掘り出し物
- 2019/12/25
- 11:46
ヤフーオークションやメルカリで中古の尺八を見ていますが、こういう媒体では、もう「掘り出し物」は見つからないですね。とくに即決ではなく、落札決定までに日にちの有る、オークション形式では「無い」と言って過言ではありません。時間の推移はネットオークションを「落し屋さんの世界」に変えてしまいました。
10年前、いや5年前でも、まだ、いくらでも見つかりました。大阪の田中一華山は、その道のプロフェッショナルですが、5年前だと彼達が相場を作っていた様です。やっている者の見当がつくほどに世界が狭かったので、「せって値を上げなさんな。次はアンタに譲るから、今回はオレに譲れ。」といった談合が場合により行われていたと聞きました。
その頃。「大井如水って今どのくらい?」、「素人が競り合って上がる場合はあるわな。けど素人がむやみに吊り上げなきゃ相場は6万から10万だよ」。
「三浦琴童とか初代鈴慕は?」。「買う人いてへんて。まあ琴童で20、鈴慕で10行けば良いかな。それより井上重志が、この前6万で出てたけど入札ゼロやで」。こういう具合でした。まだ中古市場も無かったし、好事家は尺八に関しては「死に絶えていた」し・・・。何より大きいのは、まだ多くの人が「ネットオークション」というものを知らなかったからです。
またネットは新しい認識も作りました。たとえば大井如水。40年前には好事家の間で40~50万円で売り買いされていましたが、今は一番高い値が付く中国でも10万円は難しい。言っときますが、あくまで私が売った経験では、ですよ・・・。
どうしてかというと、探す手段の限られていた頃は珍しかったにせよ、ネットの普及した今は、アッチからもコッチからも出て来て、中国のバイヤーは「珍しく無いから」と言います。こういう現象は前はコレクターの間で垂涎だった中川華水にも及んでいます。
反対に、このところ高い値がつくのは琴古の50年以上前の尺八とか、鈴慕、勝也の様に有名演奏家の名前が入ったものです。こういうのって、前は客や御遺族から「どうしたら良いでしょう?」と尋ねられても、売るあての無い私には返事の仕様が無かったんですがね・・・。山口四郎ですが、「只でやる」と言われて、置き場所に困るんで断りましたわ。今思えば勿体ない事をしたもんです。
今のオークションは、もう素人が「美味しい思い」が出来る所ではなくなりました。それでも私が一部にしろネットで買っているのは、私の様な知識と中古市場を持っている人間にとっては、「いささやの美味しい話」があるからです。大多数のマニアとか業者は知らなくても、実は中国では「知られている銘柄」がまだ有るのです。それに加えて、高額であっても中国で確実に、それ以上で売れるのなら、その場合も「準美味しい話」になりますよね。
私が中古尺八の販売を中国、台湾でやって国内では行わない理由。2つ有ります。
友人であるネイロの石田さんの邪魔をしたくないから。そして、中国の尺八マニアの方が、日本人より、はるかに知識が有って面白いからです。
10年前、いや5年前でも、まだ、いくらでも見つかりました。大阪の田中一華山は、その道のプロフェッショナルですが、5年前だと彼達が相場を作っていた様です。やっている者の見当がつくほどに世界が狭かったので、「せって値を上げなさんな。次はアンタに譲るから、今回はオレに譲れ。」といった談合が場合により行われていたと聞きました。
その頃。「大井如水って今どのくらい?」、「素人が競り合って上がる場合はあるわな。けど素人がむやみに吊り上げなきゃ相場は6万から10万だよ」。
「三浦琴童とか初代鈴慕は?」。「買う人いてへんて。まあ琴童で20、鈴慕で10行けば良いかな。それより井上重志が、この前6万で出てたけど入札ゼロやで」。こういう具合でした。まだ中古市場も無かったし、好事家は尺八に関しては「死に絶えていた」し・・・。何より大きいのは、まだ多くの人が「ネットオークション」というものを知らなかったからです。
またネットは新しい認識も作りました。たとえば大井如水。40年前には好事家の間で40~50万円で売り買いされていましたが、今は一番高い値が付く中国でも10万円は難しい。言っときますが、あくまで私が売った経験では、ですよ・・・。
どうしてかというと、探す手段の限られていた頃は珍しかったにせよ、ネットの普及した今は、アッチからもコッチからも出て来て、中国のバイヤーは「珍しく無いから」と言います。こういう現象は前はコレクターの間で垂涎だった中川華水にも及んでいます。
反対に、このところ高い値がつくのは琴古の50年以上前の尺八とか、鈴慕、勝也の様に有名演奏家の名前が入ったものです。こういうのって、前は客や御遺族から「どうしたら良いでしょう?」と尋ねられても、売るあての無い私には返事の仕様が無かったんですがね・・・。山口四郎ですが、「只でやる」と言われて、置き場所に困るんで断りましたわ。今思えば勿体ない事をしたもんです。
今のオークションは、もう素人が「美味しい思い」が出来る所ではなくなりました。それでも私が一部にしろネットで買っているのは、私の様な知識と中古市場を持っている人間にとっては、「いささやの美味しい話」があるからです。大多数のマニアとか業者は知らなくても、実は中国では「知られている銘柄」がまだ有るのです。それに加えて、高額であっても中国で確実に、それ以上で売れるのなら、その場合も「準美味しい話」になりますよね。
私が中古尺八の販売を中国、台湾でやって国内では行わない理由。2つ有ります。
友人であるネイロの石田さんの邪魔をしたくないから。そして、中国の尺八マニアの方が、日本人より、はるかに知識が有って面白いからです。
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