隠語
- 2015/02/25
- 23:00
世の中の様々な業界には、その世界の人同士で通じる隠語、あるいは符牒というものが有ります。
私が40年以上前にプロレスの世界に入った時、まっさきに憶えたのが、ハガミ(前借り)とシカト(無視する)です。当時のプロレスは相撲の影響が強く、この言葉も相撲界から持ち込まれたようです。ハガミは借用書、つまり端(葉)紙で、シカトは花札の十月の札の絵柄で鹿が横をむいていることから、ソッポを向くという事になったようです。当時は「シカトする」とはあまり言わなかったと思います。「アンニャロウ鹿のトウ(十)をきめこみやがって」というふうに使っていました。その他、タニマチ、八百長、ツチがついた、黒星など、今では普通に使われていますし、金星(美人)、ショッパイ(下手)なども通じます。
今よく言われるガチンコは、私の記憶では昔のプロレスでは使っていなかったように思うのですが・・・。 かわりにセメントが使われていました。 「あの野郎、何だったらセメントでやったろか」とか。
この言葉は一般の人が使うのをプロレスラーは、すごくイヤがりました。物の見方のイノセントな人は「プロレスは八百長」で済ませてしまいます。でも八百長というのはプロレスの場合に使う用語として変ですね。
プロレスは初めから勝敗が決まっていて、余程の事が無いと試合中に変更するなんてことにはなりません。つまり、エンターテイメントであって八百長ではありません。時代劇を見て「八百長」と言う人はいないでしょう。マジに体をはったスポーツショーです。体をマジ張りしないヤツ、下手なヤツは人気が出ませんし、「ケツギメ」は有っても細部はアドリブでやることの方が多いですから、構成力の無いヤツもダメですし、運びのカンが悪いヤツは相手に嫌がられます。「アイツとやると痛いんだよな」とか「うっかり受けるとケガするぜ、アブネエたらありゃしねえ」
若い頃、韓国で仕事をしていましたが、当時は「サバサバ」を頻繁に要求されました。ヌゥームル(賄賂)と言うと心に黒い陰を落としますが、サバサバと言われると不思議に後ろめたくありませんね。
さて尺八の世界の隠語だと、どんなのが有りますかね。洋楽の影響でギャラを聞かれると、ゲー(G)万とかツエー(C)万とか言う人はいますね。あとは長い曲名を縮めて言う、「飛騨によせる三つのバラード」を「ヒダバラ」、「古謡の主題と五つの変奏曲」を「コヨウ変」とかですね。
他の世界の人に知られたくないことを伝えるのが隠語や符牒の使われる由縁ですから、そもそも邦楽界には秘密にしなくてはならない事なんて無い、そうかなあ、尺八の大家の中にも学生の気の利いた者より下手な人はいまっせ、誰だかは尺八界の人間なら大方の人は知っています。かつての地歌の人間国宝で、どう聞いても音痴の人もいました、こういう部分が無くなると、もっと世間に対して胸を張れるんですがねえ・・・
私が40年以上前にプロレスの世界に入った時、まっさきに憶えたのが、ハガミ(前借り)とシカト(無視する)です。当時のプロレスは相撲の影響が強く、この言葉も相撲界から持ち込まれたようです。ハガミは借用書、つまり端(葉)紙で、シカトは花札の十月の札の絵柄で鹿が横をむいていることから、ソッポを向くという事になったようです。当時は「シカトする」とはあまり言わなかったと思います。「アンニャロウ鹿のトウ(十)をきめこみやがって」というふうに使っていました。その他、タニマチ、八百長、ツチがついた、黒星など、今では普通に使われていますし、金星(美人)、ショッパイ(下手)なども通じます。
今よく言われるガチンコは、私の記憶では昔のプロレスでは使っていなかったように思うのですが・・・。 かわりにセメントが使われていました。 「あの野郎、何だったらセメントでやったろか」とか。
この言葉は一般の人が使うのをプロレスラーは、すごくイヤがりました。物の見方のイノセントな人は「プロレスは八百長」で済ませてしまいます。でも八百長というのはプロレスの場合に使う用語として変ですね。
プロレスは初めから勝敗が決まっていて、余程の事が無いと試合中に変更するなんてことにはなりません。つまり、エンターテイメントであって八百長ではありません。時代劇を見て「八百長」と言う人はいないでしょう。マジに体をはったスポーツショーです。体をマジ張りしないヤツ、下手なヤツは人気が出ませんし、「ケツギメ」は有っても細部はアドリブでやることの方が多いですから、構成力の無いヤツもダメですし、運びのカンが悪いヤツは相手に嫌がられます。「アイツとやると痛いんだよな」とか「うっかり受けるとケガするぜ、アブネエたらありゃしねえ」
若い頃、韓国で仕事をしていましたが、当時は「サバサバ」を頻繁に要求されました。ヌゥームル(賄賂)と言うと心に黒い陰を落としますが、サバサバと言われると不思議に後ろめたくありませんね。
さて尺八の世界の隠語だと、どんなのが有りますかね。洋楽の影響でギャラを聞かれると、ゲー(G)万とかツエー(C)万とか言う人はいますね。あとは長い曲名を縮めて言う、「飛騨によせる三つのバラード」を「ヒダバラ」、「古謡の主題と五つの変奏曲」を「コヨウ変」とかですね。
他の世界の人に知られたくないことを伝えるのが隠語や符牒の使われる由縁ですから、そもそも邦楽界には秘密にしなくてはならない事なんて無い、そうかなあ、尺八の大家の中にも学生の気の利いた者より下手な人はいまっせ、誰だかは尺八界の人間なら大方の人は知っています。かつての地歌の人間国宝で、どう聞いても音痴の人もいました、こういう部分が無くなると、もっと世間に対して胸を張れるんですがねえ・・・
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