安保
- 2021/06/10
- 10:11
私の大学時代は「70年安保問題」が有ったので、それは賑やかなモノでしたわ。当時の大学生は、私の印象では「安保絶対反対」が1~2割、「どっちかと言うと反対」が5割くらいですかね。「知らないよ、興味無いもん」が女子学生を中心に2、3割ですか。私みたいに「安保賛成」は1割くらいでしたでしょうか、私が会話した範囲で2割はいなかったと思います。その多くが自由主義研究会とかの「現体制擁護サークル」にいましたが、それで「極左サークル」と闘争になることも無かったです。それどころか、中核派の仕切る「文化連盟」に属して、予算を貰っていた所だって有りました。当時の大学の気分は、雰囲気を知らない人の印象とは違って、殺伐としてたのは一部だけ、本質的に「良識有る学校」でしたよ。
現に私ですが、「オイ、大橋が安保賛成って言ってるぞ」とクラスの中核派に取り巻かれた事がありました。「そんな事は言ってない」、「言ったじゃないか」、「オマエ、耳が悪いんか?。耳の穴をカッポじって良く聞け。賛成じゃなくて大賛成って言ったんだ」。当り前ですが、それで終いです。対立セクトに入って活動してるわけでも無いのに、殴り合いになったりしませんや。大学生同士だもの、そのくらいの良識は有ります。「命にかえても共産主義(あるいは天皇崇拝)を貫く」といった思想的狂人は、探せばいたんでしょうが、何千人に1人?といった確率でしか発見できなかったでしょう。
私は卒業後も10年くらいクラブに顔を出していましたが、「後輩イジリ」が過ぎて、そのウチに復讐の危険が出てきました。そこで学生達に訊きましたよ。「お前らの中で、最も敵にまわしたくないと思われているヤツって誰だ?」。すると異口同音に答えが返って来ました。「それは横田ですよ。アイツの計画する悪戯って残虐と言うか、結果がムゴタラシイでしょう」。「そうか、やっぱりな」。
実は、それまでも悪戯が一定の範囲を越えない為の取り決めは有ったのです。言わば、毒ガスとか細菌兵器等の非人道兵器の使用を禁ずる国際協定みたいなものですよ。禁止の主旨も社会常識の無い学生達の為に説明しました。
① 寝ているヤツの片方の眉毛に脱毛クリームを塗らない。 ・・・考えたって分かるだろう、片方だけの眉で就職面談に行けっか?。人間性を疑われる問題だ。まあ両方に塗るんなら良いだろうよ。
② 酔いつぶれたヤツの股間に小便をしない。 ・・・吉田ネズミ男がやった山本(ボケモト)の例でも分かるように、「寝ションベンをした」とワライモノにしたって、布団の弁償金は発生すんだよ。
③ 酔いつぶれたヤツのパンツの中に糞をしない。 …当然だろうよ、衛生上の問題だ。後で「寝糞をもらした」とカラカウなら、岩本が菅沼にやられたみたいに、味噌を投げ込めば十分だ。当人だって「もらした」と思うもんな。
やっぱり大学生ですからな、悪戯にも品位ってもんが必要でしょうがな。
そこで横田との間に安全保障の協定を結びました。「いいか横田、これからはオレが非道な悪戯の被害に有ったら、どうせ犯人は分からないだろうから、誰がやったにせよテメエに仕返しする。それがイヤだったら全力で俺を守れ」。
中国の一音無心との取引が始まったのは2016年、5年前です。私は先方が希望する製管師全員の取次ぎを引き受けました。ウチのスタッフからも異論が出ましたが、自由競争、機会均等は私のモットーです。それに自由競争って結局は自分にとって得なのですよ。私の若い頃には、よく「自由貿易は強者の論理」と言われましたが、それもそうでしょうとも。でもね、今みたいに、あらゆる国があらゆる国と経済上の補完関係になっていると、ある国への経済制裁は、おうおうにして自分の国にも損失として返って来るものです。自分の国にだって、制裁された国の安くて良い部品を使って国際競争力を高めている分野が有りますからね。
産業としてチャチイ尺八の場合は、もっと切実なのです。尺八が海外に、それも個人取引でなく、市場形成を前提とした行動が初めて開始されたのが6年か7年前で、10年は経っていないと思います。それもプラスチック管でなく、竹製尺八の場合だと5年前です。私が初めです。
私は、2014年に尺八メーカーとして初めてミュージックチャイナに参加したので、その時点で20社以上の中国企業から「提携希望」が来ていました。中で一音無心を私が提携先に選んだのは、尺八に対する専門知識の高さです。「他の楽器が専門だけど、尺八も儲かりそうだからチョットやってみるか」じゃないですもの。
でも、その時点では基本的に「知らない外国企業」です。「全幅の信頼を置く」などとは、何というか、マア馬鹿のやる事ですわ。だから大勢の一流製管師を紹介することは、いわば安全保障でもあるのです。「一回でも、おかしなことをすれば、日本の一流製管師の7割以上の人から相手にされなくなり、ひいては2度と尺八販売業界では立てなくなりますよ」の意味合いが有りました。また、情報アンテナを多くする事も危険回避に役立ちます。ズバリ言ってしまえば、「売上金や尺八を持ち逃げされたって、広い中国で回収の手段が無いだろう」、身も蓋も有りませんが、要するにそう言う事です。
その後、事態は急速に進み、こんなに早く「個人の信用レベルの友情商売」が、今の様に、文字通りの正式貿易にまでなるとは思いませんでした。規模の大きい企業が相手だと、決済もⅬⅭ(レター・オブ・クレジット)みたいに補償金を積んでくれますから、高い手数料を払っても、その方が安心です。世に知られた企業が相手だと、本当はその心配すらないですけどね。
これこそ本来の安全保障で、尺八も近代ビジネスにまた1歩踏み出しました。取引高がいくら多くなっても安心で、これが、コロナ時代に私が一人勝ちしている理由です。
現に私ですが、「オイ、大橋が安保賛成って言ってるぞ」とクラスの中核派に取り巻かれた事がありました。「そんな事は言ってない」、「言ったじゃないか」、「オマエ、耳が悪いんか?。耳の穴をカッポじって良く聞け。賛成じゃなくて大賛成って言ったんだ」。当り前ですが、それで終いです。対立セクトに入って活動してるわけでも無いのに、殴り合いになったりしませんや。大学生同士だもの、そのくらいの良識は有ります。「命にかえても共産主義(あるいは天皇崇拝)を貫く」といった思想的狂人は、探せばいたんでしょうが、何千人に1人?といった確率でしか発見できなかったでしょう。
私は卒業後も10年くらいクラブに顔を出していましたが、「後輩イジリ」が過ぎて、そのウチに復讐の危険が出てきました。そこで学生達に訊きましたよ。「お前らの中で、最も敵にまわしたくないと思われているヤツって誰だ?」。すると異口同音に答えが返って来ました。「それは横田ですよ。アイツの計画する悪戯って残虐と言うか、結果がムゴタラシイでしょう」。「そうか、やっぱりな」。
実は、それまでも悪戯が一定の範囲を越えない為の取り決めは有ったのです。言わば、毒ガスとか細菌兵器等の非人道兵器の使用を禁ずる国際協定みたいなものですよ。禁止の主旨も社会常識の無い学生達の為に説明しました。
① 寝ているヤツの片方の眉毛に脱毛クリームを塗らない。 ・・・考えたって分かるだろう、片方だけの眉で就職面談に行けっか?。人間性を疑われる問題だ。まあ両方に塗るんなら良いだろうよ。
② 酔いつぶれたヤツの股間に小便をしない。 ・・・吉田ネズミ男がやった山本(ボケモト)の例でも分かるように、「寝ションベンをした」とワライモノにしたって、布団の弁償金は発生すんだよ。
③ 酔いつぶれたヤツのパンツの中に糞をしない。 …当然だろうよ、衛生上の問題だ。後で「寝糞をもらした」とカラカウなら、岩本が菅沼にやられたみたいに、味噌を投げ込めば十分だ。当人だって「もらした」と思うもんな。
やっぱり大学生ですからな、悪戯にも品位ってもんが必要でしょうがな。
そこで横田との間に安全保障の協定を結びました。「いいか横田、これからはオレが非道な悪戯の被害に有ったら、どうせ犯人は分からないだろうから、誰がやったにせよテメエに仕返しする。それがイヤだったら全力で俺を守れ」。
中国の一音無心との取引が始まったのは2016年、5年前です。私は先方が希望する製管師全員の取次ぎを引き受けました。ウチのスタッフからも異論が出ましたが、自由競争、機会均等は私のモットーです。それに自由競争って結局は自分にとって得なのですよ。私の若い頃には、よく「自由貿易は強者の論理」と言われましたが、それもそうでしょうとも。でもね、今みたいに、あらゆる国があらゆる国と経済上の補完関係になっていると、ある国への経済制裁は、おうおうにして自分の国にも損失として返って来るものです。自分の国にだって、制裁された国の安くて良い部品を使って国際競争力を高めている分野が有りますからね。
産業としてチャチイ尺八の場合は、もっと切実なのです。尺八が海外に、それも個人取引でなく、市場形成を前提とした行動が初めて開始されたのが6年か7年前で、10年は経っていないと思います。それもプラスチック管でなく、竹製尺八の場合だと5年前です。私が初めです。
私は、2014年に尺八メーカーとして初めてミュージックチャイナに参加したので、その時点で20社以上の中国企業から「提携希望」が来ていました。中で一音無心を私が提携先に選んだのは、尺八に対する専門知識の高さです。「他の楽器が専門だけど、尺八も儲かりそうだからチョットやってみるか」じゃないですもの。
でも、その時点では基本的に「知らない外国企業」です。「全幅の信頼を置く」などとは、何というか、マア馬鹿のやる事ですわ。だから大勢の一流製管師を紹介することは、いわば安全保障でもあるのです。「一回でも、おかしなことをすれば、日本の一流製管師の7割以上の人から相手にされなくなり、ひいては2度と尺八販売業界では立てなくなりますよ」の意味合いが有りました。また、情報アンテナを多くする事も危険回避に役立ちます。ズバリ言ってしまえば、「売上金や尺八を持ち逃げされたって、広い中国で回収の手段が無いだろう」、身も蓋も有りませんが、要するにそう言う事です。
その後、事態は急速に進み、こんなに早く「個人の信用レベルの友情商売」が、今の様に、文字通りの正式貿易にまでなるとは思いませんでした。規模の大きい企業が相手だと、決済もⅬⅭ(レター・オブ・クレジット)みたいに補償金を積んでくれますから、高い手数料を払っても、その方が安心です。世に知られた企業が相手だと、本当はその心配すらないですけどね。
これこそ本来の安全保障で、尺八も近代ビジネスにまた1歩踏み出しました。取引高がいくら多くなっても安心で、これが、コロナ時代に私が一人勝ちしている理由です。
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