ボヤ
- 2023/05/08
- 09:06
女優の竹下景子さんは東京女子大学(トンジョ)に入学すると筝曲部に入りました。1972年の事です。当時「40校7百人」と言われた関東学生三曲連盟(関学三)では女子大や男ばかりの尺八部も有って、そういう所は、相手校を見つけて合同でコンパ(ゴーコン)とかハイキング(ゴーハイ)とかを行っていました。トンジョの筝曲部は早稲田大学の虚竹(尺八部)と交流していました。その時の楽しかった思い出は、虚竹のОB達からも、竹下景子さん御自身からも聞いています。
その竹下さん、高校時代は演劇部だったので、大学進学と同時にタレント活動を開始、四年生の時には『祭りの準備』でヒロインを務めました。1975年公開の、この映画が神楽坂の佳作座にかかったのが2年遅れの1977年です。佳作座は学生相手の格安映画館で、1970年頃で50円でしたから、その時分でも百円くらいだったと思います。勿論「封切館」ではないので新作はかかりません。
「竹下景子の全裸ファックシーンが有るぞ」てんで、法政大学三曲会の男は全員が見に行きましたよ。人間存在の根源に根ざす崇高な性欲を、抽象的な観念で押さえつけるコジレタ奴など、我が法政三曲には1人もいないと誇りをもって断言できる。
竹下さんと相手の男との「絡みシーン」は、これからと言う時に、相手の男のドジからボヤが起こり、そこで中断です。この映画、私は1回しか見なかったけど、これは推測ですよ、あくまでも推測ですけど、後輩の山下とか若松なんかは何回も通ったと思います。
と言いますのは、子供の頃に焚火をした経験が有る人は分かりますが、火というのは一旦燃えると消えないかわりに、火が熾るまではナカナカ大変なんです。着いたと思ったら、すぐ消えてしまいます。ですから、いつも都合よく燃え盛るとは限りません。「何回も見に行くうちには、1回くらいはボヤまでいかずに消えるだろう」と彼らが考えるのは納得できます。ただ私の場合、暇が無かった・・・。
尺八もここ10年、火が着きかけて、「さあ行くぞ」と言う肝心な時に、ボヤの段階で消えてしまうことが再三でした。特に、この3年のコロナは酷かったですね。おかげで、政府のインバウンド事業と絡めての「伝統文化推奨」も、尺八が出たはずのオリンピック開会式閉会式、挙句は2022年に深圳で行われるはずだった尺八世界フェステバルです。軒並み中止。
世界大会は予想通りアメリカが手を挙げました。2025年にテキサス(ヒューストン近郊)で行われます。これだと移動手段、費用等から考えて、招待演奏家以外の日本人尺八家の参加は、おそらく、ほとんど無いでしょうね。それは時代の流れでもありますから、仕方が無いとも言えますが、中国の尺八界と欧米豪の白人文化圏の尺八界とが互いに「そっぽをむき合う」ような方向に行かなければ幸いです。杞憂を言ってるんじゃないですよ。2022年の中国大会(深圳)が中止になった理由は、勿論コロナも大きい。でも中国尺八界の意思の不統一に加えて、欧米や台湾の尺八界の中国に対する冷ややかな感情も有ったようです。
こういう時にこそ、本当は日本の尺八界が役に立たなければいけないのにねえ・・・。でも皆が年をとってしまいました。海外に大きなパイプを持つKSKも古屋さんが74、真玉さんが76,若いと思った柿堺さんでも今年は65になります。中国人とアメリカ人のハーフで、オーストラリア尺八界の支配者であり、中国南部から香港、東南アジアにかけて影響力を持つライリー・リーも72.非KSKですが倉橋容堂だって73です。コロナで潰された、この3年は尺八にとって、いかに大切な時間であったのかと思います。
若いアマ尺八吹きの多くは組織に入っていないし、その前に集団行動に興味が無い。60歳以下のプロ尺八家で、海外公演を活発にしている人達でも、演奏活動はしても、そこに拠点を作って広げる行動はしません。
で私ですが、今年73です。もう後継者もいるし、厚生年金も有って、贅沢をしなければ何とか暮らせるでしょう。ですから、いつ引退してもオカシク無い。年齢から云っても出来る事は、そう多くはないかも知れません。でも、カーネル・サンダースは65才からケンタッキー・フライド・チキンを始めたんです。そう思って見たら、まだやれることも多いはずです。サンダースは90まで生きましたが、人の寿命なんて人智の及ばない事です。引退して10年後に、「あの時は、まだ10年も残っていたんだ。しまった、チャレンジしておけば良かった」なんて後悔しても始まりませんものね。だから、何度消えようと新しい火を起こすべく、着火活動を続けようと思っています。火を燃え立たせるのは簡単では無いですが、燃え盛って鎮火出来ない日が来るかも知れないじゃありませんか・・・。
その竹下さん、高校時代は演劇部だったので、大学進学と同時にタレント活動を開始、四年生の時には『祭りの準備』でヒロインを務めました。1975年公開の、この映画が神楽坂の佳作座にかかったのが2年遅れの1977年です。佳作座は学生相手の格安映画館で、1970年頃で50円でしたから、その時分でも百円くらいだったと思います。勿論「封切館」ではないので新作はかかりません。
「竹下景子の全裸ファックシーンが有るぞ」てんで、法政大学三曲会の男は全員が見に行きましたよ。人間存在の根源に根ざす崇高な性欲を、抽象的な観念で押さえつけるコジレタ奴など、我が法政三曲には1人もいないと誇りをもって断言できる。
竹下さんと相手の男との「絡みシーン」は、これからと言う時に、相手の男のドジからボヤが起こり、そこで中断です。この映画、私は1回しか見なかったけど、これは推測ですよ、あくまでも推測ですけど、後輩の山下とか若松なんかは何回も通ったと思います。
と言いますのは、子供の頃に焚火をした経験が有る人は分かりますが、火というのは一旦燃えると消えないかわりに、火が熾るまではナカナカ大変なんです。着いたと思ったら、すぐ消えてしまいます。ですから、いつも都合よく燃え盛るとは限りません。「何回も見に行くうちには、1回くらいはボヤまでいかずに消えるだろう」と彼らが考えるのは納得できます。ただ私の場合、暇が無かった・・・。
尺八もここ10年、火が着きかけて、「さあ行くぞ」と言う肝心な時に、ボヤの段階で消えてしまうことが再三でした。特に、この3年のコロナは酷かったですね。おかげで、政府のインバウンド事業と絡めての「伝統文化推奨」も、尺八が出たはずのオリンピック開会式閉会式、挙句は2022年に深圳で行われるはずだった尺八世界フェステバルです。軒並み中止。
世界大会は予想通りアメリカが手を挙げました。2025年にテキサス(ヒューストン近郊)で行われます。これだと移動手段、費用等から考えて、招待演奏家以外の日本人尺八家の参加は、おそらく、ほとんど無いでしょうね。それは時代の流れでもありますから、仕方が無いとも言えますが、中国の尺八界と欧米豪の白人文化圏の尺八界とが互いに「そっぽをむき合う」ような方向に行かなければ幸いです。杞憂を言ってるんじゃないですよ。2022年の中国大会(深圳)が中止になった理由は、勿論コロナも大きい。でも中国尺八界の意思の不統一に加えて、欧米や台湾の尺八界の中国に対する冷ややかな感情も有ったようです。
こういう時にこそ、本当は日本の尺八界が役に立たなければいけないのにねえ・・・。でも皆が年をとってしまいました。海外に大きなパイプを持つKSKも古屋さんが74、真玉さんが76,若いと思った柿堺さんでも今年は65になります。中国人とアメリカ人のハーフで、オーストラリア尺八界の支配者であり、中国南部から香港、東南アジアにかけて影響力を持つライリー・リーも72.非KSKですが倉橋容堂だって73です。コロナで潰された、この3年は尺八にとって、いかに大切な時間であったのかと思います。
若いアマ尺八吹きの多くは組織に入っていないし、その前に集団行動に興味が無い。60歳以下のプロ尺八家で、海外公演を活発にしている人達でも、演奏活動はしても、そこに拠点を作って広げる行動はしません。
で私ですが、今年73です。もう後継者もいるし、厚生年金も有って、贅沢をしなければ何とか暮らせるでしょう。ですから、いつ引退してもオカシク無い。年齢から云っても出来る事は、そう多くはないかも知れません。でも、カーネル・サンダースは65才からケンタッキー・フライド・チキンを始めたんです。そう思って見たら、まだやれることも多いはずです。サンダースは90まで生きましたが、人の寿命なんて人智の及ばない事です。引退して10年後に、「あの時は、まだ10年も残っていたんだ。しまった、チャレンジしておけば良かった」なんて後悔しても始まりませんものね。だから、何度消えようと新しい火を起こすべく、着火活動を続けようと思っています。火を燃え立たせるのは簡単では無いですが、燃え盛って鎮火出来ない日が来るかも知れないじゃありませんか・・・。
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