ポーランドに進む

エボラ出血熱コワイノ～。　本当？　ホントにこわい？　怖いわけないですわね、今はまだ対岸の火事ですもん。

人類はこれまで何度も恐ろしい伝染病の流行に見舞われてきました。
私の子供の頃、大正時代に流行したスペイン風邪を覚えている大人が大勢いました。全世界で５千万人が死亡したインフルエンザです。その頃、世界に人口は約２０億人。ですから40人に1人が死んだことになります。日本でも当時の人口の１パーセント近い５０万人もの人が亡くなったと言われます。
天然痘、コレラなど人類史に暗い影をおとした伝染病は数多く有りますが、中でもペストはヨーロッパに大きな惨禍を引き起こしました。

１４世紀のヨーロッパに九百年ぶりに姿を現したペストによって、当時のヨーロッパの人口の三分の一にあたる2千万人が死亡したと言われています。イギリスなどは半数の人がペストで死んだという説まで有ります。

この全ヨーロッパに猛威をふるったペストも、ただ一国・ポーランドだけは完全に防ぎ止めました。全くペスト患者は出ていないそうです。
ウッソ～。　　最初に聞いた時は私もそう思いましたって・・・

その秘密は、当時のポーランドではウォッカを洗浄薬として使う習慣があったことですと。期せずしてアルコール消毒していたんですな。それで、さしものペストも国境を越えられなかったのです。

ただ、今のところ、ポーランドは尺八も国境を越えさせていないのです。ことし6月のドイツ展示会のおり、随分いろいろな人に聞きましたが、ポーランドの尺八事情は皆が「知らない」と言います。

もう尺八は西のドイツ、チェコ、東のロシア、ウクライナとポーランドを囲む形で普及しています。西のアイルランド、ポルトガル、東では白ロシアとポーランドが今のところ尺八空白区です。

小社のヨーロッパ展示会は来年がパリ、再来年はチェコのプラハです。すぐ隣ですから、プラハのついでにポーランドにもよって尺八普及の道をつけてくるつもりでいます。

第二次世界大戦は、1939年9月1日にナチス・ドイツがポーランドに電撃侵攻を開始したことで始まりました。同時にソ連も東から侵攻し、ポーランドは2週間で消滅し東西に分割され、全人口の四分の一にあたる６百万人が死亡しました。
私の世代の者は、だいたい、ポーランドには深い同情の気持ちを持っています。何かあれば手を差し伸べたいと思っているのは私ばかりではありますまい。
かつてポーランドが、ヨーロッパ中で迫害を受けたユダヤ人に手を差し伸べたように・・・