洞簫(どうしょう)
- 2015/01/21
- 22:26
洞簫という笛は中国や台湾で今もかなり人気が有ります。
この笛は尺八と酷似しています。長さも同じなら、手孔が全面5孔背面1孔という点も尺八のオリジナルの形です。太さが現在の尺八より細いですが、これは内径調律をしないで竹の内部の節を削り取っただけですので、良く鳴る物を求めれば当然そうなります。江戸期の尺八が同様でした。
ただ1点、歌口が違います。尺八が斜めに外側から切るのに対して、洞簫は内側から削ります。
この笛が登場したのは北宋時代だそうです。それ以前にも洞簫という笛は有りましたがパンパイプです。11世紀中に広まったと考えられています。高校時代の漢文の授業で私のころは蘇軾の「前赤壁の賦」をやりました。宋の文としては1,2を争う有名なものなので暗唱できる人も多いと思います。ここに出てきます。
「壬戌の秋」とありますから1082年です。世界史か日本史で受験した人は先刻承知のことですが、壬がつけば西暦年号の末尾は2です。戌(いぬ)がその次にくるなら、12で割った余り2です。たとえば「壬申の乱」、末尾は2、申(さる)は余り0ですから、7世紀後半だと分かっていれば12で割っていくと672年は余り0です。大学受験の方に少しはお役にたちましょう。えっ、今の学生は十干が分からないって、学生さん、この機会に憶えましょうよ。尺八をおやりですから甲乙までは知っています、あと八つ。
12世紀の前半は中国で大変動が起きます。満州から興った女真人が遼、宋の二大帝国を相次いで将棋倒しにして、中国北半は金帝国の版図になります。宋は長江の南で生き延びますが、この大混乱が収まってみると、以後は洞簫ばかりで尺八は出てこなくなります。以後の文献に出てくる尺八は別の笛だということです。
私には尺八は、この「キャラのかぶる兄弟」とも言うべき洞簫に駆逐されたと思えて仕方がないのです。
今、中国でも台湾でも、尺八に習って内部を調律した調律洞簫が出てきています。私は、その工房を見てきましたが、倍音測定器まで使って製作しており、そのシェアは中国、台湾で刻々拡大しており、すでにアメリカやヨーロッパでも人気が出ています。
日本の尺八のことも良く研究しており、いつ競合関係に入るか予断を許さない段階です。相手は尺八の構造も良く研究していますし、製作工程も企業的に詰めています。
すくなくとも倍音測定器を使用すると音色と材質とは何の関係も無いと目で分かりますね。尺八では、この迷信からナカナカ抜け出せない人がいますもんね.。え~、人間には機械で測定出来ないものも分かるですって、ごめんなさい、私には「超能力者」の皆様と話す趣味は有りません。
前もネットで論争されていましたが、案の定「材質音色派」は全論拠が論破されて最後にはバカ扱いされていました。
この笛は尺八と酷似しています。長さも同じなら、手孔が全面5孔背面1孔という点も尺八のオリジナルの形です。太さが現在の尺八より細いですが、これは内径調律をしないで竹の内部の節を削り取っただけですので、良く鳴る物を求めれば当然そうなります。江戸期の尺八が同様でした。
ただ1点、歌口が違います。尺八が斜めに外側から切るのに対して、洞簫は内側から削ります。
この笛が登場したのは北宋時代だそうです。それ以前にも洞簫という笛は有りましたがパンパイプです。11世紀中に広まったと考えられています。高校時代の漢文の授業で私のころは蘇軾の「前赤壁の賦」をやりました。宋の文としては1,2を争う有名なものなので暗唱できる人も多いと思います。ここに出てきます。
「壬戌の秋」とありますから1082年です。世界史か日本史で受験した人は先刻承知のことですが、壬がつけば西暦年号の末尾は2です。戌(いぬ)がその次にくるなら、12で割った余り2です。たとえば「壬申の乱」、末尾は2、申(さる)は余り0ですから、7世紀後半だと分かっていれば12で割っていくと672年は余り0です。大学受験の方に少しはお役にたちましょう。えっ、今の学生は十干が分からないって、学生さん、この機会に憶えましょうよ。尺八をおやりですから甲乙までは知っています、あと八つ。
12世紀の前半は中国で大変動が起きます。満州から興った女真人が遼、宋の二大帝国を相次いで将棋倒しにして、中国北半は金帝国の版図になります。宋は長江の南で生き延びますが、この大混乱が収まってみると、以後は洞簫ばかりで尺八は出てこなくなります。以後の文献に出てくる尺八は別の笛だということです。
私には尺八は、この「キャラのかぶる兄弟」とも言うべき洞簫に駆逐されたと思えて仕方がないのです。
今、中国でも台湾でも、尺八に習って内部を調律した調律洞簫が出てきています。私は、その工房を見てきましたが、倍音測定器まで使って製作しており、そのシェアは中国、台湾で刻々拡大しており、すでにアメリカやヨーロッパでも人気が出ています。
日本の尺八のことも良く研究しており、いつ競合関係に入るか予断を許さない段階です。相手は尺八の構造も良く研究していますし、製作工程も企業的に詰めています。
すくなくとも倍音測定器を使用すると音色と材質とは何の関係も無いと目で分かりますね。尺八では、この迷信からナカナカ抜け出せない人がいますもんね.。え~、人間には機械で測定出来ないものも分かるですって、ごめんなさい、私には「超能力者」の皆様と話す趣味は有りません。
前もネットで論争されていましたが、案の定「材質音色派」は全論拠が論破されて最後にはバカ扱いされていました。
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