ラベル
- 2022/07/13
- 11:34
最近は寝酒にウイスキーですわ。ジョニーウォーカーの赤ラベルを6日で一瓶、だから安上がりです。本当はジョニ黒が良いんですが、私の住んでいる田舎スーパーでは黒は売っていません。でも、ある日ヒラメいた。ラベルをマジックで黒く塗る。これで千円の赤が2千5百円の黒になる。オレって、なんて利口なんだろう、自分に自分で惚れ惚れします。
「だったら、いっそ青く塗れば良いじゃありませんか」と弟子の一人に言われました。バカ野郎め。アッ、勘違いすんな、オレが怒ってんのは、そんな好い事を早く言わないからじゃねえんだぜ。師匠として弟子に教えたいのは技術ばかりじゃない、「人の道」というものもです。一瓶2万円の青だと、タワケ、そこまでの贅沢をしていてはキリが無くなる。だいいちジョ二赤をマジックひとつで青に変えたりしたら人間性を疑われちゃう・・・。
その昔、大卒初任給が手取り1万円の時代、ジョ二黒も1万円していました。私が25,6の時で大卒初任給は7万円くらいでしたが、まだジョ二黒は6千5百円。でもねえ、空港の免税店で買うと2千円、バンコックの空港が一番安くて1800円でしたな。関釜フェリーの釜山免税店で1本2千円で免罪範囲の3本を買って、すぐ下関のバーで売ると3本で1万円になりました。差額4千円は当時では大したものでしたぜ。ナンセ東京ー新大坂を新幹線で行って、そのくらいでしたからね。
その頃ですよ、ジョ二黒をイギリスで輸入目的で買うと、確か6百50円くらいだったと思います。1本1万円の時代に飲んでいた人って、どういう人か知りませんが、まあ税金を飲んでいたんですな。
その下関で、仲良くしていたバーのマダムに訊いた事が有ります。ジョニ黒のダブルを2千円で客に提供していた店です。ちなみに1瓶でダブルが12杯採れます。
ジョ二黒のカラ瓶にジョ二赤を詰めて売ったら分かるのか?。その答えは今でも尺八商売、いやビジネスの指針にしています。
「黒を飲みなれている人なら分るでしょうね。酔いが回ったら?。そうね、分からないかもね。でも、少数でも分かる人がいて、必ず悪い評判が立つのよ。そういう事はしてはいけないの」。
分かる客って何パーセントくらいですか?
「知らないわよ。1パーセントでも90パーセントでも関係無いじゃない。そりゃジョニ黒を注文する人って、何をして儲けている人か知らないわよ。まあ普通のサラリーマンじゃないでしょうね。でも、そんなことも関係無いじゃない。御客様はお客様、分かっても分かっていなくとも、同じにしないとね」。
私の展示会で、尺八の価格の正当性について質問してくる人がいますが、その答えは何時も一緒です。ショッチュウですから聞いた人も多いと思います。
「尺八の価格って根拠の無い物なのです。そういう意味では骨董や美術品も同じですが、それでも、あちらには需給関係という根拠らしきものは有ります。でも尺八には、それすら有りません。価格を自分で決めて価格ラベルに貼っているんです。でも嘘は嘘なりに、それを通さないと、ただでさえ無い尺八価格の信用が益々無くなる」。
つまり信用するかしないか、その売り手自身の信用と矜持を売っているんです。だから高い注文が来ても、安い尺八のラベルを高いラベルに貼り変える事はモッテノホカ。では、その反対、安い注文が来て、たまたま高いラベルの尺八に希望通りのモノが有ったとしたら?。安く張り替える。マア有りでしょう。でも同じグレードの尺八を高いまま買った人に気の毒ですわな。やっぱり出来れば止めるべきでしょう。でも、私は1割までは下げていますから、あまり強い事は言えません。でも常識的に考えて下さい。値切ればラベル表示の四分の一になる様な人の尺八を信じられますか?。
「尺八の値段なんかイイカゲンなもので、はっきり分からないじゃないか」という疑問は全くその通り。ジョ二赤をジョニ黒と偽って信用を落とす可能性に較べてさえ、リスクは比較にならなほど低いと思います。ですから、これまでイイカゲンが通ったのです。
でも、今現在、ある程度レベル以上の水準で営業出来ているところに、企業倫理に欠けているところは、あまり(全くと言えないのは残念)ないですよ。
2003年でしたか、20数年ぶりに下関の懐かしいバーを訪ねましたが、もう無かった。これは当たり前とも言える。「お勘定」まで値段が分からなかった、かつての寿司屋とかバーの多くが、回転寿司やスナックに客を獲られたのは当然ですな。そんなの企業倫理以前の問題です。
「だったら、いっそ青く塗れば良いじゃありませんか」と弟子の一人に言われました。バカ野郎め。アッ、勘違いすんな、オレが怒ってんのは、そんな好い事を早く言わないからじゃねえんだぜ。師匠として弟子に教えたいのは技術ばかりじゃない、「人の道」というものもです。一瓶2万円の青だと、タワケ、そこまでの贅沢をしていてはキリが無くなる。だいいちジョ二赤をマジックひとつで青に変えたりしたら人間性を疑われちゃう・・・。
その昔、大卒初任給が手取り1万円の時代、ジョ二黒も1万円していました。私が25,6の時で大卒初任給は7万円くらいでしたが、まだジョ二黒は6千5百円。でもねえ、空港の免税店で買うと2千円、バンコックの空港が一番安くて1800円でしたな。関釜フェリーの釜山免税店で1本2千円で免罪範囲の3本を買って、すぐ下関のバーで売ると3本で1万円になりました。差額4千円は当時では大したものでしたぜ。ナンセ東京ー新大坂を新幹線で行って、そのくらいでしたからね。
その頃ですよ、ジョ二黒をイギリスで輸入目的で買うと、確か6百50円くらいだったと思います。1本1万円の時代に飲んでいた人って、どういう人か知りませんが、まあ税金を飲んでいたんですな。
その下関で、仲良くしていたバーのマダムに訊いた事が有ります。ジョニ黒のダブルを2千円で客に提供していた店です。ちなみに1瓶でダブルが12杯採れます。
ジョ二黒のカラ瓶にジョ二赤を詰めて売ったら分かるのか?。その答えは今でも尺八商売、いやビジネスの指針にしています。
「黒を飲みなれている人なら分るでしょうね。酔いが回ったら?。そうね、分からないかもね。でも、少数でも分かる人がいて、必ず悪い評判が立つのよ。そういう事はしてはいけないの」。
分かる客って何パーセントくらいですか?
「知らないわよ。1パーセントでも90パーセントでも関係無いじゃない。そりゃジョニ黒を注文する人って、何をして儲けている人か知らないわよ。まあ普通のサラリーマンじゃないでしょうね。でも、そんなことも関係無いじゃない。御客様はお客様、分かっても分かっていなくとも、同じにしないとね」。
私の展示会で、尺八の価格の正当性について質問してくる人がいますが、その答えは何時も一緒です。ショッチュウですから聞いた人も多いと思います。
「尺八の価格って根拠の無い物なのです。そういう意味では骨董や美術品も同じですが、それでも、あちらには需給関係という根拠らしきものは有ります。でも尺八には、それすら有りません。価格を自分で決めて価格ラベルに貼っているんです。でも嘘は嘘なりに、それを通さないと、ただでさえ無い尺八価格の信用が益々無くなる」。
つまり信用するかしないか、その売り手自身の信用と矜持を売っているんです。だから高い注文が来ても、安い尺八のラベルを高いラベルに貼り変える事はモッテノホカ。では、その反対、安い注文が来て、たまたま高いラベルの尺八に希望通りのモノが有ったとしたら?。安く張り替える。マア有りでしょう。でも同じグレードの尺八を高いまま買った人に気の毒ですわな。やっぱり出来れば止めるべきでしょう。でも、私は1割までは下げていますから、あまり強い事は言えません。でも常識的に考えて下さい。値切ればラベル表示の四分の一になる様な人の尺八を信じられますか?。
「尺八の値段なんかイイカゲンなもので、はっきり分からないじゃないか」という疑問は全くその通り。ジョ二赤をジョニ黒と偽って信用を落とす可能性に較べてさえ、リスクは比較にならなほど低いと思います。ですから、これまでイイカゲンが通ったのです。
でも、今現在、ある程度レベル以上の水準で営業出来ているところに、企業倫理に欠けているところは、あまり(全くと言えないのは残念)ないですよ。
2003年でしたか、20数年ぶりに下関の懐かしいバーを訪ねましたが、もう無かった。これは当たり前とも言える。「お勘定」まで値段が分からなかった、かつての寿司屋とかバーの多くが、回転寿司やスナックに客を獲られたのは当然ですな。そんなの企業倫理以前の問題です。
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