邦楽器の青春
- 2015/05/23
- 20:36
三木稔先生に最後にお会いしたのは邦楽ジャーナルの20周年パーティーの時ですから、2007年ですね。正直に言いますと私はこの方の作品は好きではありません。日本音楽集団の演奏曲目の中で「人形風土記」とか「子供のための組曲」とかは嫌いではありませんが、三木先生の曲は「ソネット」を聴くくらいです。
だが、人物とすれば大好きです。この時も、相変わらずの長身、ハンサム、気持ちの良い話ぶり、アタマは真っ白ですが顔もカラダツキも若々しく、相変わらずニコヤカで誠実な態度で接してくださいます。それでいて、この方は硬骨で、主張は明確です。私には理想の年の取り方に見えました。
「三木先生はお幾つになられました?」とお聞きすると、「70です」と明快な答えが返ってきました。
「万年青年ですね」 心から言いました。ですが、後で聞くと、もうこの頃は認知症を患っていらっしゃり、年齢も本当は77でした。でも外貌は10は若く見えます。
「邦楽器に青春を」三木先生が1970年頃におっしゃていた言葉です。良い言葉ですね、今までに聞いた邦楽関連の中で一番好きな言葉です。
1985年ですよ、三木先生が「もう邦楽に対するパッションが無くなった」とおっしゃたのは、「でも、その後も邦楽の世界にいてくださり、有難いです」と言うと、少しテレて「有難う」と言ってくださいました。
日奏時代から10年経った1975年頃にいたっても、日本音楽集団に対する邦楽界一般の風当たりは冷たいものでした。
和楽器に大合奏は似合わない。オーケストラに憧れる洋楽崇拝者の集まり。間とか呼吸の分からない人達。邦楽器の長所を理解していない。大体において、こんな事を言う方が多かったと記憶しています。
でも、どんな芸術運動も揺籃期には同じようなことを言われたと思えば、三木先生、「パッションを無くす」ことも無いじゃないですか。私なんか少し頭を出した段階での感情的反発は、無視できないんだなナアとむしろ嬉しいですがねえ。
それが有ったからこそ、今の「合奏団ブーム」が有るのだと思います。まだ、邦楽器は小アンサンブルでヨーロッパの室内楽に、大アンサンブルで交響楽に完成度で及ばないのは誰しも認めると思います。でも、価値基準の違うガムランが交響楽と優劣比較出来ないのに対し、邦楽アンサンブルは洋楽と価値基準の近いところでも演奏出来るようになったということですよ。世界を拡げたのです。これが進歩発展でなくて何ですか。古典がつまらない人でも、邦楽器の合奏団ならやりたいと言うは少なくないです。これが無ければ、ホント、正直言って邦楽はやる人が何割も減りまっせ。
今、邦楽器は揺籃期、少年期を脱し青春期に入りました。でも邦楽の青春ではありません。
だが、人物とすれば大好きです。この時も、相変わらずの長身、ハンサム、気持ちの良い話ぶり、アタマは真っ白ですが顔もカラダツキも若々しく、相変わらずニコヤカで誠実な態度で接してくださいます。それでいて、この方は硬骨で、主張は明確です。私には理想の年の取り方に見えました。
「三木先生はお幾つになられました?」とお聞きすると、「70です」と明快な答えが返ってきました。
「万年青年ですね」 心から言いました。ですが、後で聞くと、もうこの頃は認知症を患っていらっしゃり、年齢も本当は77でした。でも外貌は10は若く見えます。
「邦楽器に青春を」三木先生が1970年頃におっしゃていた言葉です。良い言葉ですね、今までに聞いた邦楽関連の中で一番好きな言葉です。
1985年ですよ、三木先生が「もう邦楽に対するパッションが無くなった」とおっしゃたのは、「でも、その後も邦楽の世界にいてくださり、有難いです」と言うと、少しテレて「有難う」と言ってくださいました。
日奏時代から10年経った1975年頃にいたっても、日本音楽集団に対する邦楽界一般の風当たりは冷たいものでした。
和楽器に大合奏は似合わない。オーケストラに憧れる洋楽崇拝者の集まり。間とか呼吸の分からない人達。邦楽器の長所を理解していない。大体において、こんな事を言う方が多かったと記憶しています。
でも、どんな芸術運動も揺籃期には同じようなことを言われたと思えば、三木先生、「パッションを無くす」ことも無いじゃないですか。私なんか少し頭を出した段階での感情的反発は、無視できないんだなナアとむしろ嬉しいですがねえ。
それが有ったからこそ、今の「合奏団ブーム」が有るのだと思います。まだ、邦楽器は小アンサンブルでヨーロッパの室内楽に、大アンサンブルで交響楽に完成度で及ばないのは誰しも認めると思います。でも、価値基準の違うガムランが交響楽と優劣比較出来ないのに対し、邦楽アンサンブルは洋楽と価値基準の近いところでも演奏出来るようになったということですよ。世界を拡げたのです。これが進歩発展でなくて何ですか。古典がつまらない人でも、邦楽器の合奏団ならやりたいと言うは少なくないです。これが無ければ、ホント、正直言って邦楽はやる人が何割も減りまっせ。
今、邦楽器は揺籃期、少年期を脱し青春期に入りました。でも邦楽の青春ではありません。
スポンサーサイト