銀の美
- 2015/11/14
- 00:10
尺八の中継ぎに使う銀線を買っていた所が廃業して、また新規の銀屋を探しました。これで5軒目。今までの店は比較的続いたんですがね。善村鹿山さんも小林一城さんも取引していた良心的な店でした。どうして潰れるんですかね?
そう言えば、もう身の周りに銀細工ってあまり見ませんわ。銀はしばらくすると落ち着いて、少し曇った色になります。これが良いんですがね。ステンレスなんかいつまでもピカピカ、アルミだと曇りすぎ。落ち着いた銀の美しさが段々と分かってもらえない時代になりました。今はいぶし銀なんか完全にアウトですね。
私も、これまで35年使った純度99,99(フォーナイン・シルバー)を、業者の奨めで92,75をためしに買いました。こっちの方が美しく、また使いやすいようです。
銀は金との価格比はダイタイ80:1です。幕末の日本では5;1。それに対して欧米では15:1でしたから、日本から大量の金が流出しました。
銀って格落ちのイメージが有るでしょう。姓だって金は朝鮮にも中国にも有りますが、銀姓は、ひょっとして中国には有るかも知れませんが、朝鮮に無いことは知ってます。銀は軽く見られているんですかね。
モンゴル人は銀が好きで好きでしょうがないらしく、彼らの建てた元帝国の貨幣は生活必需品の塩と兌換する紙幣のみでしたが、せっせと銀を貯めていました。明や清での納税は銀兌換です。
日本でも江戸期の大阪経済圏では銀本位だったと聞いています。銀を軽く見ちゃいけませんわ。
大学3年の時でしたか、いよいよ金に詰まったヤツがいました。せっぱつまって考えついた事が、尺八の中継ぎに使ってある銀を外して売る事ですから、同じ大学に籍を置く者としてとても恥ずかしい。誰かなんて聞くだけヤボです。仕送りをどう使ったのか、年中ゲル貧で、「売血する」とまで口走った粟田に決まってますわ。
今は見ないですが、当時の尺八の中継ぎ細工は全部銀の「ベタ銀」や、さらに細工を加える「銀石目打ち」が流行っており、そこそこの量は有りました。しかし売るとなると、どう考えても50グラム程度ですから、いくらでも無いでしょう。
外す前に懇意にしている質屋に聞きましたよ。純銀かどうかの検査代、手数料、そういうのを引くと手のヒラに百円玉が一個乗るかどうか・・・。 それに、それだって「検査代の方が高くつくからやる所なんて無いとよ」。
「フザケンジャネエ」。バカ、ふざけてるのはオマエだ。
学生時代に読んだバルザックの『ゴリオ爺さん』だと、銀食器を潰しても娘の助けくらいには為ったんですがねえ・・・。
結局どうしたんですかね、銀を外さなかった事は確かです。そういうふうに年ガラ年中金に困っていて、それでも何とかなっていた懐かしい時代です。
そう言えば、もう身の周りに銀細工ってあまり見ませんわ。銀はしばらくすると落ち着いて、少し曇った色になります。これが良いんですがね。ステンレスなんかいつまでもピカピカ、アルミだと曇りすぎ。落ち着いた銀の美しさが段々と分かってもらえない時代になりました。今はいぶし銀なんか完全にアウトですね。
私も、これまで35年使った純度99,99(フォーナイン・シルバー)を、業者の奨めで92,75をためしに買いました。こっちの方が美しく、また使いやすいようです。
銀は金との価格比はダイタイ80:1です。幕末の日本では5;1。それに対して欧米では15:1でしたから、日本から大量の金が流出しました。
銀って格落ちのイメージが有るでしょう。姓だって金は朝鮮にも中国にも有りますが、銀姓は、ひょっとして中国には有るかも知れませんが、朝鮮に無いことは知ってます。銀は軽く見られているんですかね。
モンゴル人は銀が好きで好きでしょうがないらしく、彼らの建てた元帝国の貨幣は生活必需品の塩と兌換する紙幣のみでしたが、せっせと銀を貯めていました。明や清での納税は銀兌換です。
日本でも江戸期の大阪経済圏では銀本位だったと聞いています。銀を軽く見ちゃいけませんわ。
大学3年の時でしたか、いよいよ金に詰まったヤツがいました。せっぱつまって考えついた事が、尺八の中継ぎに使ってある銀を外して売る事ですから、同じ大学に籍を置く者としてとても恥ずかしい。誰かなんて聞くだけヤボです。仕送りをどう使ったのか、年中ゲル貧で、「売血する」とまで口走った粟田に決まってますわ。
今は見ないですが、当時の尺八の中継ぎ細工は全部銀の「ベタ銀」や、さらに細工を加える「銀石目打ち」が流行っており、そこそこの量は有りました。しかし売るとなると、どう考えても50グラム程度ですから、いくらでも無いでしょう。
外す前に懇意にしている質屋に聞きましたよ。純銀かどうかの検査代、手数料、そういうのを引くと手のヒラに百円玉が一個乗るかどうか・・・。 それに、それだって「検査代の方が高くつくからやる所なんて無いとよ」。
「フザケンジャネエ」。バカ、ふざけてるのはオマエだ。
学生時代に読んだバルザックの『ゴリオ爺さん』だと、銀食器を潰しても娘の助けくらいには為ったんですがねえ・・・。
結局どうしたんですかね、銀を外さなかった事は確かです。そういうふうに年ガラ年中金に困っていて、それでも何とかなっていた懐かしい時代です。
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