チンコロバクチ

私の住んでいる所は小田原近郊の田舎ですが、こんなところでもヤクザのチンコロバクチで破滅した者が少なからずいます。駅前にビルを持っていた菓子屋はビルがそっくり人手にわたり廃業しました。模型屋は気の毒に一家心中です。私がよく買っていた肉屋は繁盛していたのに夜逃げです。可哀そうに祖父さんが一人取り残されました。かねて不仲だった息子の嫁が祖父さんを連れて逃げることを承知しなかったに違いありません。

ヤクザがドウをとるバクチは、きょうびイカサマが有るとは思えませんし、テラセンも公営の競馬競輪に比べて、はるかに安く良心的です。それにも拘わらず破滅する者が後を絶たないのはバクチ場で頭に血が上っている時に借用書を書くからです。競馬競輪で破滅して一家離散になった人間は父の工場にもいましたが、せいぜいが周りの人に1万2万の借金を重ねて、ついに首が回らなくなるケースです。サラ金もまともな店は裏ズケ無しのモノには貸しませんわ。
私のバクチ嫌いは、それはそれで問題らしく、ラスベガスに行っても何もしなっかったので後で家内に「せっかく来たのだから少しはギャンブルもやってみたかった」と不満を言われました。でもテンピンの賭け麻雀くらいは私もやるのですよ・・・。

こういう破滅にいたる道楽ですが、「女に入れあげる社長の会社は大丈夫」と言われます。女に使う金はしれたもの、　「ただし男に入れあげると危ない」　つまり芸能人や相撲、政治家のスポンサーになると財産を喰い潰しかねない、そういう事らしいです。

私のところで尺八を買って下さる方に、奥さんが一緒にいらっしゃる場合がよく有ります。
奥さんに「こんな尺八なんて役にたたないモノを大金出して買って腹立たしいと思いませんか？」と聞くと、これまで「女に使われるより良い」との答えがかなりの確率で返ってきました。
尺八で破産した人なんぞ、いるわけありません。骨董なんかと違い、狂うと際限無しに買い入れるということも無いし、そういう意味で、この年になるまで気楽に過ごさせていただきました。