カスミを喰う
- 2020/03/30
- 15:26
あれは「オウム事件」の少し前ですかね、読売新聞に禅宗系の総合大学で準教授をしている方の記述が掲載されました。それが「人はカスミを食べて生存できるかも知れない」と言うヒドイ内容で、ここで言ってたカスミとは「人間の精神エネルギー」みたいなものらしいですが、いくら宗教系大学だからって「ここまで嘆かわしい段階の人が教鞭を執っているのか」と呆れた事がありました。「オウム事件」の前は、テレビや週刊誌が「商売になる」という理由で、このテの報道をする事はママ有ったのですが、流石に三大新聞レベルで、こういう記述がオチャラケ以外で載った事は記憶に有りません。現実の話、「人がカスミを食べて生きていける」と本気(病気ではなく)で思える人って、百万人に1人でも存在するのでしょうか?
このコロナの影響で、特に尺八の演奏家が苦境に立っています。何人かの有名プロ、売り出し中の若手プロのスケジュールを訊きましたが、3月4月は軒並みゼロです。弟子からの月謝が無い人だと、文字通り収入ゼロですね。
現在は尺八が教授産業から実演産業に、ほぼ切り替わった時期なので、有名な演奏家でも前時代の人みたいに多数の弟子を持っていません。川村泰山さんや善養寺さんの様に弟子が多く、「レッスンプロ」という面も備えている人でも、「ワンポイントレッスン」に来る人や、通いの御弟子さんの事を考えると打撃は大きいでしょう。
もうスカイプ等のインターネットの相互通信システムを尺八レッスンに使っている人(代表的な人で柿堺香さん、前期の川村さんもそうです)も多いので、それだと影響は無いか、もしくは柿堺さんの様に外国に多数の講習者を持っている人だと、人が外に出られない分、かえって有利かも知れません。でも、これは例外ですわ。
前のブログで、私は「政府からの補助を受けろ」と書いたところ、すぐ「そりゃ無理です」との反応が返って来ました。どうしてか?
まあ、しばしお時間を。
尺八界は今ほど、正確に言うと、尺八が教授産業として通用していた昭和40年代以来、「プロ」と称する人を多く持ったことは有りません。
しかして、その実態はと言えば、この世界は「年収5百万だったら一流、8百万円稼いだら超一流」の世界です。尺八プロの7割以上、おそらくは8割が年収2百万円にとどいていないと思います。ですから大部分が尺八の収入は無申告で、そもそも税務署的には「尺八所得ゼロ」ですから、今更「収入が減った」で補助を受けられないとの事です。そりゃそうだ、だって若手に限らず、演奏家って、まず領収書を持ってねえもんな。邦楽の場合だと、演奏会に出て謝礼とか寸志を受け取ったって、相手から領収書を求められる事って、まず無いですわ。
この「コロナ騒ぎ」も間もなく終わります。でも、後に備えて「作り貯め」の効く私ら製管業と違って、演奏家は「我が身一つ」で、失った仕事は「失った時間」ですからね。我慢するにせよ、カスミなんか食えない以上は、せめて教訓にしませんですかね。他の世界では何によらず「領収書が無い」なんて事はありませんぜ。少しずつでも近代社会に近ずきましょうや。
このコロナの影響で、特に尺八の演奏家が苦境に立っています。何人かの有名プロ、売り出し中の若手プロのスケジュールを訊きましたが、3月4月は軒並みゼロです。弟子からの月謝が無い人だと、文字通り収入ゼロですね。
現在は尺八が教授産業から実演産業に、ほぼ切り替わった時期なので、有名な演奏家でも前時代の人みたいに多数の弟子を持っていません。川村泰山さんや善養寺さんの様に弟子が多く、「レッスンプロ」という面も備えている人でも、「ワンポイントレッスン」に来る人や、通いの御弟子さんの事を考えると打撃は大きいでしょう。
もうスカイプ等のインターネットの相互通信システムを尺八レッスンに使っている人(代表的な人で柿堺香さん、前期の川村さんもそうです)も多いので、それだと影響は無いか、もしくは柿堺さんの様に外国に多数の講習者を持っている人だと、人が外に出られない分、かえって有利かも知れません。でも、これは例外ですわ。
前のブログで、私は「政府からの補助を受けろ」と書いたところ、すぐ「そりゃ無理です」との反応が返って来ました。どうしてか?
まあ、しばしお時間を。
尺八界は今ほど、正確に言うと、尺八が教授産業として通用していた昭和40年代以来、「プロ」と称する人を多く持ったことは有りません。
しかして、その実態はと言えば、この世界は「年収5百万だったら一流、8百万円稼いだら超一流」の世界です。尺八プロの7割以上、おそらくは8割が年収2百万円にとどいていないと思います。ですから大部分が尺八の収入は無申告で、そもそも税務署的には「尺八所得ゼロ」ですから、今更「収入が減った」で補助を受けられないとの事です。そりゃそうだ、だって若手に限らず、演奏家って、まず領収書を持ってねえもんな。邦楽の場合だと、演奏会に出て謝礼とか寸志を受け取ったって、相手から領収書を求められる事って、まず無いですわ。
この「コロナ騒ぎ」も間もなく終わります。でも、後に備えて「作り貯め」の効く私ら製管業と違って、演奏家は「我が身一つ」で、失った仕事は「失った時間」ですからね。我慢するにせよ、カスミなんか食えない以上は、せめて教訓にしませんですかね。他の世界では何によらず「領収書が無い」なんて事はありませんぜ。少しずつでも近代社会に近ずきましょうや。
スポンサーサイト