意志の連続
- 2015/11/23
- 23:00
尺八家で横山勝也ほど多くの人に愛され、シンパが多かった人もそういないでしょう。尺八の大家といわれた人で威張ってオタカクとまっている人も知りませんが、横山先生はひときわ敷居が低かった。
初体面の人に話かけられても常に笑顔で丁寧に応対し、誰でもがタチマチにしてファンになりました。人間ですから勿論欠点も有りますが、ともかく、人に嫌な思いをさせまい、傲慢な振る舞いをしなかろう、自分に出来る事であれば人の為にしてやろう、そういうお気持ちでいらしたと思います。
若い頃、と言っても20年くらい前ですが友人達数人と話していて、尺八家で誰が一番人柄が良いだろうか、そういう話題になりました。
川村泰山はダイタイの者が名をあげました。あと山口五郎は当然あがりますよね。邦楽ジャーナル社長の田中さんは筆頭に五世荒木古童を、私ほか何人かは筆頭でないまでもジョン・ネプチューンをあげました。
こういった人達と比べて横山勝也は少し違うように思うのです。「人柄が良い」というより、誠実に真剣に人と接しようと強い努力で自分の心を律していたような気がします。
ですから欠点、たとえば感情とくに嫌悪感をすぐ顔に出す、小言が多い、感情に引っぱられる、人にあまり警戒心を持たない、そういった所も皆が知っていました。人を裏切れない性格ですから政治家には向かないでしょうが、その魅力溢れる人柄で外部世界にもシンパが多く、それが大きなパワーを生み出していました。今日、海童道曲ひいては尺八が世界に広まる傾向をしめしていることは、何といっても、この方の努力が大きいと思います。
尺八を世界に広めるという行為は、ただ単に「良いものを聴かせれば必ず分かってもらえる」というような単純な話ではなく、邦楽なんぞの狭い世界だけでない、広く大きな協力がどの程度得られるかという話です。
さて、ここからが言いたいところなのです。弟子の大切さです。師匠の元で芸を習う、こういう弟子がほとんどです。でも師匠の意志を受け継ぎ、師匠の精神を運動として継続し、それを具現化している弟子がどのくらいいるでしょう。横山勝也の弟子達は師匠亡き後も、呼ばれれば世界中に出かけて尺八の普及に努めています。「仕事だろう」と思っている人がいると思いますが、ギャラ、待遇などボランティア活動と言った方が正確です。
もう今は昔と違い「海外旅行に行けるからノーギャラでも良いや」というプロは少ないと思います。今も尺八の海外公演は大半がボランティアです。ただ、横山勝也の弟子、国際尺八研修館の活動は強い意志で運動の継続をしています。ですから世界中に現地団体を生み出しました。
問題はその後。もう皆が歳をとってしまいました。古屋さん、真玉さんは66才、若いと思っていた菅原久仁義さんで還暦、柿堺香さんでも55になってしまって、その次の世代には国際尺八研修館運動は繋がっていくのでしょうか?パワーの維持は可能でしょうか?
初体面の人に話かけられても常に笑顔で丁寧に応対し、誰でもがタチマチにしてファンになりました。人間ですから勿論欠点も有りますが、ともかく、人に嫌な思いをさせまい、傲慢な振る舞いをしなかろう、自分に出来る事であれば人の為にしてやろう、そういうお気持ちでいらしたと思います。
若い頃、と言っても20年くらい前ですが友人達数人と話していて、尺八家で誰が一番人柄が良いだろうか、そういう話題になりました。
川村泰山はダイタイの者が名をあげました。あと山口五郎は当然あがりますよね。邦楽ジャーナル社長の田中さんは筆頭に五世荒木古童を、私ほか何人かは筆頭でないまでもジョン・ネプチューンをあげました。
こういった人達と比べて横山勝也は少し違うように思うのです。「人柄が良い」というより、誠実に真剣に人と接しようと強い努力で自分の心を律していたような気がします。
ですから欠点、たとえば感情とくに嫌悪感をすぐ顔に出す、小言が多い、感情に引っぱられる、人にあまり警戒心を持たない、そういった所も皆が知っていました。人を裏切れない性格ですから政治家には向かないでしょうが、その魅力溢れる人柄で外部世界にもシンパが多く、それが大きなパワーを生み出していました。今日、海童道曲ひいては尺八が世界に広まる傾向をしめしていることは、何といっても、この方の努力が大きいと思います。
尺八を世界に広めるという行為は、ただ単に「良いものを聴かせれば必ず分かってもらえる」というような単純な話ではなく、邦楽なんぞの狭い世界だけでない、広く大きな協力がどの程度得られるかという話です。
さて、ここからが言いたいところなのです。弟子の大切さです。師匠の元で芸を習う、こういう弟子がほとんどです。でも師匠の意志を受け継ぎ、師匠の精神を運動として継続し、それを具現化している弟子がどのくらいいるでしょう。横山勝也の弟子達は師匠亡き後も、呼ばれれば世界中に出かけて尺八の普及に努めています。「仕事だろう」と思っている人がいると思いますが、ギャラ、待遇などボランティア活動と言った方が正確です。
もう今は昔と違い「海外旅行に行けるからノーギャラでも良いや」というプロは少ないと思います。今も尺八の海外公演は大半がボランティアです。ただ、横山勝也の弟子、国際尺八研修館の活動は強い意志で運動の継続をしています。ですから世界中に現地団体を生み出しました。
問題はその後。もう皆が歳をとってしまいました。古屋さん、真玉さんは66才、若いと思っていた菅原久仁義さんで還暦、柿堺香さんでも55になってしまって、その次の世代には国際尺八研修館運動は繋がっていくのでしょうか?パワーの維持は可能でしょうか?
スポンサーサイト