裏稼業
- 2021/05/10
- 12:03
高校時代の友人、と言っても親しく付き合ったわけでは無い、まあ顔見知り。そのⅯがヤクザになったらしい。Ⅿを良く知っているヤツがそう言っていました。Ⅿは抜群に頭が切れ、それでいて勉強しないタイプの学校秀才でもありましたから、つまり本当に頭が良かったわけです。でも喧嘩が強いとは聞いた事がありませんから、「経済ヤクザ」というか表に看板を出さない、いわゆる「企業舎弟」なのだと思います。若い頃から自分を頼む意識が強く、ずっと腕一本の自由業で通してきました。10数年前、最後に会って飲んだ時は「深海鮫ビジネス」をやってましたが、その時も有名なヤクザ組織の本部長(普通はナンバー3です)を「Kのオジさん」と口を滑らしましたから、当時から関りを持っていたのでしょう。
今ヤクザは「冬の時代」だと言われます。「暴対法」の施行以来、そのシノギ、つまり収入の方途は日に日に狭まりました。私の子供の時には20万人近かったヤクザも、現在は3万か4万らしいです。法律の網の目が至る所に張り廻らされて、昔の「暴力をチラつかせる商売形式」はもう駄目ですね。
前はウソかホントか、「ヤクザ同士の場合、傷害や殺人の量刑は3割減」とか言われていました。だからヤクザ映画なんかで、「このオカタは3人ぶっ殺して10年も懲役に行ってきたんだ」とかのセリフが有ったんです。それが今じゃね・・・。ヤクザが殺人を犯したら1人でも無期懲役ですわ。ですから、「誰々をハジイテ来い。15年刑務所に行って、出たら幹部にしてやる」とかの殺人教唆が無理になったんですよ。前と違って、今の無期は最短25年ですから、他人をハジイタラ、まず一生出られません。当然「25から刑務所。でも40で出て、後はバラ色の人生」とはなりませんな。それじゃあ出世を諦めた老人ヤクザが刑務所を養老院代わりにする選択しかないでしょうが。その上に今は「使用者責任」で唆した人間にも重い刑が科せられますからね・・・。
でも「ヤクザ的なビジネス」を合法的に営む人達を合計したら、数はさほどは変わってないのと違いますかいね?。余程の「世間知らず」でもなけりゃ、「現在の真っ当なビジネスにヤクザは必要無い」なんて思いませんわな。私の若い頃、警察を動かせるはずの現職法務大臣が、自分の手形トラブルの解決を裏社会に依頼して、「野垂れ死に」と引き換えに政治生命を失いましたし、「暴対法」の施行後でも裏社会の大物の冠婚葬祭(特に葬)には、表社会の大物達も、「裏社会の必要も熟知している警察やマスコミが黙認する形」での礼を欠かしませんものね。身内に射殺されたY組の若頭(ナンバー2)Tの葬儀会場が複数有った事なんて有名ですぜ。
だからこそ、Ⅿみたいな利口者が職業として選択したんでしょう。彼なら裏稼業で成功して、私みたいな愚直なだけの小市民が経験できない豪奢な暮らしをすると思います。言っときますけど、別に羨ましいとは思わないですよ。
今、尺八はチョット怖い局面にも入りかねない兆候が出てきました。たとえば私の所は毎日毎日大量の外国からのメールが入ります。ほとんどの場合が無視ですが、中には「ホントだったらシメタモノ、無視するのが惜しい」と思うものも有り、話だけでも進めるケースが稀に存在します。
尺八の大量発注の話は今も中国だと実際に有りますし、全部を疑っていたらビジネスマンとして終わりですね。だって、もう日本だけを市場にしては生きられない時代ですもの。論より証拠、日本にしか市場が無い、そういう製管師さんよ、今年になって、まだ5本も売れて無いでしょ。
今月も廃業する人から竹材を買いました。おそらくは購入した金額の2割くらいですよ。私が買いたたいたんでは無く、所詮そういう相場だと同業者なら分かりましょうよ。だって全部2級品なんだもの。言葉を変えれば、そういう「目」でやるから廃業の憂き目を見たのです。
同じく最近、別の廃業製管師が百本とも2百本とも言われる在庫品を、一括して中国の業者に売ったそうですが、その製管師の尺八だとオークションでは2万円以下ですから、買った側がド素人なら別でしょうけど、幾らで売ったのか興味が有る所です。そういうのが今なんですよ。
私の所に来た大量注文で、「話を流した」、そう言うケースをお話しすると、まず「納期限定の大量注文」はNG。代金の繰り延べ払いも勿論駄目。手形決済は、たとえ日本の業者でも駄目。もっとも日本には大量発注なんて業者は、もう30年前には無かったけど・・・。銀越さんの所に来た(株)専商が最後かなあ。
「中国の尺八市場は拡大の一途」とは言っても、やはり高いモノは売れません。そういう業者の尺八が実際のところ、あまり動いていない事でも明らかです。ですから40年以前の日本と同じく「廉価大量販売」の兆候が出てきました。「民謡ブーム」だった40年以前は、日本でも、楽器店で月に5本以上の尺八を売る店が珍しくなかったんですよ。中国の尺八供給も今はその方向に行っていると思います。
かつての日本では、尺八がどんなに売れてもヤクザは入って来ませんでした。「他に儲かる事が幾らでも有るのに、チンケな商売をやるわけねえ」と言う以前に、もっとチンケなコマイ儲けでもやっていましたから、何と言うか、やはり一種のリスペクトが有ったのではないですかね?。
でも私程度の規模の商売にも、「自分に任せればスムーズにノンタックスで通関させる」とか「貴方の商品が事故った(勿論嘘)。自分の言う通りにすれば解決する」だの「まず送ってこい。全部売る」だの、そうそう知り合いのデンマーク人の女性尺八家を名乗る人からもメールが有ったな「今旅先です。金を盗まれた。ついては至急送金を頼みます」だとよ。後で訊いたら柿堺香さんのところにも来てたんですと。
こういうメールをしてくる外国人には、尺八に対する畏敬の念は皆無、裏稼業の臭いしか感じませんよ。人を信じる事は美徳でも、やはり騙されれば馬鹿と言われます。
でも、そういう危険な臭いのする業界も刺激が有って、また良いですかね・・・。
今ヤクザは「冬の時代」だと言われます。「暴対法」の施行以来、そのシノギ、つまり収入の方途は日に日に狭まりました。私の子供の時には20万人近かったヤクザも、現在は3万か4万らしいです。法律の網の目が至る所に張り廻らされて、昔の「暴力をチラつかせる商売形式」はもう駄目ですね。
前はウソかホントか、「ヤクザ同士の場合、傷害や殺人の量刑は3割減」とか言われていました。だからヤクザ映画なんかで、「このオカタは3人ぶっ殺して10年も懲役に行ってきたんだ」とかのセリフが有ったんです。それが今じゃね・・・。ヤクザが殺人を犯したら1人でも無期懲役ですわ。ですから、「誰々をハジイテ来い。15年刑務所に行って、出たら幹部にしてやる」とかの殺人教唆が無理になったんですよ。前と違って、今の無期は最短25年ですから、他人をハジイタラ、まず一生出られません。当然「25から刑務所。でも40で出て、後はバラ色の人生」とはなりませんな。それじゃあ出世を諦めた老人ヤクザが刑務所を養老院代わりにする選択しかないでしょうが。その上に今は「使用者責任」で唆した人間にも重い刑が科せられますからね・・・。
でも「ヤクザ的なビジネス」を合法的に営む人達を合計したら、数はさほどは変わってないのと違いますかいね?。余程の「世間知らず」でもなけりゃ、「現在の真っ当なビジネスにヤクザは必要無い」なんて思いませんわな。私の若い頃、警察を動かせるはずの現職法務大臣が、自分の手形トラブルの解決を裏社会に依頼して、「野垂れ死に」と引き換えに政治生命を失いましたし、「暴対法」の施行後でも裏社会の大物の冠婚葬祭(特に葬)には、表社会の大物達も、「裏社会の必要も熟知している警察やマスコミが黙認する形」での礼を欠かしませんものね。身内に射殺されたY組の若頭(ナンバー2)Tの葬儀会場が複数有った事なんて有名ですぜ。
だからこそ、Ⅿみたいな利口者が職業として選択したんでしょう。彼なら裏稼業で成功して、私みたいな愚直なだけの小市民が経験できない豪奢な暮らしをすると思います。言っときますけど、別に羨ましいとは思わないですよ。
今、尺八はチョット怖い局面にも入りかねない兆候が出てきました。たとえば私の所は毎日毎日大量の外国からのメールが入ります。ほとんどの場合が無視ですが、中には「ホントだったらシメタモノ、無視するのが惜しい」と思うものも有り、話だけでも進めるケースが稀に存在します。
尺八の大量発注の話は今も中国だと実際に有りますし、全部を疑っていたらビジネスマンとして終わりですね。だって、もう日本だけを市場にしては生きられない時代ですもの。論より証拠、日本にしか市場が無い、そういう製管師さんよ、今年になって、まだ5本も売れて無いでしょ。
今月も廃業する人から竹材を買いました。おそらくは購入した金額の2割くらいですよ。私が買いたたいたんでは無く、所詮そういう相場だと同業者なら分かりましょうよ。だって全部2級品なんだもの。言葉を変えれば、そういう「目」でやるから廃業の憂き目を見たのです。
同じく最近、別の廃業製管師が百本とも2百本とも言われる在庫品を、一括して中国の業者に売ったそうですが、その製管師の尺八だとオークションでは2万円以下ですから、買った側がド素人なら別でしょうけど、幾らで売ったのか興味が有る所です。そういうのが今なんですよ。
私の所に来た大量注文で、「話を流した」、そう言うケースをお話しすると、まず「納期限定の大量注文」はNG。代金の繰り延べ払いも勿論駄目。手形決済は、たとえ日本の業者でも駄目。もっとも日本には大量発注なんて業者は、もう30年前には無かったけど・・・。銀越さんの所に来た(株)専商が最後かなあ。
「中国の尺八市場は拡大の一途」とは言っても、やはり高いモノは売れません。そういう業者の尺八が実際のところ、あまり動いていない事でも明らかです。ですから40年以前の日本と同じく「廉価大量販売」の兆候が出てきました。「民謡ブーム」だった40年以前は、日本でも、楽器店で月に5本以上の尺八を売る店が珍しくなかったんですよ。中国の尺八供給も今はその方向に行っていると思います。
かつての日本では、尺八がどんなに売れてもヤクザは入って来ませんでした。「他に儲かる事が幾らでも有るのに、チンケな商売をやるわけねえ」と言う以前に、もっとチンケなコマイ儲けでもやっていましたから、何と言うか、やはり一種のリスペクトが有ったのではないですかね?。
でも私程度の規模の商売にも、「自分に任せればスムーズにノンタックスで通関させる」とか「貴方の商品が事故った(勿論嘘)。自分の言う通りにすれば解決する」だの「まず送ってこい。全部売る」だの、そうそう知り合いのデンマーク人の女性尺八家を名乗る人からもメールが有ったな「今旅先です。金を盗まれた。ついては至急送金を頼みます」だとよ。後で訊いたら柿堺香さんのところにも来てたんですと。
こういうメールをしてくる外国人には、尺八に対する畏敬の念は皆無、裏稼業の臭いしか感じませんよ。人を信じる事は美徳でも、やはり騙されれば馬鹿と言われます。
でも、そういう危険な臭いのする業界も刺激が有って、また良いですかね・・・。
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