贋作
- 2015/01/25
- 12:23
尺八に贋作って有るのでしょうか?
「古鏡はニセモノも多い」と聞きます。「古の印の両肩が下がっているのが本物だ」と聞いたことも有ります。そこで、古管尺八研究の第一人者である大阪芸大教授の志村哲(しむら さとし)先生に真偽を聞いたことがあります。
「私はニセ古鏡の存在を確認していません。古の印は複数のタイプが有りますし、古鏡以外の人も使用していた可能性も有ります」と言うことでした。
「如水はニセモノが有る」 如水以外の名前も挙がりますが、ここを古管尺八売買のプロである、アンティーク・ね色の石田さんに聞きました。
「見たことないですねえ。焼印の偽造までしてニセモノを作ったと分かる物は、これまで有りませんでした」との事。
「黒沢琴古作の尺八で本物と判定されているのは何本有るのですか?」 この質問にも研究家から答えを得ていますが、ここは今のところ問題が多いので明記することは控えまが、はっきり本物だろうと認定されるモノは20本無いそうです。ただ、琴古の贋作を作ったというより「誤って琴古作と伝わっている尺八が有る」ということらしいのです。
もともと製管師には自分で作ったことを明示する気は乏しく、「焼印は明治になってからで、おそらく清水静山の門人である白木静波くらいから」と聞いたことが有ります。製管師が名前で高値がつくには、その前に情報の広がりが必要ですが、それが明治以前に尺八製作で有ったとは思えません。
古鏡は今は有名ですが、江戸時代に地方に持って行っても旅費に見合う価格で売れたとは思えませんし、京都周辺であればニセモノを作っても、すぐバレてしまいます。
雪舟の本物は現存20点くらいと言われています、菅原道真の真筆は存在していないと言われていますが、持っている人がいます。もし本物なら普通の人の生涯賃金に近いことは確かでしょう。
有名なバイオリンのストラスバリウスは生涯製作数は諸説あるものの三百から千くらいです。それが、今世界に三千有り、しかも持っているカタガタは、いずれもヒトカドの人達で「自分のこそは本物」と思っているのです。超高額で売買されている物については、時に本物を上回る技量でニセモノを作っているケースすら有るそうです。
つまり真贋は余程に慎重でなければ言えないということです。高額が予想される売買の対象になったり文化財指定の可能性が出てきた場合には尺八でも厳密な鑑定が行われますが、個人が持っているぶんには誰もヤボは言いません。
それでは尺八に贋作は存在するのか? 一番多い動機は「金のため」ですが、確実に存在していて、私も実際に見たことが有ります。強い意図でニセモノを作ったのでは無く、「どうせ分かりゃしねえ」と口先一つで仕立て上げたのです。
ただ戦後の製管師の尺八に関しては絶対に有りません。
戦後の尺八で最も高額なのは真山ですが、技術的に真似できる人は十人もいません。その人達はそんな危ないマネをする必要は無いし、ダイイチ「真山のニセモノ」を作れる技術が有れば自分の名前でやりますわ。
三世古童には本人の製作ではない尺八が有るそうです。また横山勝也が祖父の篁邨を尺八に押していた時期がありますが、この場合は贋作製作では有りません。
「古鏡はニセモノも多い」と聞きます。「古の印の両肩が下がっているのが本物だ」と聞いたことも有ります。そこで、古管尺八研究の第一人者である大阪芸大教授の志村哲(しむら さとし)先生に真偽を聞いたことがあります。
「私はニセ古鏡の存在を確認していません。古の印は複数のタイプが有りますし、古鏡以外の人も使用していた可能性も有ります」と言うことでした。
「如水はニセモノが有る」 如水以外の名前も挙がりますが、ここを古管尺八売買のプロである、アンティーク・ね色の石田さんに聞きました。
「見たことないですねえ。焼印の偽造までしてニセモノを作ったと分かる物は、これまで有りませんでした」との事。
「黒沢琴古作の尺八で本物と判定されているのは何本有るのですか?」 この質問にも研究家から答えを得ていますが、ここは今のところ問題が多いので明記することは控えまが、はっきり本物だろうと認定されるモノは20本無いそうです。ただ、琴古の贋作を作ったというより「誤って琴古作と伝わっている尺八が有る」ということらしいのです。
もともと製管師には自分で作ったことを明示する気は乏しく、「焼印は明治になってからで、おそらく清水静山の門人である白木静波くらいから」と聞いたことが有ります。製管師が名前で高値がつくには、その前に情報の広がりが必要ですが、それが明治以前に尺八製作で有ったとは思えません。
古鏡は今は有名ですが、江戸時代に地方に持って行っても旅費に見合う価格で売れたとは思えませんし、京都周辺であればニセモノを作っても、すぐバレてしまいます。
雪舟の本物は現存20点くらいと言われています、菅原道真の真筆は存在していないと言われていますが、持っている人がいます。もし本物なら普通の人の生涯賃金に近いことは確かでしょう。
有名なバイオリンのストラスバリウスは生涯製作数は諸説あるものの三百から千くらいです。それが、今世界に三千有り、しかも持っているカタガタは、いずれもヒトカドの人達で「自分のこそは本物」と思っているのです。超高額で売買されている物については、時に本物を上回る技量でニセモノを作っているケースすら有るそうです。
つまり真贋は余程に慎重でなければ言えないということです。高額が予想される売買の対象になったり文化財指定の可能性が出てきた場合には尺八でも厳密な鑑定が行われますが、個人が持っているぶんには誰もヤボは言いません。
それでは尺八に贋作は存在するのか? 一番多い動機は「金のため」ですが、確実に存在していて、私も実際に見たことが有ります。強い意図でニセモノを作ったのでは無く、「どうせ分かりゃしねえ」と口先一つで仕立て上げたのです。
ただ戦後の製管師の尺八に関しては絶対に有りません。
戦後の尺八で最も高額なのは真山ですが、技術的に真似できる人は十人もいません。その人達はそんな危ないマネをする必要は無いし、ダイイチ「真山のニセモノ」を作れる技術が有れば自分の名前でやりますわ。
三世古童には本人の製作ではない尺八が有るそうです。また横山勝也が祖父の篁邨を尺八に押していた時期がありますが、この場合は贋作製作では有りません。
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