名人がいる(一) 山下無風
- 2015/08/08
- 22:00
私の学生時代には「九州の山下無風は凄い吹き手だ」という評判をしばしば聞きました。当時は珍しい七孔の名手であり、筑紫流で演奏することが多かったので九州を離れず、その結果、力量の割りに知名度はイマイチです。1960年代から70年代前半が活躍のピークでしたでしょう。
大学の同期で今一緒に仕事をしている林嵐山が3年ほどの福岡時代に山下無風に師事しました。米谷和修さんも故郷の八女にいた時は習っていますし、静岡で唯一の尺八演奏のプロ、縄巻修巳さんも師事していた時代が有ります。横山勝也ゆずりの海童道曲に加えて歌謡曲、ポピュラー等なんでも吹けるのが縄巻さんの強みですが、山下無風には「君の歌謡曲は最高」と絶賛されています。
縄巻さんの事はいずれ詳しく書きますが、ともかく山下無風はその時代の尺八奏者として異例に音程が良かったので、しばしば九州で公演した演歌歌手達から東京へ出てくるように誘われ、本人が無理なら「誰か弟子を上京させてほしい」と依頼されていました。
縄巻さん以外にも大分の土屋良三さん等、山下無風に「東京に行って演歌を吹いてプロになれ」と言われた人が何人かいます。
情報というのは今だに東京に一度集まり、それからあらためて地方に再び発信される傾向が有ります。だからこそ、備後の山の中の暮らしは、東京人のほうが同じ広島の安芸の海沿いの人より良く知っているとか、北海道の尺八情勢は東京にいた方が、かえって良く分かるというような事が起こるのですわ。
九州にいたことで暮らしは立ったのかも知れませんが、知名度では同じ技術レベルの東京の尺八奏者に比べて十分の一でしょう。無風が当時日本屈指の尺八奏者であったことは確かです。
また音楽家としてのチャンスにも地方にいると恵まれません。他の分野の音楽家も東京に集中していますから仕方無いですね。話題性の有る仕事が多くないと評判は上がりません。
山下無風はまた他人にたいする批判、攻撃性の強い人で、その為に敵も多かった。その自著の自伝を読んでも他人に対する批判、悪口のオンパレードです。しかし、同じ人物とは思えないくらい弟子には優しかったと言います。
九州に行くと無風の弟子を称する人はまだ多く、名前に風が付いているので分かりますが、風の付いていない人も多く、技術指導を求めて、かなり他の流派の人達も門を敲いていたみたいです。
新聞を見ていたら全国版の広告に尺八演歌集復刻版が出ていて、演奏者として坂田誠山や宮田耕八朗と一緒に山下無風が載っていました。一度聴くことをお薦めします。
地方でも驚くほどの技量の尺八家がいます。これから順々に紹介しようと思います。折角このブログは全国、いや海外にも読んでくださる人がタクサンいらしゃるのですから・・・。
このブログもお陰様で「吹奏楽の部」全体で最高ランクは5位、10位以下には落ちなくなりました。まずはお礼申しあげます。
大学の同期で今一緒に仕事をしている林嵐山が3年ほどの福岡時代に山下無風に師事しました。米谷和修さんも故郷の八女にいた時は習っていますし、静岡で唯一の尺八演奏のプロ、縄巻修巳さんも師事していた時代が有ります。横山勝也ゆずりの海童道曲に加えて歌謡曲、ポピュラー等なんでも吹けるのが縄巻さんの強みですが、山下無風には「君の歌謡曲は最高」と絶賛されています。
縄巻さんの事はいずれ詳しく書きますが、ともかく山下無風はその時代の尺八奏者として異例に音程が良かったので、しばしば九州で公演した演歌歌手達から東京へ出てくるように誘われ、本人が無理なら「誰か弟子を上京させてほしい」と依頼されていました。
縄巻さん以外にも大分の土屋良三さん等、山下無風に「東京に行って演歌を吹いてプロになれ」と言われた人が何人かいます。
情報というのは今だに東京に一度集まり、それからあらためて地方に再び発信される傾向が有ります。だからこそ、備後の山の中の暮らしは、東京人のほうが同じ広島の安芸の海沿いの人より良く知っているとか、北海道の尺八情勢は東京にいた方が、かえって良く分かるというような事が起こるのですわ。
九州にいたことで暮らしは立ったのかも知れませんが、知名度では同じ技術レベルの東京の尺八奏者に比べて十分の一でしょう。無風が当時日本屈指の尺八奏者であったことは確かです。
また音楽家としてのチャンスにも地方にいると恵まれません。他の分野の音楽家も東京に集中していますから仕方無いですね。話題性の有る仕事が多くないと評判は上がりません。
山下無風はまた他人にたいする批判、攻撃性の強い人で、その為に敵も多かった。その自著の自伝を読んでも他人に対する批判、悪口のオンパレードです。しかし、同じ人物とは思えないくらい弟子には優しかったと言います。
九州に行くと無風の弟子を称する人はまだ多く、名前に風が付いているので分かりますが、風の付いていない人も多く、技術指導を求めて、かなり他の流派の人達も門を敲いていたみたいです。
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