次の人間国宝
- 2020/01/12
- 12:13
今現在、尺八界に人間国宝はいません。過去5人の方が重要無形文化財保持者、つまり人間国宝に認定されましたが、一昨年の夏に青木鈴慕が他界して空席になりました。
誰か新たに認定を受けるのでしょうか?尺八界ではアレコレ言う人が多いですが、そのアレコレの内容をオハナシしましょうよ。
まず都山では?「宗家である四代中尾都山が下馬評にも上がらないのは不思議だ」と思う人は、尺八界には初心者しかいません。演奏家としての実績が有りませんものね。でも、考えてみたら、「都山流宗家」という肩書は、世間一般ではともかく、こと(ママ)箏曲会と尺八界の約三分の一においては人間国宝以上のブランドかも知れません。
都山流で有りうるとすれば、川村泰山。そして野村峰山です。この二人は人格抜群、温厚で誠実な事は邦楽界で知らぬ者はいない、という存在です。でも大きな障壁も有ります。
これまでは、尺八で人間国宝に認定されるには、日本三曲協会の強い「押し」が必要でした。常任理事をやり、協会内で尺八の6~7倍の票をもつ「糸方」からの支持を受け、さらに演奏家としての実績を必要とします。これが必要条件。
40年近く前に、島原帆山が人間国宝の認定を受けた時には、まだ、この構図が知れ渡ってはいなかったので、意外視する人達が随分といたものですが、都山では島原帆山以外いないと事情通は分かっていました。理事就任済み。糸方とりわけ宮城の強い支持。演奏家としての実績もさることながら、それに倍する教授者としての、当時では比類ない功績。文部省への多大な影響力(だって文部大臣だった安井さんとはオトモダチだったもの)。これで「本命」だと思わなければ余程のどうかしているでしょう。
では十分条件とは?一言で言うと「時の運」。尺八は椅子を持っていないので上がツッカエていない事。そして年齢。山口五郎が認定された時、「還暦前でよく。さすが山口先生」と言われた事でも分る様に、出来れば60を越えていて欲しい。
この十分条件は2人ともクリアしています。ほぼ確実視されている「15年後の人間国宝」藤原道山への「つなぎ」として、ほぼピッタリの年齢です。川村さんと野村さんでは10違いますけど問題有りません。
でも必要条件がね、クリアされていない。特に、実力抜群の野村峰山の場合には、正弦社の「色」を宮城会と正派が嫌うかも知れません。
では琴古は?10年経ったら、余程の事が無い限り三代目青木鈴慕でしょう。古典演奏では文句なく一流。可愛らしい容貌は男女問わず好感を持たれています。加えて爽やかな人柄、人に対する思いやり、優しさ【言ったでしょう。人柄が良くないと糸方の人気が無いですよ)もさることながら、やはり二代先生の椅子だったわけですから、強いと思います。必要条件は大体においてクリア、十分条件も10年後にはクリアします。
でも、ここにきて最も重大な問題が出てきました。日本三曲協会が有るか?と言うよりも「推薦媒体」として機能するか?と言う事です。
日本三曲協会は4半世紀前に1万人を割り込みました。その時にも「何とかしなければ」と騒いでいましたが、実務能力を有さない邦楽家とか学者さんの集団ですから、何ほどの手を打てるのかは御想像の通りです。呆気無く20年で4千人になりましたわ。そして「増やせ」の大号令の結果、たちまち5千人になりました。どうしてかは、社会人なら分かりますよね。もう「新しい入門者を獲得した」とはズブシロだって思いませんや。門人達に積極的に入会を勧めたにしろ、安い年会費を師匠が負担して水増ししたにせよ、ともかくは「増えました」。40年前、最大社中・正派の勢力増大を嫌って、「正派所属の新規会員は年5百人まで」と言ってた時とは、文字通り隔世の感がございますなあ・・・。
でも大勢に変化は無いのですよ。会員は引き続き減りつずけます。そうして、もはや「こんなの駄目だよ」と文化担当の省庁に見切りをつけられた時、日本三曲協会は、「尺八においての認定」には一定限度の影響力しか持たなくなります。その日は意外に早いかも知れません。
そうなると、「古典本曲の保存者」または「世界伝道の功績」という事で、古屋輝夫とか三橋貴風も有り得ますね。
誰か新たに認定を受けるのでしょうか?尺八界ではアレコレ言う人が多いですが、そのアレコレの内容をオハナシしましょうよ。
まず都山では?「宗家である四代中尾都山が下馬評にも上がらないのは不思議だ」と思う人は、尺八界には初心者しかいません。演奏家としての実績が有りませんものね。でも、考えてみたら、「都山流宗家」という肩書は、世間一般ではともかく、こと(ママ)箏曲会と尺八界の約三分の一においては人間国宝以上のブランドかも知れません。
都山流で有りうるとすれば、川村泰山。そして野村峰山です。この二人は人格抜群、温厚で誠実な事は邦楽界で知らぬ者はいない、という存在です。でも大きな障壁も有ります。
これまでは、尺八で人間国宝に認定されるには、日本三曲協会の強い「押し」が必要でした。常任理事をやり、協会内で尺八の6~7倍の票をもつ「糸方」からの支持を受け、さらに演奏家としての実績を必要とします。これが必要条件。
40年近く前に、島原帆山が人間国宝の認定を受けた時には、まだ、この構図が知れ渡ってはいなかったので、意外視する人達が随分といたものですが、都山では島原帆山以外いないと事情通は分かっていました。理事就任済み。糸方とりわけ宮城の強い支持。演奏家としての実績もさることながら、それに倍する教授者としての、当時では比類ない功績。文部省への多大な影響力(だって文部大臣だった安井さんとはオトモダチだったもの)。これで「本命」だと思わなければ余程のどうかしているでしょう。
では十分条件とは?一言で言うと「時の運」。尺八は椅子を持っていないので上がツッカエていない事。そして年齢。山口五郎が認定された時、「還暦前でよく。さすが山口先生」と言われた事でも分る様に、出来れば60を越えていて欲しい。
この十分条件は2人ともクリアしています。ほぼ確実視されている「15年後の人間国宝」藤原道山への「つなぎ」として、ほぼピッタリの年齢です。川村さんと野村さんでは10違いますけど問題有りません。
でも必要条件がね、クリアされていない。特に、実力抜群の野村峰山の場合には、正弦社の「色」を宮城会と正派が嫌うかも知れません。
では琴古は?10年経ったら、余程の事が無い限り三代目青木鈴慕でしょう。古典演奏では文句なく一流。可愛らしい容貌は男女問わず好感を持たれています。加えて爽やかな人柄、人に対する思いやり、優しさ【言ったでしょう。人柄が良くないと糸方の人気が無いですよ)もさることながら、やはり二代先生の椅子だったわけですから、強いと思います。必要条件は大体においてクリア、十分条件も10年後にはクリアします。
でも、ここにきて最も重大な問題が出てきました。日本三曲協会が有るか?と言うよりも「推薦媒体」として機能するか?と言う事です。
日本三曲協会は4半世紀前に1万人を割り込みました。その時にも「何とかしなければ」と騒いでいましたが、実務能力を有さない邦楽家とか学者さんの集団ですから、何ほどの手を打てるのかは御想像の通りです。呆気無く20年で4千人になりましたわ。そして「増やせ」の大号令の結果、たちまち5千人になりました。どうしてかは、社会人なら分かりますよね。もう「新しい入門者を獲得した」とはズブシロだって思いませんや。門人達に積極的に入会を勧めたにしろ、安い年会費を師匠が負担して水増ししたにせよ、ともかくは「増えました」。40年前、最大社中・正派の勢力増大を嫌って、「正派所属の新規会員は年5百人まで」と言ってた時とは、文字通り隔世の感がございますなあ・・・。
でも大勢に変化は無いのですよ。会員は引き続き減りつずけます。そうして、もはや「こんなの駄目だよ」と文化担当の省庁に見切りをつけられた時、日本三曲協会は、「尺八においての認定」には一定限度の影響力しか持たなくなります。その日は意外に早いかも知れません。
そうなると、「古典本曲の保存者」または「世界伝道の功績」という事で、古屋輝夫とか三橋貴風も有り得ますね。
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