荒稽古
- 2015/09/01
- 21:49
私の若い時までは、尺八でも荒行が有りました。代表的なのが寒稽古とか百遍吹き、それと叩き稽古でしょう。
寒稽古は冬の寒の厳しい時に朝4時ころに外気の中で吹くのです。何か効果って有るんでしょうか?誰に聞いても「さあ」です。
私も学生時代に百遍吹きと叩きはやりました。若かったから、まあブッテいたんですな。
百遍吹きは大学の後輩2人と部室でやりました。曲目は「夕顔」でしたが、その時は達成できませんでした。12時すぎて尺八の音が聞こえることを訝しんだ守衛に追い出されたのです。それでも60回くらい吹きましたかね。後日続きをやり、連続でないまでも百回吹きました。その為「夕顔」は以後は暗譜で吹けるようになりましたぞ。
叩き稽古は難易度の高い曲を二人で吹き、間違えたらビンタでハリ、ハラレるのです。これは1曲で止めました。痛くて稽古にならないですよ。相棒は林嵐山、今はプロですが、当時は山号取得前で「梅毒庵」と呼ばれていました。
山本邦山先生が関学三の大学生の前で講演した時、プロになると決心して、覚悟を自分に示すために「六段」を一万回吹いたというエピソードを話してくださいました。1回6分としても1時間に10曲。1日に10時間吹いたとしても百日はかかることになりましょう。
こういう稽古は練習としての有効性より自信というか精神鍛錬でしょう。あんな事までやったんだと思えば、壁にぶつかった時でも、おいそれとは「尺八をやめる」という選択にはならないでしょう。
うさぎ跳びという運動があり、私の若い頃は皆がやっていました。「百害有って利は一だけ」だそうで、現在ではトレーニング法としては廃止されています。その「一利」が精神の鍛練にはなるかもしれない、そういう事らしいのです。
プロレスでは力道山時代からヒンズースクワットというトレーニング法が有ります。インド人レスラーのダラ・シンから教わったという事になっていますが、その真偽はともかく、力道山時代は稽古日には連続三千回やらされたそうです。床に敷いたシートに汗が溜まって水溜りみたいになったと聞いています。
これも力道山の死後に「三千回もやると逆にマイナス、膝が悪くなる」と八百回になりました。ヒンズースクワットはトレーニング法としては良いものらしく、様々なスポーツに取り入れられていますが、科学性を無視すると逆効果だとのことです。ただ、これも「根性の鍛練にはなった」と昔のプロレスラーは言っていました。
尺八の稽古にも今は科学性が重視されています。三塚泉州さん、善養寺恵介さん、菅原久仁義さんなどの技術解説は定評が有ります。
私の師匠の坂田誠山先生はかなり科学的に技術指導をしてくれましたが、昔の師匠は「しっかり吹け」としか言わない人がほとんどでした。
ですから「精神的に鍛えられた」かどうかは別にして、尺八に対して「これきゃ無い」と思っていた人は多かったです。ただし、その何倍もの人が「こんなのやってられるか」と止めましたけどね・・・。
寒稽古は冬の寒の厳しい時に朝4時ころに外気の中で吹くのです。何か効果って有るんでしょうか?誰に聞いても「さあ」です。
私も学生時代に百遍吹きと叩きはやりました。若かったから、まあブッテいたんですな。
百遍吹きは大学の後輩2人と部室でやりました。曲目は「夕顔」でしたが、その時は達成できませんでした。12時すぎて尺八の音が聞こえることを訝しんだ守衛に追い出されたのです。それでも60回くらい吹きましたかね。後日続きをやり、連続でないまでも百回吹きました。その為「夕顔」は以後は暗譜で吹けるようになりましたぞ。
叩き稽古は難易度の高い曲を二人で吹き、間違えたらビンタでハリ、ハラレるのです。これは1曲で止めました。痛くて稽古にならないですよ。相棒は林嵐山、今はプロですが、当時は山号取得前で「梅毒庵」と呼ばれていました。
山本邦山先生が関学三の大学生の前で講演した時、プロになると決心して、覚悟を自分に示すために「六段」を一万回吹いたというエピソードを話してくださいました。1回6分としても1時間に10曲。1日に10時間吹いたとしても百日はかかることになりましょう。
こういう稽古は練習としての有効性より自信というか精神鍛錬でしょう。あんな事までやったんだと思えば、壁にぶつかった時でも、おいそれとは「尺八をやめる」という選択にはならないでしょう。
うさぎ跳びという運動があり、私の若い頃は皆がやっていました。「百害有って利は一だけ」だそうで、現在ではトレーニング法としては廃止されています。その「一利」が精神の鍛練にはなるかもしれない、そういう事らしいのです。
プロレスでは力道山時代からヒンズースクワットというトレーニング法が有ります。インド人レスラーのダラ・シンから教わったという事になっていますが、その真偽はともかく、力道山時代は稽古日には連続三千回やらされたそうです。床に敷いたシートに汗が溜まって水溜りみたいになったと聞いています。
これも力道山の死後に「三千回もやると逆にマイナス、膝が悪くなる」と八百回になりました。ヒンズースクワットはトレーニング法としては良いものらしく、様々なスポーツに取り入れられていますが、科学性を無視すると逆効果だとのことです。ただ、これも「根性の鍛練にはなった」と昔のプロレスラーは言っていました。
尺八の稽古にも今は科学性が重視されています。三塚泉州さん、善養寺恵介さん、菅原久仁義さんなどの技術解説は定評が有ります。
私の師匠の坂田誠山先生はかなり科学的に技術指導をしてくれましたが、昔の師匠は「しっかり吹け」としか言わない人がほとんどでした。
ですから「精神的に鍛えられた」かどうかは別にして、尺八に対して「これきゃ無い」と思っていた人は多かったです。ただし、その何倍もの人が「こんなのやってられるか」と止めましたけどね・・・。
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