アメリカやヨーロッパ、それも北欧には大きい人が多いですね。では、大きい人の多いアメリカでは、どの位から「大きい」と言われるのでしょうか?。
私が知ってる日本人プロレスラーで身長が2メートル近い人は何人かいましたが、それでもアメリカで、名前にビッグが付いた人は3人です。ジャイアント馬場、坂口征二、グレート草津です。195センチで堂々たる体格の坂口までは分かりますが、192センチの草津がビッグ・クーと言われたのですから、このあたりからアメリカ人の感覚でも「大きい」となるのでしょう。アメリカ人プロレスラーでも190センチ以下の身長で「ビッグ」と言われる事は、あまり無いみたいです。もっと言えば、「ビッグ」は身長だけでなく、横幅などを含めたイメージでしょうね。
プロレスラーの身長体重は発表と実際とでは差が有りまして、前歴に、正式採寸のアマスポーツでのキャリアが無い場合は、ダイタイ身長で3~5センチくらい水増しして言ってるようです。法政大学三曲会ОBの知能指数と同じですよ。言ってる数字が実際より低い事は無い。
私の御客では190センチを越えているであろう人が何人かいますが、それでも日本人は6年前に亡くなった藤平恢山さん(190センチ)だけです。藤平さんは巨人症という感じではなく、均整が採れていてハンサムでした。それでも51で亡くなりましたので、短命ですよね。ちなみに190センチは、当時(20年前)日本で既製服の有った限度らしいです。藤平さんには有ったが、196センチのジャンボ鶴田には無かった。
大きい人のうちで、巨人症で大きくなった人達は一般に短命だと言われます。馬場は還暦過ぎまで生きましたが、「巨人にしては長生き」だそうです。アンドレ・ザ・ジャイアントや私と仲の良かったパク・ソン(朴松男)さんは40代で亡くなりました。パクさんも本当の年齢は分かりませんが、40を幾つも越えていなかった事は確かです。余談ですが、日本は官僚の統制意欲が強く、戸籍という世界的にも珍しいモノが存在する国ですが、それでも戦前の戸籍には全幅の信頼などは置けないのです。まして朝鮮、台湾などの旧植民地や沖縄、奄美の戸籍は不確かな場合があります。沖縄が少し前まで「日本一の長寿県」だったにもかかわらず、医師は信じていませんでした。その話題は意図的に避けていたような気がします。長寿世界一に認定されたĪSさんで15から20はサバを読んでいた事は常識らしいですが、なんせ確たる証拠がない以上、「あくまでもギネスでの認定だよ」で触れないようにしていました。それはそれとして、戦前生まれのパクさんも、パスポート記載より何歳か上だった様です。
古い人はマンモス鈴木というレスラーを憶えているでしょう。2メートル近い人で、魁夷な怪物的容貌とは裏腹に気さくな人柄で、私達プロレスファンとも、よく話し相手になってくれましたが、彼も享年50です。
正確な記録に残っている限りでは、これまでの人類最長身はロバート・ワドローの272センチでしたが、彼も22才没という極端な短命でした。
長いと言えば尺八での長管って、どのへんからですかね?。民族楽器で一般的に使用されるモノは、その民族の体格に原則として支配されます。尺八が広く使われる様になった江戸後期の成人男性の平均身長は155センチくらいだったといいます。それが今では約1割身長が伸びてます、それから言うと、2尺管くらいまでが普通の長さと言って良いのではないですかね。
このところ「長管の響きに魅せられた」と言う人が多くなっています。長管は一般には「倍音が多くふくまれていて、音の構成が複雑」とのイメージが有りますが、実を言えば、調律管に関しては、それって丸っきり逆ですよ。長さに対して内径容積の比率が小さく(寸法が長くなっても内径は同じ比率では広くならない)なりますから、短管より倍音が少なく音色は相対的にピュア、言い換えれば単純になります。多くの人が実際とは逆の印象を持つのは、輪郭がハッキリしない音色と雰囲気でしょうね。長い尺八での演奏は音程すらボヤケますので、尺八の様なタイプの楽器だと長所は多いです。あまりハッキリ言うのもナンですが、音が出てれば音程が甘くても雑音が多くても褒められますよ・・・。
最近愛好家が増えている竹の節を抜いただけの尺八、いわゆる地無し管では長管の利点は更に大きくなります。通常の場合、尺八での1尺8寸管は外周は10センチから11.5センチくらいですので、節を抜いた状態では中は広すぎます。その為に下地を張るのですが、竹の長さが2尺3寸くらいから内径との比率が合い始めます。地無し管だと、それでもなお内径が広いので倍音は多くなります。このあたりが人気の秘密ですかね。何度でも言いますが、楽器って文化でもあり、それ故に性能や操作性が一辺倒に求められたわけでは無く、個性的魅力との相互牽制が進化の歴史です。
この様に長さは内部とのバランスであり、そこに整合性が有れば、かなりの長さでも「吹きやすい」と感じます。長い尺八は息が弱くとも、それなりに反応しますしね。
一般論として「大きくなり過ぎた人は短命」だと認識されるのは、内部器官とのバランスが良くないからだそうです。で、その範囲とは?。大雑把な基準として、アメリカで「ビッグ」と言われる範囲に入るかどうか、と云うのは無理ですかね?。では尺八だとどうか、当然の疑問です。「鳴らす」という点では、長さ1メートルくらいまでは楽です。でも、操作性という事も大事ですから、それだと2尺3寸管(A管、実寸73、5センチ)は良いですね。身長150センチくらいの小柄な人でも「良い演奏」が出来るのは、ここくらいまででしょう。
長さだけなら幾らでも長く出来るんですよ。私が入手した西村虚空作の地無し管なんか1メートルを越えていて、杖としても使えるように作ってありました。でも音程は2尺4寸管程度です。中国のドウショウと同じく1孔の下にさらに最低音を決める孔が開いているのです。ですから、その先はいくら長くても音程とは無関係です。
楽器として操作が難しいのは、むしろ1尺3寸以下の短管です。構造上の宿命的な矛盾を解消できないのですもの。製作も全く同様です。3尺の地無し管で、筒音А(筒音孔有り)なんか5万円もいただければ喜んで作りまっせ・・・。
スポンサーサイト