評判は？３Ⅾ

東北展示会です。ここで３Ⅾプリンター製作の尺八を実験的に販売しました。





１尺６寸、１尺８寸、２尺３寸の、まずは３種類です。今後は中間寸法、極長管も出します。





色は様々。竹の色も勿論有ります。





５孔と７孔が有ります。





歌口の形状です。深い歌口、浅い歌口、広い巾の歌口、狭い巾の歌口。どれでも自由自在。同一内径なので、歌口だけ変わると、どういう変化が起きるか？これからはデーターとして確立します。


用意した分は早々に完売しました。注文も多く入りましたが、まだ改善の余地は多いのです。まず値段。今回は１万２千円ですが、本当はもっと下げたい。限りなく１万円に近くとも、１万未満、それが目標です。
今回の展示会で来場した御客様、現役の有名プロも含めて、まず性能では合格点が出ました。竹製尺八との比較でも、文句なく上々の評価でした。
外観については社内でも意見が分かれました。
①　私の意見。　　　　　外見は出来るだけ尺八に近い方が良い。カラフルな尺八など舞台では使えない。
②　弟子達の意見。　　今はもう現役の人気プロが紫色の箏を演奏したり、金髪、Ｔシャツで尺八の舞台を勤める時代。はっきり「３Ⅾ尺八とは、こういうモノ」と区別を打ち出した方が良い。
それで竹の色、虹の７色、白、黒を並べましたが、予想通り年配の人ほど竹思考が強く、「竹の色が良い」。それに反して、若い人は「うわー、赤、カッコイイ」、「僕は黒が好きだな」、中には「5色でバンドを組んだらどうよ？シャクハチゴレンジャーとかよ」とかの意見も有りました。ですから、これから人気の無い色を整理し、竹の色と合わせて７種類くらいの生産が良いと思いました。

それにしても、１人として「竹の音と違う」と言わなかった事は嬉しい事でした。時代は、ここまで進歩して来ているのです。２０年前だと、まだ材質で音色が変わると信じていた人がいたので、きっと「３Ⅾでは竹の音色は出ない」などの非科学的な妄言を言う人が多かったと思います。５０年前だと、極く少数の識者を除いて、「竹の尺八だからこそ、あの音が出る」と多くの人が思っていましたので、こういった異材質尺八は、あくまで「竹の代替品」という扱いでした。

3Ⅾ製作はコンピューターによるプログラミングです。外形も内径もミクロン単位での変化を自在に盛り込めます。音色も決して材質なんかではなく、吹き手の個別性を除けば、全部が歌口と内径構造によるものですから、3Ⅾだと音色すら自在に操れます。ですから、まだ始まったばかりですが、今から、３Ⅾは尺八の「楽器としての未踏領域」を目指します。
しかしなお、「やっぱり竹の方が良い」という人も多かった。当り前です。楽器としての尺八と、そこに加えて別の価値を見出す人もいる。これが豊かな尺八文化です。「伝統」とはケッシテ「恥ずかしいモノ」でも無ければ「口先だけでヒトを瞞着するだけのモノ」でもありません。ですから、決して尺八はフルートの様に、材質の完全な転換は起きないと思います。

そして、来年。アッと驚く3Ⅾ尺八を出す予定です。訊きたい？　そう？、本当に訊きたい？。　じゃあ口の軽いのが長所の私だもん、ペロッと、外観は竹製尺八、中は3Ⅾ製作。