籠城
- 2015/08/24
- 22:19
私達尺八屋の今の状態は籠城中と言うにふさわしいと思います。援軍は来ない、蓄えた食糧・弾薬を頼りに事態の好転を我慢して待つ。とは言っても、はたして好転するものかどうか分からない。もっと事態が逼迫してくる可能性も有ります。
でもジッと我慢しているしか無いというのが今の状況です。そして同時に積極策にも出なければじり貧ですわな。
私の住んでいる小田原は戦国時代、五代百年にわたって北条氏の本拠地でした。神奈川県の旧国名・相模は「さかむ」すなはち「箱根の坂のむこう」に由来しているそうですが、西に天嶮・箱根が有り、その向こうは主筋とも言うべき戦国屈指の大大名、駿河の今川氏ですから、どうしても北条氏は東へ進み関東平野で覇権を争うことになりました。最も拡大した時で、今の茨城県と栃木県を除く関東のほぼ全域に勢力が及んでいましたから、「関東の覇者」と呼ぶにふさわしい。
しかし、その北条氏の小田原も三回ほど囲まれています。上杉謙信、武田信玄、そして落城にいたった豊臣秀吉の兵によってです。
小田原城を落とした豊臣の大阪城も陥落しましたが、その大阪城の場所に前に有った石山本願寺は、織田信長の軍に長期にわたって囲まれても、遂に落ちませんでした。
後世の人は歴史の行方を知っていますが、その囲まれていた城にいた当事者は将来に対して確信が有ったはずがないですね。尺八もあと10年で将来は明確になります。
10年後には、ほとんどの社中が老齢化で機能を停止していますし、都山三派のような巨大社中もはっきり機能不全の現象が誰にも分かるようになっています。すくなくとも都山流楽会だけは組織や人材から考えて大きく改革に踏み出していると思いますが、それが上手くいっている可能性は低いです。何故って、抜本的改革とは社中の成立基盤と相反するものだからです。したがって、合意の集中が有れば、日本尺八連盟の方が改革が進むかも知れません。何しろ家元がいないのですから。
でも、絶望的なのは団体の将来であって、優秀な演奏家や楽器を提供している我々はそうとは限りませんな。
製管師に限って言えば、まず同業者が半分に減っている。需要が半分になっても供給も半分になっていて、しかも今より寡占化が進んでいるのでサバイバルゲームに生き残った製管師には新たな生存地平が開けているでしょう。
カギは、外国人や社中に所属しない尺八吹きがどの程度増えているかですよね。
海外、非社中構成員、初心者、そして弟子を再生産できる能力を有した社中構成員。こういった人達の支持を今現在受けていない製管師には明日は有りません。
今、かろうじて「勝ち組」に入っていても、持ちこたえられずに落城する所も有るでしょう。まだまだ籠城は続きます。いつまでか?後の世の人にはスッカリ分かっている事ですがね・・・。
籠城が成功した例に教わる事。忍耐、準備、積極、楽観。そして団結、こりゃほとんどの所は関係無いか。
でもジッと我慢しているしか無いというのが今の状況です。そして同時に積極策にも出なければじり貧ですわな。
私の住んでいる小田原は戦国時代、五代百年にわたって北条氏の本拠地でした。神奈川県の旧国名・相模は「さかむ」すなはち「箱根の坂のむこう」に由来しているそうですが、西に天嶮・箱根が有り、その向こうは主筋とも言うべき戦国屈指の大大名、駿河の今川氏ですから、どうしても北条氏は東へ進み関東平野で覇権を争うことになりました。最も拡大した時で、今の茨城県と栃木県を除く関東のほぼ全域に勢力が及んでいましたから、「関東の覇者」と呼ぶにふさわしい。
しかし、その北条氏の小田原も三回ほど囲まれています。上杉謙信、武田信玄、そして落城にいたった豊臣秀吉の兵によってです。
小田原城を落とした豊臣の大阪城も陥落しましたが、その大阪城の場所に前に有った石山本願寺は、織田信長の軍に長期にわたって囲まれても、遂に落ちませんでした。
後世の人は歴史の行方を知っていますが、その囲まれていた城にいた当事者は将来に対して確信が有ったはずがないですね。尺八もあと10年で将来は明確になります。
10年後には、ほとんどの社中が老齢化で機能を停止していますし、都山三派のような巨大社中もはっきり機能不全の現象が誰にも分かるようになっています。すくなくとも都山流楽会だけは組織や人材から考えて大きく改革に踏み出していると思いますが、それが上手くいっている可能性は低いです。何故って、抜本的改革とは社中の成立基盤と相反するものだからです。したがって、合意の集中が有れば、日本尺八連盟の方が改革が進むかも知れません。何しろ家元がいないのですから。
でも、絶望的なのは団体の将来であって、優秀な演奏家や楽器を提供している我々はそうとは限りませんな。
製管師に限って言えば、まず同業者が半分に減っている。需要が半分になっても供給も半分になっていて、しかも今より寡占化が進んでいるのでサバイバルゲームに生き残った製管師には新たな生存地平が開けているでしょう。
カギは、外国人や社中に所属しない尺八吹きがどの程度増えているかですよね。
海外、非社中構成員、初心者、そして弟子を再生産できる能力を有した社中構成員。こういった人達の支持を今現在受けていない製管師には明日は有りません。
今、かろうじて「勝ち組」に入っていても、持ちこたえられずに落城する所も有るでしょう。まだまだ籠城は続きます。いつまでか?後の世の人にはスッカリ分かっている事ですがね・・・。
籠城が成功した例に教わる事。忍耐、準備、積極、楽観。そして団結、こりゃほとんどの所は関係無いか。
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