竹の変態
- 2015/10/09
- 21:17
宮城道雄の処女作は「水の変態」ということになっています。モチロン異議なんて有りません。「なっている」などと思わせぶりな言い方をしているのは、正式に発表される前の「習作」とでも呼ぶべき小品がタブン幾つか有って、後年の曲の中にフレーズとして編入されているかも? それだけの意味です。他意は有りません。
ともかく、初めて聞いた時はビックリしました。言葉の使われ方です。私らは「変態」に別のイメージを持ってしまいます。
7世紀前半に中国で尺八が出来た。同様に、タブン存在したであろう先行形態には触れないとして、それが間もなくか百年後までかに、朝鮮の百済か中国の唐からか日本に伝わりました。
長さは34センチから44センチで数種類が有りましたが、三節六孔という共通点が有ります。そして雅楽の「唐楽」に使われたのですが、これが民間に入ると復元製作は大変厄介なのです。宮廷と違って竹材を見つけてこれません。租庸調って言いますな。笛用の竹が調として義務ずけられていた土地が有りました。大隈の国からの竹で作ると有名な「青葉の笛」だそうです。
一般に竹と言われていますが、日本の山野に生えているのは竹と笹です。このうち竹は中国からの帰化植物だということです。何時から?さあ。 でも常識から判断して日本に入って2500年は経っていないでしょう。そして日本の山野に自生している竹の過半は真竹です。この竹は弥生人が朝鮮経由で持ち込みました。孟宗竹はもっと後になって中国経由で持ち込まれた種類です。
その名残かどうか知れませんが、韓国の南岸地帯には日本の真竹にそっくりな竹が存在します。
私は35年前に大門胤山さんと韓国に竹材調査に行きました。その時に見た範囲でしか知らないので、当然サンプル総数は貧弱ですが、得意の独断で言ってしまいます。
弥生人が米作地を求めて移動し、適地で農耕を開始して、人口が土地の許容以上になると、溢れた人達がまた次の土地を探して移動する。ここまではそうですよ、日本の中でも全く同じ事が行われたのですから。農耕民族の移動は遊牧民族みたいにはいきません。
そうして何百年もかかって少しずつ生活地域を移動していった過程で、その土地に適合した植物種が生き残り、それが次の土地に持って行かれて、徐々に日本まで移動して来ました。真竹の起源は中国東南部でしょう.。弥生人のルーツが中国東南部にいた非漢民族なのか、それとも満洲のツングースなのかは、ひとまず置いといて、日本では、竹もその人達とともに西から徐々に東へと伝わった事は当然として、尺八がまず広まったであろう西日本でも、初期の尺八の太さで三節の竹を探すのは一苦労なのです。伝わった尺八は淡竹(呉竹)で作られていますが、日本に有る真竹ですと、節間隔が長くなってしまいます。
私は、この復元製作の時点で「ひとよぎり」になったに違いないと思っています。
まず節と節との間の「よ」という部分を使うと簡単で良く鳴るということは前に言いました。しかし今度は一節の長さだと竹の上の方になってしまい、内径が広くなり鳴りが悪くなってしまいます。そういう竹も見つけるのもまた難しい。そこで一節を挟んで「よ」を二つにすると解決です。ここまでが尺八の変態第一段。
次に手孔です。中国(唐楽)の七声音階は六孔が便利ですが、日本の五音律音階ですと、古代尺八の六孔の第二孔が必要無くなるのです。こういう音階、ソフトに合わせて楽器が変化するのはハーモニカを見れば明らかですね。特定の不必要なキーが無かったり実に様々に変化しています。ハーモニカの様に歴史が浅く、バリエーションに合わせた変容の過程が明確に確認できると説明するのが簡単です。
ここが尺八の変態第二段。三段以降については、いずれまた。
お知らせ
ウィルス感染につきホームページ遮断中です。ご注文、お問い合わせ、資料請求はこちらからお願いします。竹製尺八29800円から。品質は世界で通用しています。
spkg8zr9@grace.ocn.ne.jp
ともかく、初めて聞いた時はビックリしました。言葉の使われ方です。私らは「変態」に別のイメージを持ってしまいます。
7世紀前半に中国で尺八が出来た。同様に、タブン存在したであろう先行形態には触れないとして、それが間もなくか百年後までかに、朝鮮の百済か中国の唐からか日本に伝わりました。
長さは34センチから44センチで数種類が有りましたが、三節六孔という共通点が有ります。そして雅楽の「唐楽」に使われたのですが、これが民間に入ると復元製作は大変厄介なのです。宮廷と違って竹材を見つけてこれません。租庸調って言いますな。笛用の竹が調として義務ずけられていた土地が有りました。大隈の国からの竹で作ると有名な「青葉の笛」だそうです。
一般に竹と言われていますが、日本の山野に生えているのは竹と笹です。このうち竹は中国からの帰化植物だということです。何時から?さあ。 でも常識から判断して日本に入って2500年は経っていないでしょう。そして日本の山野に自生している竹の過半は真竹です。この竹は弥生人が朝鮮経由で持ち込みました。孟宗竹はもっと後になって中国経由で持ち込まれた種類です。
その名残かどうか知れませんが、韓国の南岸地帯には日本の真竹にそっくりな竹が存在します。
私は35年前に大門胤山さんと韓国に竹材調査に行きました。その時に見た範囲でしか知らないので、当然サンプル総数は貧弱ですが、得意の独断で言ってしまいます。
弥生人が米作地を求めて移動し、適地で農耕を開始して、人口が土地の許容以上になると、溢れた人達がまた次の土地を探して移動する。ここまではそうですよ、日本の中でも全く同じ事が行われたのですから。農耕民族の移動は遊牧民族みたいにはいきません。
そうして何百年もかかって少しずつ生活地域を移動していった過程で、その土地に適合した植物種が生き残り、それが次の土地に持って行かれて、徐々に日本まで移動して来ました。真竹の起源は中国東南部でしょう.。弥生人のルーツが中国東南部にいた非漢民族なのか、それとも満洲のツングースなのかは、ひとまず置いといて、日本では、竹もその人達とともに西から徐々に東へと伝わった事は当然として、尺八がまず広まったであろう西日本でも、初期の尺八の太さで三節の竹を探すのは一苦労なのです。伝わった尺八は淡竹(呉竹)で作られていますが、日本に有る真竹ですと、節間隔が長くなってしまいます。
私は、この復元製作の時点で「ひとよぎり」になったに違いないと思っています。
まず節と節との間の「よ」という部分を使うと簡単で良く鳴るということは前に言いました。しかし今度は一節の長さだと竹の上の方になってしまい、内径が広くなり鳴りが悪くなってしまいます。そういう竹も見つけるのもまた難しい。そこで一節を挟んで「よ」を二つにすると解決です。ここまでが尺八の変態第一段。
次に手孔です。中国(唐楽)の七声音階は六孔が便利ですが、日本の五音律音階ですと、古代尺八の六孔の第二孔が必要無くなるのです。こういう音階、ソフトに合わせて楽器が変化するのはハーモニカを見れば明らかですね。特定の不必要なキーが無かったり実に様々に変化しています。ハーモニカの様に歴史が浅く、バリエーションに合わせた変容の過程が明確に確認できると説明するのが簡単です。
ここが尺八の変態第二段。三段以降については、いずれまた。
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