Ⅴシネマとジャンルこそ違え、もう60年以上も映画を見てきました。世の中では通と言われる者です。その私の心からの忠告でした。でも、それでもジョン・ネプチューンが主演です。まあ仕方が無いですな、だって彼の息子のデヴィッドさんが監督なんですもの・・・。
右が監督のデヴィッドさん、真ん中が私、左がプロヂューサーの柳本ちあきさん。

私も出演していますから、見に行きたいと思っていましたが、多少の躊躇が有りました。「顔に自信が無いからだろう」だと、バカ野郎、若い頃は六本木で有名なナルシストだったオレ様に向かって何てことを言いやがる。台風だよ、それも過去に遡っても最大級の台風が来るてえじゃねえか、躊躇するのが当たり前だろうがよ。
それでも、まだ大丈夫だという事で、昨日、家内に一緒に行ってもらい渋谷まで行って来ました。自主制作映画にしては、思っていたより客が多く、50人弱といったところでしたが、映画そのものには「マイナー感」は有りませんでした。全くなあ、オイラ1人出ているだけで、こうも豪華な感じになるんだな・・・。
25年くらい前ですが、やはり尺八を吹く男を主人公にした「ただ、ひとたびの人」という自主制作の映画が有りましたが、それは、「尺八という楽器は時代遅れ。しぜんヒトからは相手にされない。生活も困窮を極める。にもかかわらず尺八を吹いている若い男。その苦悩。摩擦は生活する自身の空間にも及んでくる。でも、なお尺八と生きていく」という感じのもので、「まあ尺八の外部の世界の人には、こう見えるのだろうな。いや、見てはいない。イメージすると、こういう感じなのかな」、そんな風な映画で、プロの俳優、三塚泉州さんの音、そして熟練した撮影、「プロの仕事」だけある表現力、編集の技術にもかかわらず、私には微塵の感動も有りませんでした。
それに比べると今回の映画は良かったと思います。尺八を良く理解している人が創ると、こういう自然な感じで仕上がります。だって、尺八って、関わり方や関わっている人の思いに違いは有れど、「べつに特別な事は無い普通の音楽世界」というくらいには規模が大きいもの。「夢を追いかけて貧乏な人が多い」のは、他の芸術でも一緒でしょう。
映画製作は昔は金がかかりましたわ。50年前くらいに「商業映画ばかり撮るのは嫌だ」と言う人に、「1千万円(今の5千万円くらい)出すから、オマエの撮りたい映画を撮ってみろ」という企画が有りました。ATG映画です。でも、つまらなかった。結局、ヒットしたのって篠田正浩監督の「心中天の網島」くらいでしょう?
金の無い大学映画部での制作映画は、同じ大学内でも人気が無く、大学祭の上映時期にも話題にすらなりませんでした。出ているヤツは顔も悪い、ヌードも絡みも無い、そんな映画を誰が見るかい。でも、私は見ましたよ。だって、フィルム代が無いので短かったから、義理で見られるくらいの時間でしたもの。邦楽の「おさらい会」だって、会場の9割は義理で来た人。でも、1曲や2曲は聞いてくれますもんね・・・。
私は40年近く前にドキュメンタリー映画の製作にかかわった事が有りますが、当時と比べると、「フィルム撮影で無い分、製作費も安くなり、編集作業なども技術的に楽になっている」と聞きます。それにしろ、一つの映画を撮影から完成、上映にまでもっていく作業たるや大変な事です。
おとなりの中国でも「尺八映画」が創られ、今も中国各地の小スクリーンで上映されています。それを見て、「俺も尺八を吹きたい」と考える人が続出している様です。
自主制作映画だと最近では、上田慎一郎監督の「カメラを止めるな」が記憶に新しいですね。製作費3百万円、出演者は全員シロウト。当初は2館だけの上映だったのが、1年経ってみたら、上映館350、動員観客2百万人越えの「オバケヒット」になりました。だから、この映画「海山たけのおと」もヒットしないとも限りませんぜ。もし、そうなったら悩んじゃうな。オレって実は芸能人向きの性格じゃないんです。だって、謙虚だもの・・・。

5年前に私の所に出演依頼が来た時にも、口を酸っぱくして言った事です。「日本では映画がヒットするかどうかは、偏に主演俳優にかかっている。顔の悪い人間が主演をつとめる映画は絶対に当たらない。ジョン・ネプチューンは尺八も確かに上手い。性格も良い。だけどね、顔、顔だよ、悪すぎる。さあ、こう言えば分るでしょう、誰が主演にふさわしいか。ちょっと私のスケジュールを見ましょう。たぶん今年の後半には若干の余裕がありましたよ」。
これはヒットしてほしいからこその真摯な忠告です。私は、昭和30年代の時代劇から始まり、東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、任侠Ⅴシネマとジャンルこそ違え、もう60年以上も映画を見てきました。世の中では通と言われる者です。その私の心からの忠告でした。でも、それでもジョン・ネプチューンが主演です。まあ仕方が無いですな、だって彼の息子のデヴィッドさんが監督なんですもの・・・。
右が監督のデヴィッドさん、真ん中が私、左がプロヂューサーの柳本ちあきさん。

私も出演していますから、見に行きたいと思っていましたが、多少の躊躇が有りました。「顔に自信が無いからだろう」だと、バカ野郎、若い頃は六本木で有名なナルシストだったオレ様に向かって何てことを言いやがる。台風だよ、それも過去に遡っても最大級の台風が来るてえじゃねえか、躊躇するのが当たり前だろうがよ。
それでも、まだ大丈夫だという事で、昨日、家内に一緒に行ってもらい渋谷まで行って来ました。自主制作映画にしては、思っていたより客が多く、50人弱といったところでしたが、映画そのものには「マイナー感」は有りませんでした。全くなあ、オイラ1人出ているだけで、こうも豪華な感じになるんだな・・・。
25年くらい前ですが、やはり尺八を吹く男を主人公にした「ただ、ひとたびの人」という自主制作の映画が有りましたが、それは、「尺八という楽器は時代遅れ。しぜんヒトからは相手にされない。生活も困窮を極める。にもかかわらず尺八を吹いている若い男。その苦悩。摩擦は生活する自身の空間にも及んでくる。でも、なお尺八と生きていく」という感じのもので、「まあ尺八の外部の世界の人には、こう見えるのだろうな。いや、見てはいない。イメージすると、こういう感じなのかな」、そんな風な映画で、プロの俳優、三塚泉州さんの音、そして熟練した撮影、「プロの仕事」だけある表現力、編集の技術にもかかわらず、私には微塵の感動も有りませんでした。
それに比べると今回の映画は良かったと思います。尺八を良く理解している人が創ると、こういう自然な感じで仕上がります。だって、尺八って、関わり方や関わっている人の思いに違いは有れど、「べつに特別な事は無い普通の音楽世界」というくらいには規模が大きいもの。「夢を追いかけて貧乏な人が多い」のは、他の芸術でも一緒でしょう。
映画製作は昔は金がかかりましたわ。50年前くらいに「商業映画ばかり撮るのは嫌だ」と言う人に、「1千万円(今の5千万円くらい)出すから、オマエの撮りたい映画を撮ってみろ」という企画が有りました。ATG映画です。でも、つまらなかった。結局、ヒットしたのって篠田正浩監督の「心中天の網島」くらいでしょう?
金の無い大学映画部での制作映画は、同じ大学内でも人気が無く、大学祭の上映時期にも話題にすらなりませんでした。出ているヤツは顔も悪い、ヌードも絡みも無い、そんな映画を誰が見るかい。でも、私は見ましたよ。だって、フィルム代が無いので短かったから、義理で見られるくらいの時間でしたもの。邦楽の「おさらい会」だって、会場の9割は義理で来た人。でも、1曲や2曲は聞いてくれますもんね・・・。
私は40年近く前にドキュメンタリー映画の製作にかかわった事が有りますが、当時と比べると、「フィルム撮影で無い分、製作費も安くなり、編集作業なども技術的に楽になっている」と聞きます。それにしろ、一つの映画を撮影から完成、上映にまでもっていく作業たるや大変な事です。
おとなりの中国でも「尺八映画」が創られ、今も中国各地の小スクリーンで上映されています。それを見て、「俺も尺八を吹きたい」と考える人が続出している様です。
自主制作映画だと最近では、上田慎一郎監督の「カメラを止めるな」が記憶に新しいですね。製作費3百万円、出演者は全員シロウト。当初は2館だけの上映だったのが、1年経ってみたら、上映館350、動員観客2百万人越えの「オバケヒット」になりました。だから、この映画「海山たけのおと」もヒットしないとも限りませんぜ。もし、そうなったら悩んじゃうな。オレって実は芸能人向きの性格じゃないんです。だって、謙虚だもの・・・。
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