クレイマー、クレーマー
- 2015/09/19
- 22:44
友人の琴屋が前に私にしみじみと言いました。「大橋さんの仕事は良いなあ、ホントつくずく思いますよ」。琴屋は、箏三弦を売るだけでなく、糸ハリ皮ハリ、演奏会の下働き等もします。ですから客によっては「便利屋」だと勘違いしてるんじゃないか、そう思うくらい高圧的な態度をとる師匠がいると言います。イヤいます、私も何度もそういう場に居合わせました。
ダイイチお客は私達製管師を頼んでもいないのに「センセイ」と呼びますが、琴屋の場合はサンです。宮下伸先生にいたってはヨビツケないしクンです。でも宮下先生は私等にもそうですし、オナカの中に何の悪気も無い方ですから良いですが、社会勉強をほとんどしていないオバチャンがその時だけセンセイになるのが伝統文化の世界ですから、日頃のオバタリアンぶりを立場の弱い者にぶつける人がいます。相対比較では尺八の比では有りませんや。そのワガママぶりに辟易するのは常に琴屋です。
一度、民謡の会で、本番演奏中に会場でもはっきり聞こえる大きな怒鳴り声を聞きました。「イイカゲンにしろ、オレはテメエの弟子じゃねえ、フザケルノモたいがいにしろ」、大の男がキレてここまで言うのはヨクヨクですぜ。ひとつ間違えれば「松の廊下」ですよ。
尺八でも頑固なジイサンはいます。若い頃はヒトカドの人物だったんでしょうが、年をとって子供に相手にされなくなった、友達もいない、バアサンも2年前に死んだ。そういう境遇へのウップンバラシを我々にクレームとしてぶつける人がいました。
私も若かったから、それにこれで生活しなくてはならないという覚悟も有って、今よりズット世慣れていましたし我慢も利きました。それで宥めてるうちに、かなりの高確率で、そういう頑固ジイサンは親しい客に変わりました。そういう人にとって尺八という趣味は遊び、もはや「修行」ではありません。演奏では遊べない分、尺八周辺のあらゆる事を遊びにしたいのですが、演奏のリキが無いだけに、しぜん小うるさい理屈が多くなり、対等関係にある尺八仲間に嫌がられて、居場所を失い行きついた先が製管師だって。勘弁してよ。
箏のワガママオバアと違うのは「親しくなろうとクレームをつける」という点です。40過ぎて、そこの呼吸が分かってくると、クレイマーオヤジの「素直でない感情」を謎解きみたいに楽しめるようになりました。それも尺八だからです。やはり心では私達製管師に一目置いているからこそなのです。
30年以上前ですが、ダスティン・ホフマン主演で「クレイマー、クレイマー」という映画が日本でもヒットしましたよね。私は迂闊にも初め「クレームをつける人」と勘違いしました。人名とは思いませんでした。そのくらいですから、初めのうちクレイマーオヤジを「クレームをつける人」だと思ったのも当然ですよ。
ダイイチお客は私達製管師を頼んでもいないのに「センセイ」と呼びますが、琴屋の場合はサンです。宮下伸先生にいたってはヨビツケないしクンです。でも宮下先生は私等にもそうですし、オナカの中に何の悪気も無い方ですから良いですが、社会勉強をほとんどしていないオバチャンがその時だけセンセイになるのが伝統文化の世界ですから、日頃のオバタリアンぶりを立場の弱い者にぶつける人がいます。相対比較では尺八の比では有りませんや。そのワガママぶりに辟易するのは常に琴屋です。
一度、民謡の会で、本番演奏中に会場でもはっきり聞こえる大きな怒鳴り声を聞きました。「イイカゲンにしろ、オレはテメエの弟子じゃねえ、フザケルノモたいがいにしろ」、大の男がキレてここまで言うのはヨクヨクですぜ。ひとつ間違えれば「松の廊下」ですよ。
尺八でも頑固なジイサンはいます。若い頃はヒトカドの人物だったんでしょうが、年をとって子供に相手にされなくなった、友達もいない、バアサンも2年前に死んだ。そういう境遇へのウップンバラシを我々にクレームとしてぶつける人がいました。
私も若かったから、それにこれで生活しなくてはならないという覚悟も有って、今よりズット世慣れていましたし我慢も利きました。それで宥めてるうちに、かなりの高確率で、そういう頑固ジイサンは親しい客に変わりました。そういう人にとって尺八という趣味は遊び、もはや「修行」ではありません。演奏では遊べない分、尺八周辺のあらゆる事を遊びにしたいのですが、演奏のリキが無いだけに、しぜん小うるさい理屈が多くなり、対等関係にある尺八仲間に嫌がられて、居場所を失い行きついた先が製管師だって。勘弁してよ。
箏のワガママオバアと違うのは「親しくなろうとクレームをつける」という点です。40過ぎて、そこの呼吸が分かってくると、クレイマーオヤジの「素直でない感情」を謎解きみたいに楽しめるようになりました。それも尺八だからです。やはり心では私達製管師に一目置いているからこそなのです。
30年以上前ですが、ダスティン・ホフマン主演で「クレイマー、クレイマー」という映画が日本でもヒットしましたよね。私は迂闊にも初め「クレームをつける人」と勘違いしました。人名とは思いませんでした。そのくらいですから、初めのうちクレイマーオヤジを「クレームをつける人」だと思ったのも当然ですよ。
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