ジャパン・アズ・ナンバーワン
- 2015/08/17
- 20:47
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」、こういう題名の本が私の若い頃にベストセラーになりました。著者はアメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲル。80年代の初めビジネスマンにかなり読まれていました。
日本の優秀性について述べていますが、学習能力が高いという指摘は当時から疑問視されていました。そうとも言えるし、学校の勉強が学習訓練にはなっても実際の役に立つかどうか?むしろ丸暗記型の受験対応の学習は時間の空費ではないのか?まあ、その後の歴史を見たら、もう結論は出てますけどね。読書量が多いとの指摘はそうなのでしょう。ただ比較の問題ですからアメリカが少ないのかも? でも、その後を見たら少ないアメリカ人の方が環境変化に上手く対応できていませんかい・・・。
強い日本経済の秘密として、終身雇用、年功序列を挙げています。辞められる心配が無いからこそ企業は新入社員の教育に安心して費用と時間を投資できる。これはそうですね。金と時間をかけて訓練した挙句、「ハイ、辞めます」じゃあね・・・。
年功序列で将来の保障が有ればこそ、上に従順に従う。これもそうですね。上意下達の統制のとれた組織が成長期には、ここは肝心なところ、あくまで成長期または平時には威力を発揮するのです。
会社が一家みたいな感覚だから忠誠心が湧く。これもそうですね。
私と年代が同じ人間は、ある者は停年まで逃げきれましたが、少なからぬ者達は社会の変動の中でリストラやあるいは会社そのものが無くなるという、若い時には予想しなかった事態に見舞われました。
信じていた仕組みが壊れたのですから戸惑うのも当然でしょう。さて、そこで尺八が心の支えになったと言う人は多いんですよ。
50前後で失職すると本当に辛いですね。ナカナカ再就職できないのは友人達を見ていても分かります。それにまた、この頃は家のローンや子供の学費で金がいる時なのです。運良く再就職できても収入は前の半分。はじめは慌てますね。
でも冷静になって考えると事態が少しずつ見えてくるようです。私の友人・知人に関しては退職金は貰えていましたし、失業保険も有りました。落ち着いて考えると、いったん将来設計を白紙に戻して再構築すれば何とかなる水準です。その落ち着くまでの時間、尺八を吹いたり演奏会で尺八仲間に会ったりで気持ちが落ち着いたと言います。
弟子のいる人は、ほんの少しの月謝収入に「何とも力ずけられた」そうですが、何にせよ心の癒しになるものを持っている、相談できる仲間がいるということは有難いものです。
ヴォ―ゲルの思い描いた日本がそのまま健在だったら、それはそれで良かったんですがね。終身雇用や年功序列はそれを受け入れる人にはタブン長所の方が多かったと思います。
若い発想が通らない、あるいは新しい事態に速やかに対応できない、無能上司が上にいると下のヤルキを削ぐ、失敗を恐れる減点主義になりがち、家族主義で厳しさに欠ける、責任の所在が曖昧。
悪い点だって、もし組織が健在で、そのままの仕組みで行くもんなら我慢出来ないものでも無いでしょう。
そっくりそのまま壊れる前の尺八界ですよね。私の若い頃、地区三曲会、さて演奏会をやる・・・。
「古曲ばかりでなく新しい曲も入れたらどうでしょう」
「今の邦楽界では、こういう曲はやってないですよ」
すべて「糠に釘」、それでと言えば、オソロシクヘタなジイサマが後の方を一人で吹いて、私ら若手は三人で前座、それで注意を受ける。「三曲ってものは尺八があんな大きな音で吹いては味が無くなる」
「自分達がやがて上に立つ」と受け入れる人がいなくなり、私みたいに「アホらし」と離脱する者が大部分になった。かくして古い秩序は壊れました。
日本の優秀性について述べていますが、学習能力が高いという指摘は当時から疑問視されていました。そうとも言えるし、学校の勉強が学習訓練にはなっても実際の役に立つかどうか?むしろ丸暗記型の受験対応の学習は時間の空費ではないのか?まあ、その後の歴史を見たら、もう結論は出てますけどね。読書量が多いとの指摘はそうなのでしょう。ただ比較の問題ですからアメリカが少ないのかも? でも、その後を見たら少ないアメリカ人の方が環境変化に上手く対応できていませんかい・・・。
強い日本経済の秘密として、終身雇用、年功序列を挙げています。辞められる心配が無いからこそ企業は新入社員の教育に安心して費用と時間を投資できる。これはそうですね。金と時間をかけて訓練した挙句、「ハイ、辞めます」じゃあね・・・。
年功序列で将来の保障が有ればこそ、上に従順に従う。これもそうですね。上意下達の統制のとれた組織が成長期には、ここは肝心なところ、あくまで成長期または平時には威力を発揮するのです。
会社が一家みたいな感覚だから忠誠心が湧く。これもそうですね。
私と年代が同じ人間は、ある者は停年まで逃げきれましたが、少なからぬ者達は社会の変動の中でリストラやあるいは会社そのものが無くなるという、若い時には予想しなかった事態に見舞われました。
信じていた仕組みが壊れたのですから戸惑うのも当然でしょう。さて、そこで尺八が心の支えになったと言う人は多いんですよ。
50前後で失職すると本当に辛いですね。ナカナカ再就職できないのは友人達を見ていても分かります。それにまた、この頃は家のローンや子供の学費で金がいる時なのです。運良く再就職できても収入は前の半分。はじめは慌てますね。
でも冷静になって考えると事態が少しずつ見えてくるようです。私の友人・知人に関しては退職金は貰えていましたし、失業保険も有りました。落ち着いて考えると、いったん将来設計を白紙に戻して再構築すれば何とかなる水準です。その落ち着くまでの時間、尺八を吹いたり演奏会で尺八仲間に会ったりで気持ちが落ち着いたと言います。
弟子のいる人は、ほんの少しの月謝収入に「何とも力ずけられた」そうですが、何にせよ心の癒しになるものを持っている、相談できる仲間がいるということは有難いものです。
ヴォ―ゲルの思い描いた日本がそのまま健在だったら、それはそれで良かったんですがね。終身雇用や年功序列はそれを受け入れる人にはタブン長所の方が多かったと思います。
若い発想が通らない、あるいは新しい事態に速やかに対応できない、無能上司が上にいると下のヤルキを削ぐ、失敗を恐れる減点主義になりがち、家族主義で厳しさに欠ける、責任の所在が曖昧。
悪い点だって、もし組織が健在で、そのままの仕組みで行くもんなら我慢出来ないものでも無いでしょう。
そっくりそのまま壊れる前の尺八界ですよね。私の若い頃、地区三曲会、さて演奏会をやる・・・。
「古曲ばかりでなく新しい曲も入れたらどうでしょう」
「今の邦楽界では、こういう曲はやってないですよ」
すべて「糠に釘」、それでと言えば、オソロシクヘタなジイサマが後の方を一人で吹いて、私ら若手は三人で前座、それで注意を受ける。「三曲ってものは尺八があんな大きな音で吹いては味が無くなる」
「自分達がやがて上に立つ」と受け入れる人がいなくなり、私みたいに「アホらし」と離脱する者が大部分になった。かくして古い秩序は壊れました。
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