満洲
- 2015/08/29
- 18:34
私の父が経営していた工場、後で弟が引き継ぎましたが、通算11人の中国人が働いていました。全員が上海の出身で、かなりの高学歴の人達でした。私もよく尺八のアルバイトに使いましたが、彼等も尺八の仕事は大好きで、「タカチャン、尺八の仕事したいよ」とショッチュウ言われていました。「タカチャンだと、人にモノを頼むのに何故先生と言わない。日本ではなあ、本当に尊敬すべき人には先生と言うんだ」、すると即「センセイ」に成ります。1分で元に戻りますが。
最初は彼等の口約束を守らないこと、ダメ元で次々と要求を出す所にタジロギましたとも。「チンさん、アナタ達は劣等民族のこころあるよ」 そう言っても別に怒らないですね、「どうして、そう言うの?」 「約束を全然守らないじゃない、何処の国でも関係無い、そういうの劣等民族よ」。
そのクセ、要求はトコトンしつこい。「アナタ達は信用が無い、信用の無い人の要求は聞けないよ」 「悪かった、今までは信用ない、これからは信用有る、だから」 そして要求の続きです。
そういうものだと思えば良い。機転はきくし、陽気、楽天的、開けっ広げの大陸気質など良いところもタクサン有り、当時20年前は今みたいに日中両国の国策で相互にイメージが悪くなる前でしたから、弟の使っていた中国人達は概ね周りに好かれていましたね。
何を言われても、その時は怒るが、後はほとんど気にしない陽気さが受けていました。、その中国人達が私が「満洲」と言ったのを聞きとがめました。「タカチャン、マンシュウ悪い言葉よ」。変なトコにこだわんじゃねえ。
私は「差別語」というモノはあまり気にしません。漫画「巨人の星」で星飛雄馬が高校の入試で父親の職業を聞かれ「父ちゃんは日本一のドカタです」と言うのをテレビでは「日本一の日雇い労働者です」と吹き替えた有名なエピソードが有りますが、私は「ドカタ」は普通名詞だという感覚ですし、今まで言われて怒るドカタも知りませんが、もし嫌がるドカタがいたら、その人には言いません。人の嫌がることは言わない。それが人間のルールでしょう。
ですから中国に対しても、あえて「シナ」と言う事はありませんが、中には確信を持って中国を「シナ」と言っていた人がいます。私の大学時代、「支那文芸学概論」という講義をしていた長沢規矩也教授もその一人でした。中国文学の大家であり、中華人民共和国の要人とも親しかった人ですが、差別語では無く「日本における正しい用語」として「シナ」を使っていました。諸外国での中国の呼称は「シナ」が多いですよね。差別語は差別感の有無によっても概念は異なりますから、「シナ」が差別語であるかどうか分かりませんが、「チャンコロ」と言ったら明確に相手を貶めているでしょうね。
ともかく「満洲」も聞き咎める中国人がいます。世界最大級の楽器博覧会ミュージックチャイナでは最終日と前日を除く2日間は音楽関係の専門家ばかりですから、こういう突っ込んだ話も振って来ます。
私の見解。「満洲」は日本語に定着した名詞であり、中国人の言う「東北」ではカバー出来ないのです。東北三省は区割りの明確な行政単位であり、満洲は境界の厳密で無い地域です。東北三省とロシア領沿海州を合わせた地域でダイタイ合ってますが、北朝鮮やシベリアの一部も含めた漠然とした場所を表す名詞で、主として歴史用語として用います。
そう言うと中国人は全員が分かってくれます。「日本人の大多数は日本の中国侵略を正当化できないと考えているし、まして再度中国に満州国を創ろうなどと本気で思っている人間には私の人生で会った事が無い」と決まり文句を付け加えますがね・・・。
亡くなった神崎憲さんと話したんですが、この満洲が尺八にとって無限の可能性が有る土地らしいのです。去年まで満洲の尺八人口は大連の4人でしたが、いずれも会社経営者であり高額の尺八を購入しているし、この人脈は次々と繋がるとの事でした。
大連は戦前は日本からの満洲の玄関口でした。それ故に傀儡国家・満州国の都市ではなく、関東州という直接植民地だったのですが、今でも展示会をまずやるとしたら大連でしょう。長春から展示会を誘われていますが、それにしろ大連が決まらないと展示会はやれません。神崎さんが亡くなって中国は足踏みです。長春も返事を保留しています。
長春。この満州国の首都だった人工都市「新京」。ここで戦後に起こった大虐殺とも言うべき悲劇は人民中国最初の汚点ではないでしょうか。
最初は彼等の口約束を守らないこと、ダメ元で次々と要求を出す所にタジロギましたとも。「チンさん、アナタ達は劣等民族のこころあるよ」 そう言っても別に怒らないですね、「どうして、そう言うの?」 「約束を全然守らないじゃない、何処の国でも関係無い、そういうの劣等民族よ」。
そのクセ、要求はトコトンしつこい。「アナタ達は信用が無い、信用の無い人の要求は聞けないよ」 「悪かった、今までは信用ない、これからは信用有る、だから」 そして要求の続きです。
そういうものだと思えば良い。機転はきくし、陽気、楽天的、開けっ広げの大陸気質など良いところもタクサン有り、当時20年前は今みたいに日中両国の国策で相互にイメージが悪くなる前でしたから、弟の使っていた中国人達は概ね周りに好かれていましたね。
何を言われても、その時は怒るが、後はほとんど気にしない陽気さが受けていました。、その中国人達が私が「満洲」と言ったのを聞きとがめました。「タカチャン、マンシュウ悪い言葉よ」。変なトコにこだわんじゃねえ。
私は「差別語」というモノはあまり気にしません。漫画「巨人の星」で星飛雄馬が高校の入試で父親の職業を聞かれ「父ちゃんは日本一のドカタです」と言うのをテレビでは「日本一の日雇い労働者です」と吹き替えた有名なエピソードが有りますが、私は「ドカタ」は普通名詞だという感覚ですし、今まで言われて怒るドカタも知りませんが、もし嫌がるドカタがいたら、その人には言いません。人の嫌がることは言わない。それが人間のルールでしょう。
ですから中国に対しても、あえて「シナ」と言う事はありませんが、中には確信を持って中国を「シナ」と言っていた人がいます。私の大学時代、「支那文芸学概論」という講義をしていた長沢規矩也教授もその一人でした。中国文学の大家であり、中華人民共和国の要人とも親しかった人ですが、差別語では無く「日本における正しい用語」として「シナ」を使っていました。諸外国での中国の呼称は「シナ」が多いですよね。差別語は差別感の有無によっても概念は異なりますから、「シナ」が差別語であるかどうか分かりませんが、「チャンコロ」と言ったら明確に相手を貶めているでしょうね。
ともかく「満洲」も聞き咎める中国人がいます。世界最大級の楽器博覧会ミュージックチャイナでは最終日と前日を除く2日間は音楽関係の専門家ばかりですから、こういう突っ込んだ話も振って来ます。
私の見解。「満洲」は日本語に定着した名詞であり、中国人の言う「東北」ではカバー出来ないのです。東北三省は区割りの明確な行政単位であり、満洲は境界の厳密で無い地域です。東北三省とロシア領沿海州を合わせた地域でダイタイ合ってますが、北朝鮮やシベリアの一部も含めた漠然とした場所を表す名詞で、主として歴史用語として用います。
そう言うと中国人は全員が分かってくれます。「日本人の大多数は日本の中国侵略を正当化できないと考えているし、まして再度中国に満州国を創ろうなどと本気で思っている人間には私の人生で会った事が無い」と決まり文句を付け加えますがね・・・。
亡くなった神崎憲さんと話したんですが、この満洲が尺八にとって無限の可能性が有る土地らしいのです。去年まで満洲の尺八人口は大連の4人でしたが、いずれも会社経営者であり高額の尺八を購入しているし、この人脈は次々と繋がるとの事でした。
大連は戦前は日本からの満洲の玄関口でした。それ故に傀儡国家・満州国の都市ではなく、関東州という直接植民地だったのですが、今でも展示会をまずやるとしたら大連でしょう。長春から展示会を誘われていますが、それにしろ大連が決まらないと展示会はやれません。神崎さんが亡くなって中国は足踏みです。長春も返事を保留しています。
長春。この満州国の首都だった人工都市「新京」。ここで戦後に起こった大虐殺とも言うべき悲劇は人民中国最初の汚点ではないでしょうか。
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