鯨
- 2015/05/05
- 20:57
今でこそ、そんな事は有りませんが、昔は食堂のガラスケースの中の見本サンプルと出てきた料理とに、ひどく差が有ることがまま有りました。天丼の海老天なんかは、もう出てくる前から半ばあきらめていましたが、カツ丼でトンカツでなく鯨カツだった時、親子丼の卵が半分豆腐だったことも有ります。時代を感じますね。今だったら余計高くつくでしょうな。
鯨は昔は安いモノの代表でした。私くらいの世代の者は「鯨がカツや焼き肉の主流だった」と皆言います。鯨の南蛮焼きなんかは皆が喜んでいましたが、ビタミン補給のため学校で強制的に飲まされる鯨の肝油はイヤでしたね。臭い油がバケツに入っていてスポイトで咽喉の奥に入れられるんですよ。思い出すだけでゲロが出る。
子供の頃、たぶん昭和32年頃ですが、鍋を持ってお使いに行ったことがあります。鯨の脂身の塩漬け、すなわち「塩クジラ」を20円で買えるだけ買いましたが、当時の私では重くて、持って帰るのに苦労するほどの量が有りました。ウチの故郷は新潟なので、いつも新潟に行くと「塩クジラ」を買って帰りますが、その高いこと、今は300グラムほどで千円します。味噌汁にするのですが、子供の時は年末の煤払いの後はきまって「塩クジラ汁」が出ました。新潟県人のソウルフードですな。
大学時代まで新宿の「ション横」に鯨カツ定食の専門店があり、安いので我が法政大学三曲会のいつも行く店でしたし、私はタバコを吸わないので、他の部員より多少は懐に余裕が有りましたので、西武新宿駅前のクジラ会館にもよく行きました。尾の身の刺身とか鯨のすき焼きなんか美味いモノでっせ・・・。
クジラが高くなって困ったことは尺八では有りません。ただ私は「鯨のヒゲ」を手にいれたいのです。「鯨のヒゲ」は一種の濾過装置で本当はヒゲではないのですが、その比類の無い耐久性と弾力性が評価されて、昔から釣竿の先や各種のカラクリ仕掛けのバネとして使われていました。
私はこれが外国向けの「割れ止め」として最良のものだと思うのです。
尺八を欧米または中国の北部で買って下さる方に、この「鯨のヒゲ」をサービスに付けたら一挙に問題解決だと思うのです。日本に送り返す手間、修理する手間、イメージダウンも避けられます。
日本でも実際に一時割れ止めに使われていたのです。あらかじめ使い方を説明しておけば、修理作業は極く簡単ですし、接着剤や溝切りの必要が無いので、失敗しても何度でもやり直せます。「鯨のヒゲ」は内側に向かって締まって行きますから、いくら湿度の無い国でも再び開くことは有りません。
今、私のところは約一割が外国からの注文です。今後とも増える事は有っても、日本市場が縮小する一方なので減りはしないと思います。ですから外国事情に合わせて尺八も変容が肝心です。
鯨は昔は安いモノの代表でした。私くらいの世代の者は「鯨がカツや焼き肉の主流だった」と皆言います。鯨の南蛮焼きなんかは皆が喜んでいましたが、ビタミン補給のため学校で強制的に飲まされる鯨の肝油はイヤでしたね。臭い油がバケツに入っていてスポイトで咽喉の奥に入れられるんですよ。思い出すだけでゲロが出る。
子供の頃、たぶん昭和32年頃ですが、鍋を持ってお使いに行ったことがあります。鯨の脂身の塩漬け、すなわち「塩クジラ」を20円で買えるだけ買いましたが、当時の私では重くて、持って帰るのに苦労するほどの量が有りました。ウチの故郷は新潟なので、いつも新潟に行くと「塩クジラ」を買って帰りますが、その高いこと、今は300グラムほどで千円します。味噌汁にするのですが、子供の時は年末の煤払いの後はきまって「塩クジラ汁」が出ました。新潟県人のソウルフードですな。
大学時代まで新宿の「ション横」に鯨カツ定食の専門店があり、安いので我が法政大学三曲会のいつも行く店でしたし、私はタバコを吸わないので、他の部員より多少は懐に余裕が有りましたので、西武新宿駅前のクジラ会館にもよく行きました。尾の身の刺身とか鯨のすき焼きなんか美味いモノでっせ・・・。
クジラが高くなって困ったことは尺八では有りません。ただ私は「鯨のヒゲ」を手にいれたいのです。「鯨のヒゲ」は一種の濾過装置で本当はヒゲではないのですが、その比類の無い耐久性と弾力性が評価されて、昔から釣竿の先や各種のカラクリ仕掛けのバネとして使われていました。
私はこれが外国向けの「割れ止め」として最良のものだと思うのです。
尺八を欧米または中国の北部で買って下さる方に、この「鯨のヒゲ」をサービスに付けたら一挙に問題解決だと思うのです。日本に送り返す手間、修理する手間、イメージダウンも避けられます。
日本でも実際に一時割れ止めに使われていたのです。あらかじめ使い方を説明しておけば、修理作業は極く簡単ですし、接着剤や溝切りの必要が無いので、失敗しても何度でもやり直せます。「鯨のヒゲ」は内側に向かって締まって行きますから、いくら湿度の無い国でも再び開くことは有りません。
今、私のところは約一割が外国からの注文です。今後とも増える事は有っても、日本市場が縮小する一方なので減りはしないと思います。ですから外国事情に合わせて尺八も変容が肝心です。
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