正寸尺八
- 2015/01/10
- 18:28
昨夜遅く台湾から帰ってきて、今日は朝から相模原の民謡チャリティー大会で出店しました。実は勘違いしていて11日だと思ったのです。ものすごく衰えたとは言え、なかなかの盛況ぶりでした。しかし出演者も来客も、そのほとんどが老人で、明日は有りません。
私の若い頃、そうですね30年くらい前ですと、民謡尺八の人の約半数は正寸管を使っていました。今は1割いないと思います。正寸管は1尺9寸で57センチ、2尺60センチ、2尺1寸で63センチという具合に、その長さが1寸3センチで計算された通りになっています。勿論これでは音程が合う分けが有りません。そこで音程の合う尺八として出てきたのが正律管です。
1尺9寸は問題化しないです。ほんの少し短いだけですし、尺八吹きは、「鳴らせない人」が7割以上ですから、正確な尺八より1尺9寸は正寸管の方がむしろ音が合います。
2尺は正しい音程を出す為には61センチ必要です。2尺1寸管となると正律は66センチですから、もう別の寸法と言って良いでしょう。
ここまでは見解の相違では無く、数値化できることですから異論というものは存在しませんが、それで済めば尺八界の名がすたると言うものです。
正寸からいち早く決別したのが米谷威和夫ひきいる米谷会だったのは、「名将の下に弱卒無し」とか言いますから、ある意味当然だと思われるでしょうが、そういう物でも有りません。
30年くらい前の米谷会だと、まだ正寸管を持って舞台に上がる人がかなりいました。素人弟子だと3人で唄ずけする事が多いのですが、2人正律で1人正寸だと、かなりの悲劇です。
米谷威和男という方は、気の弱いところが有るのでしょうか、人を怒鳴ることが出来ないのです。極く身近な弟子になると怒られたりもする様ですが、一般のお弟子さん相手に怒ったところは私は見たことが有りません。
奥さんの小杉さんは、かなり口煩いようですが、それでも尺八の弟子には遠慮が有るようです。
その分、損な役回りをしていたのは、当時は米谷龍男さんでした。今の篁(たかむら)さんです。誰かが努めなければならない損な役ですが、あえて憎まれ役を務めていました。
舞台裏 「オレなあ、これでも弟子が20人いるんだぜ、それを龍男のやつ、ボロクソ言いやがって、威和男先生に言われるんならともかくよ、何で息子みたいな若造に頭ごなしに注意されにゃあならねえんだよ」
こういう人知れぬ苦労が有って、わずか数年で米谷会は正寸を無くせたのです。
今でも正寸を使って堂々と尺八伴奏をしている人がいますが、言わば「音痴保護区に生息する天然記念物」ですから、もう5年で完全に絶滅するでしょう。
私の若い頃、そうですね30年くらい前ですと、民謡尺八の人の約半数は正寸管を使っていました。今は1割いないと思います。正寸管は1尺9寸で57センチ、2尺60センチ、2尺1寸で63センチという具合に、その長さが1寸3センチで計算された通りになっています。勿論これでは音程が合う分けが有りません。そこで音程の合う尺八として出てきたのが正律管です。
1尺9寸は問題化しないです。ほんの少し短いだけですし、尺八吹きは、「鳴らせない人」が7割以上ですから、正確な尺八より1尺9寸は正寸管の方がむしろ音が合います。
2尺は正しい音程を出す為には61センチ必要です。2尺1寸管となると正律は66センチですから、もう別の寸法と言って良いでしょう。
ここまでは見解の相違では無く、数値化できることですから異論というものは存在しませんが、それで済めば尺八界の名がすたると言うものです。
正寸からいち早く決別したのが米谷威和夫ひきいる米谷会だったのは、「名将の下に弱卒無し」とか言いますから、ある意味当然だと思われるでしょうが、そういう物でも有りません。
30年くらい前の米谷会だと、まだ正寸管を持って舞台に上がる人がかなりいました。素人弟子だと3人で唄ずけする事が多いのですが、2人正律で1人正寸だと、かなりの悲劇です。
米谷威和男という方は、気の弱いところが有るのでしょうか、人を怒鳴ることが出来ないのです。極く身近な弟子になると怒られたりもする様ですが、一般のお弟子さん相手に怒ったところは私は見たことが有りません。
奥さんの小杉さんは、かなり口煩いようですが、それでも尺八の弟子には遠慮が有るようです。
その分、損な役回りをしていたのは、当時は米谷龍男さんでした。今の篁(たかむら)さんです。誰かが努めなければならない損な役ですが、あえて憎まれ役を務めていました。
舞台裏 「オレなあ、これでも弟子が20人いるんだぜ、それを龍男のやつ、ボロクソ言いやがって、威和男先生に言われるんならともかくよ、何で息子みたいな若造に頭ごなしに注意されにゃあならねえんだよ」
こういう人知れぬ苦労が有って、わずか数年で米谷会は正寸を無くせたのです。
今でも正寸を使って堂々と尺八伴奏をしている人がいますが、言わば「音痴保護区に生息する天然記念物」ですから、もう5年で完全に絶滅するでしょう。
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