散らばるタネ
- 2016/01/13
- 21:56
最近の素人はカラオケ王者とかノド自慢チャンピオン大会とかをテレビで見ていると本当に上手でビックリします。歌唱力で言ったらプロの上の方でしょう。それでいてプロではないのですからね。プロというものを成立させている条件は技術だけではないということが良く分かります。
私も20年くらいの間、鈴慕会の演奏会に毎年出ていましたが、プロでない方で圧倒的な吹奏力をしめす人が何人かいました。ト、トンデモナイ、自分のことではないですって、私はそんなに思い上がっても勘違いもしていないですよ。私の場合は言ってみればビジュアル系ですからね、芸で勝負してるわけではないです。
戦前の尺八家は、おおむね一般人相手の尺八教授で暮らしをたてていたと言って良いでしょう。タ二マチみたいなフト筋のスポンサーは当時は今よりズット多かったし、何より戦前の男は、一家を構えていても父権が強くて、自分が使う金にはケチらなかったですからね。そのくせ表面的な秩序は重んじられて師匠には忠実だったから御稽古産業が花盛りだったわけです。
タマの演奏会だって邦楽村の中だけのことですからね、吹奏力というより人間関係が重視されました。
戦後になると男が弱くなり、また拡大する仕事や通勤で時間が無くなった代わりに、豊かになった一般の家庭では主婦や娘が箏を習える世になり、尺八はタニマチを失った代わりに箏の会に市場が出来ました。で、その結果、吹奏力が人間関係より大切になったと自信を持って言えますかな?むしろ人間関係の重要性がより高まったのかも知れません。
そして現在は箏の世界も急激に衰退しています。もう昔みたいに尺八に大盤振る舞いは出来ません。
これから尺八のプロは本格的な真の意味での音楽芸能に変わります。もう40年くらい前から始まっていた非邦楽器の中に入っての環境下で演奏し、生きていかねばなりません。
例えばスタジオ仕事だとしましょう。尺八界での序列など意味を持たない。コンマスや譜面の指示通りの演奏が出来て、なお満足させられなければ明日からの仕事は来ない世界です。
そういう世界での訓練を経てきた「若手」と言われたプロ達もすでに還暦前後になってしまいました。そして、その次の世代とは十数年の空白が有るのです。この間の年代には尺八二世を除いてプロがあまりいないのです。もうキャパが飽和に入っていたのだと思います。
そして藤原道山さんをはじめとする新世代の登場です。バブルがはじけた後の世代ですから、もう年功序列は通じません。この世代から音楽的な基礎訓練が厚い芸大出身者が大きな力を持ちます。もう尺八界が変るではなく、変わったのです。
その前の世代の尺八家が必死でクリアした範囲の事を、この世代のプロは当然のオーダーだと受け止めます。その現実を目の当たりにしたければ、毎年12月に行われる尺八のプロが50人くらい一堂に会する演奏会に顔を出される事をお薦めします。
ですが今は、この人達以外にもビックリするほど上手な人が大勢います。この人達が多数輩出したので、これから尺八はあらゆる地方で上質な演奏や教習に接する事が出来ます。
尺八維新はすでに本格化しています。
私も20年くらいの間、鈴慕会の演奏会に毎年出ていましたが、プロでない方で圧倒的な吹奏力をしめす人が何人かいました。ト、トンデモナイ、自分のことではないですって、私はそんなに思い上がっても勘違いもしていないですよ。私の場合は言ってみればビジュアル系ですからね、芸で勝負してるわけではないです。
戦前の尺八家は、おおむね一般人相手の尺八教授で暮らしをたてていたと言って良いでしょう。タ二マチみたいなフト筋のスポンサーは当時は今よりズット多かったし、何より戦前の男は、一家を構えていても父権が強くて、自分が使う金にはケチらなかったですからね。そのくせ表面的な秩序は重んじられて師匠には忠実だったから御稽古産業が花盛りだったわけです。
タマの演奏会だって邦楽村の中だけのことですからね、吹奏力というより人間関係が重視されました。
戦後になると男が弱くなり、また拡大する仕事や通勤で時間が無くなった代わりに、豊かになった一般の家庭では主婦や娘が箏を習える世になり、尺八はタニマチを失った代わりに箏の会に市場が出来ました。で、その結果、吹奏力が人間関係より大切になったと自信を持って言えますかな?むしろ人間関係の重要性がより高まったのかも知れません。
そして現在は箏の世界も急激に衰退しています。もう昔みたいに尺八に大盤振る舞いは出来ません。
これから尺八のプロは本格的な真の意味での音楽芸能に変わります。もう40年くらい前から始まっていた非邦楽器の中に入っての環境下で演奏し、生きていかねばなりません。
例えばスタジオ仕事だとしましょう。尺八界での序列など意味を持たない。コンマスや譜面の指示通りの演奏が出来て、なお満足させられなければ明日からの仕事は来ない世界です。
そういう世界での訓練を経てきた「若手」と言われたプロ達もすでに還暦前後になってしまいました。そして、その次の世代とは十数年の空白が有るのです。この間の年代には尺八二世を除いてプロがあまりいないのです。もうキャパが飽和に入っていたのだと思います。
そして藤原道山さんをはじめとする新世代の登場です。バブルがはじけた後の世代ですから、もう年功序列は通じません。この世代から音楽的な基礎訓練が厚い芸大出身者が大きな力を持ちます。もう尺八界が変るではなく、変わったのです。
その前の世代の尺八家が必死でクリアした範囲の事を、この世代のプロは当然のオーダーだと受け止めます。その現実を目の当たりにしたければ、毎年12月に行われる尺八のプロが50人くらい一堂に会する演奏会に顔を出される事をお薦めします。
ですが今は、この人達以外にもビックリするほど上手な人が大勢います。この人達が多数輩出したので、これから尺八はあらゆる地方で上質な演奏や教習に接する事が出来ます。
尺八維新はすでに本格化しています。
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