秋の深まり
- 2015/10/17
- 22:13
私達尺八製作者は秋の深まりを漆で感じます。漆の乾きが少し悪くなったと思ったら秋。9月下旬です。秋が深まるにつれ段々漆が乾かなくなり、11月の到来とともに暖房の出番で、電気毛布で漆箱を包みます。
漆は摂氏20度を下回ると急速に乾きが悪くなります。季節の移ろいは、たとえ家から一歩も出なくとも分かります。
季節を象徴するモノが段々と季節と合わなくなってきました。やがて俳句の季語も変わってくるんですかね。
今日テレビでニュースを見ると、高知で「戻り鰹祭」をやっていて、皆が「美味い美味い」と絶賛していましたが、チョット待って下さい。確か高知には戻り鰹って無かったんじゃ・・・。
思うに他から持って来たんでしょう。それは別に構いませんが、でも鰹の本場高知で食べると「美味い」のでしょうか?他から何でも今は持ってこれますからね。季節感も昔とは余程に違ってきます。
トマトもナスも一年中有りまっせ。流石に果物、梨や柿は季節が有りますが、林檎だと、もう藤村の「薄くれないの秋の実の・・・」も通じませんな。
漆は現在、日本産は年間わずか1トンしか採れず97パーセントが中国産だそうです。定期的に回って来る漆屋の社長に聞きました。ベトナムだったら安くて質の良い漆が有るのに何故使わないのか?
漆屋の答え「ベトナム漆はベトナムの気候だと乾くのですが、不思議に日本だと駄目なんですよ」
中国産の先行きは? 「政府の指導で伝統建築や仏像の修復には国産漆を使うようになりますが、実態を知らない役人の言うことで、とても足りません。中国産も年々値上がりしていますが、買わざるを得ません」
どうして国産の漆が少なくなったのか? 「売れないからですよ。ここ40年で漆全体の使用量が十分の一になりました。輪島をはじめ、漆工芸の苦境たるや大変なものですよ」
しかし政府の大方針「東京オリンピックまでは伝統文化を押す」。この政策でここしばらくは国産漆の採集業者も潤うはずです。春ですよ春。
尺八も長らく冬でしたが春風が吹き始めました。まだ気が付きませんか?そうですよね、この期に廃業にかかっている所も有るんですものね。もう少しの辛抱と言うより、従来型の体質を改善していない業者には、さして良い事も無いでしょう。何せ33年前のNHkの尺八講座でさえ、有卦に入ったのは私と竹治だけですもんね。
漆は摂氏20度を下回ると急速に乾きが悪くなります。季節の移ろいは、たとえ家から一歩も出なくとも分かります。
季節を象徴するモノが段々と季節と合わなくなってきました。やがて俳句の季語も変わってくるんですかね。
今日テレビでニュースを見ると、高知で「戻り鰹祭」をやっていて、皆が「美味い美味い」と絶賛していましたが、チョット待って下さい。確か高知には戻り鰹って無かったんじゃ・・・。
思うに他から持って来たんでしょう。それは別に構いませんが、でも鰹の本場高知で食べると「美味い」のでしょうか?他から何でも今は持ってこれますからね。季節感も昔とは余程に違ってきます。
トマトもナスも一年中有りまっせ。流石に果物、梨や柿は季節が有りますが、林檎だと、もう藤村の「薄くれないの秋の実の・・・」も通じませんな。
漆は現在、日本産は年間わずか1トンしか採れず97パーセントが中国産だそうです。定期的に回って来る漆屋の社長に聞きました。ベトナムだったら安くて質の良い漆が有るのに何故使わないのか?
漆屋の答え「ベトナム漆はベトナムの気候だと乾くのですが、不思議に日本だと駄目なんですよ」
中国産の先行きは? 「政府の指導で伝統建築や仏像の修復には国産漆を使うようになりますが、実態を知らない役人の言うことで、とても足りません。中国産も年々値上がりしていますが、買わざるを得ません」
どうして国産の漆が少なくなったのか? 「売れないからですよ。ここ40年で漆全体の使用量が十分の一になりました。輪島をはじめ、漆工芸の苦境たるや大変なものですよ」
しかし政府の大方針「東京オリンピックまでは伝統文化を押す」。この政策でここしばらくは国産漆の採集業者も潤うはずです。春ですよ春。
尺八も長らく冬でしたが春風が吹き始めました。まだ気が付きませんか?そうですよね、この期に廃業にかかっている所も有るんですものね。もう少しの辛抱と言うより、従来型の体質を改善していない業者には、さして良い事も無いでしょう。何せ33年前のNHkの尺八講座でさえ、有卦に入ったのは私と竹治だけですもんね。
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