投資
- 2022/03/22
- 17:50
三男が投資に関心を持ち出しました。勤め人14年で、確かに相当の小金を貯めていますわ。訊かれましたが、父親としてはアドヴァイス出来る事と言ってもタカが知れています。だって私も素人だもん。でも絶対に近い法則みたいなものは有ります。
その1。商品取引は絶対にダメ。余程に資金が無いと儲からない。それは「追証」の仕組みが有るから。
その2。他人の持ち込む儲け話。だってそうでしょうが。うまい儲け話なら自分でコッソリやりますよ。
その3。マルチ。初期の会員が一般会員の会費を食う仕組み。バカでも分かる、だって厚さ1ミリの紙でも38回折れば月に届く。
でもねえ、「世の中に濡れ手に粟の儲け話なんか無い」という生き方も私はイヤなんですよ。チャレンジの放棄と言う前に、それだと「面白い人生」に自分自身でハードルを上げる事になりゃしませんかい。ですから三男が投資に興味を持ちだした事は、正直嬉しいです。
もう20年も前に死んだ製管師の増田州鳳は、およそ貯金に関心が無く、金が入ると製管の為の道具、ガリ棒とか尺八用ヤスリ、竹材なんかをゴッソリ買い込んでいました。「こういうのは今作り手がいない。値上がりが確実ですよ」が理由でした。勿論私の「逆だよ」のアドヴァイスなんか聞きはしませんでしたわ。
その後始末を彼に頼まれて、私も何度も彼が買い込んだ竹材を買いましたが、勿論購入時の半値以下です。だって良い竹は使った後の言わば残りですからね。道具に関しては、いくら頼まれても買った事は有りません。いくら尺八の道具だって次々と、より良い物が出てたんですぜ。売るあてのない在庫を抱えた道具屋が、「不足してるので値上がりしまっせ」と口ひとつで売り込むのが昔はよく有りました。道具だけでなく竹材もですよ。
邦楽関係だと箏の桐材の買い込みも有りましたな。どうだったか?ですと、短期勝負で儲けた人もいたんとチャイマッカ・私の友人だと損した人しか知らないけど・・・。こういうのは、情報が学者さんなんかの「準情報通」の耳に入る時点で、もう手遅れなんです。
私の大学の先輩の浜松屋は、半世紀も前に三味線用猫皮を韓国で採る方法で、一時は有卦にはいっていました。「たまには先輩の所にタカリに来いよ」が口癖でしたが、後輩の私の顔を立てて、法政大学三曲会で使う三絃を、信じられない安価で提供してくれた温情は今も忘れていません。でも、いくら儲かるって言われても、猫はねえ、だって、やはり動物を殺すのはイヤですわ。オバケなんか信じていなくても、夢でうなされちゃう。人間出来れば「綺麗ごと」で生きたいじゃありませんか。
私が大学を出た1973年まで、銀行金利は凄く高くて、ピークの時は確か9パーセントでした。これだと1千万円有れば、銀行で定期預金にして年90万円。大学出の初任給が手取り5~6万の時代です。そこで意見も二つに分かれました。「金利が良いから何もしないでおこう」それと「何を投資しても金利以上の期待が持てる」です。バブルの時と違って「銀行に置いておくのが一番損だ」じゃないもんね。皆が「金持ちになれるかも」の期待を抱いた最後の時代ですかね。
日本では江戸時代に刷り込まれた「支配者の為に必要な農民価値観」というものが、今は大分薄らいだとは言え、なお根強く残っています。だって、日本の近代資本主義って、その農民価値観を会社や工場にそのまま持ち込んだだけじゃないですか。
一口で言うと「既成の価値観に従順。人はコツコツやって地道に生きるのが一番」と言うヤツです。ですから、宝探しの小説や漫画、ドラマなんか見て下さい、日本だと最後は結局宝は手に入りません。でも、これが欧米となると、幾多の試練を潜り抜けた後、見事に宝をゲットして勝ち組に入ります。
「農民価値観」がイケないとは言ってませんよ。そういう人も大切です。要は多様性ですがな。農本時代は過ぎたとは言え、その価値観が頭からバカにされる時代もまた、考えモノですわ。
結局、三男には損しても良い範囲で株式投資を勧めました。生真面目な三男の器量では、取り敢えずは、それが良いでしょう。でも、尺八で生きていく人の為のアドヴァイスであれば、「自分に投資しろ」と言います。「流派の免状がそうだ」とか思っているバカは今では一人もいないと思います。もしいたら是非会いたい。
「一生懸命に芸を身につける」、あのねえ、それってアマチュアの言う事ですって。プロは、それが前提、でも必要条件で十分条件ではありませんがな。
これからの時代の尺八吹きの自己投資。製管または尺八手直し技術、複数楽器のマスター、英語か中国語の勉強。このいずれか、または全部です。
その1。商品取引は絶対にダメ。余程に資金が無いと儲からない。それは「追証」の仕組みが有るから。
その2。他人の持ち込む儲け話。だってそうでしょうが。うまい儲け話なら自分でコッソリやりますよ。
その3。マルチ。初期の会員が一般会員の会費を食う仕組み。バカでも分かる、だって厚さ1ミリの紙でも38回折れば月に届く。
でもねえ、「世の中に濡れ手に粟の儲け話なんか無い」という生き方も私はイヤなんですよ。チャレンジの放棄と言う前に、それだと「面白い人生」に自分自身でハードルを上げる事になりゃしませんかい。ですから三男が投資に興味を持ちだした事は、正直嬉しいです。
もう20年も前に死んだ製管師の増田州鳳は、およそ貯金に関心が無く、金が入ると製管の為の道具、ガリ棒とか尺八用ヤスリ、竹材なんかをゴッソリ買い込んでいました。「こういうのは今作り手がいない。値上がりが確実ですよ」が理由でした。勿論私の「逆だよ」のアドヴァイスなんか聞きはしませんでしたわ。
その後始末を彼に頼まれて、私も何度も彼が買い込んだ竹材を買いましたが、勿論購入時の半値以下です。だって良い竹は使った後の言わば残りですからね。道具に関しては、いくら頼まれても買った事は有りません。いくら尺八の道具だって次々と、より良い物が出てたんですぜ。売るあてのない在庫を抱えた道具屋が、「不足してるので値上がりしまっせ」と口ひとつで売り込むのが昔はよく有りました。道具だけでなく竹材もですよ。
邦楽関係だと箏の桐材の買い込みも有りましたな。どうだったか?ですと、短期勝負で儲けた人もいたんとチャイマッカ・私の友人だと損した人しか知らないけど・・・。こういうのは、情報が学者さんなんかの「準情報通」の耳に入る時点で、もう手遅れなんです。
私の大学の先輩の浜松屋は、半世紀も前に三味線用猫皮を韓国で採る方法で、一時は有卦にはいっていました。「たまには先輩の所にタカリに来いよ」が口癖でしたが、後輩の私の顔を立てて、法政大学三曲会で使う三絃を、信じられない安価で提供してくれた温情は今も忘れていません。でも、いくら儲かるって言われても、猫はねえ、だって、やはり動物を殺すのはイヤですわ。オバケなんか信じていなくても、夢でうなされちゃう。人間出来れば「綺麗ごと」で生きたいじゃありませんか。
私が大学を出た1973年まで、銀行金利は凄く高くて、ピークの時は確か9パーセントでした。これだと1千万円有れば、銀行で定期預金にして年90万円。大学出の初任給が手取り5~6万の時代です。そこで意見も二つに分かれました。「金利が良いから何もしないでおこう」それと「何を投資しても金利以上の期待が持てる」です。バブルの時と違って「銀行に置いておくのが一番損だ」じゃないもんね。皆が「金持ちになれるかも」の期待を抱いた最後の時代ですかね。
日本では江戸時代に刷り込まれた「支配者の為に必要な農民価値観」というものが、今は大分薄らいだとは言え、なお根強く残っています。だって、日本の近代資本主義って、その農民価値観を会社や工場にそのまま持ち込んだだけじゃないですか。
一口で言うと「既成の価値観に従順。人はコツコツやって地道に生きるのが一番」と言うヤツです。ですから、宝探しの小説や漫画、ドラマなんか見て下さい、日本だと最後は結局宝は手に入りません。でも、これが欧米となると、幾多の試練を潜り抜けた後、見事に宝をゲットして勝ち組に入ります。
「農民価値観」がイケないとは言ってませんよ。そういう人も大切です。要は多様性ですがな。農本時代は過ぎたとは言え、その価値観が頭からバカにされる時代もまた、考えモノですわ。
結局、三男には損しても良い範囲で株式投資を勧めました。生真面目な三男の器量では、取り敢えずは、それが良いでしょう。でも、尺八で生きていく人の為のアドヴァイスであれば、「自分に投資しろ」と言います。「流派の免状がそうだ」とか思っているバカは今では一人もいないと思います。もしいたら是非会いたい。
「一生懸命に芸を身につける」、あのねえ、それってアマチュアの言う事ですって。プロは、それが前提、でも必要条件で十分条件ではありませんがな。
これからの時代の尺八吹きの自己投資。製管または尺八手直し技術、複数楽器のマスター、英語か中国語の勉強。このいずれか、または全部です。
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