基本の是非
- 2016/01/17
- 22:18
台湾で初めて展示会を行なった15年前、最初の高雄での事です。十名チョットの人達の中で特に上手だと思う人がいました。聞けばまだ尺八を始めて3ヶ月とのこと。今は、その方はプロの尺八家を台湾でやってますから、資質は際立っていたんでしょうね。
芸大に尺八科が出来る前は、プロを仮にも目指す者はNHKの邦楽技能者育成会に入っものです。今、尺八の50歳以上のプロでここを出ていない人は少ないでしょう。
初めの頃は邦楽家の子弟も多かったのですが、私が大学に入ったころ、そう第15期くらいからは、大学の邦楽クラブで初めて尺八を見たという人が多いのです。佐野鈴霏さん、香川一朝さん、古屋輝夫さん、橋本竹詠さん、三橋貴風さんとかそうですし、その後も同様です。
と言う事は・・・。皆尺八を始めて丸2年、3年だったわけです。その時点ですでに尺八界では技術レベルで上位0コンマ5%に入っていたでしょう。イヤ、もっとかな。当時、尺八吹きが10万人いたとして、彼等と同一水準の吹奏力を持った人が500人いたなんて到底信じられませんわ。
尺八を何十年もやって来て、なお楽器としてコントロール出来なくて、「頑張って練習します」ですと・・・。それって少し違うように思います。軽々しくは言えない事ですが、タブン違います。
外国でビックリするほど上手なのに尺八のキャリア自体は短い人がいます。どうしてか?って聞かれる度に私は「師匠がいないからだ」と答えていますが、逆説だと思う人、変な顔をする人、笑う人など、反応は様々ですが、ともかく半分本音です。
尺八の場合、始めようと思った時点では師匠の技術レベルが全く分からないのが普通です。ですから尺八が上手になってくると改めて師匠につく人がいますが、それはアリでしょう。一度の転門は多くの人が認めています。私達大学の邦楽部出身の者のように初めから良い師匠につけるという事は、通常はまず無いでしょうから。
私が大学に入る2,3年前に大学の尺八で大変革が起こりました。それまでの師匠に代えて、自分達が師匠とするに足る人をクラブの師として迎えたのです。世に言う「全共闘世代」ですから、先輩にもОBにもガタガタ言わせません。その代わった尺八家達は、その後全員が超一流になっています。学生の判断力がいかに正しかったかと言うことです。
だから、それ以後は大学クラブ出身のプロが輩出したのです。それ以前での環境でプロになれた人って坂田誠山先生くらいのものでしょう。
今、尺八を始める人って「師匠につかず自分でやってみます」と言って尺八を買って行く人が多いんですよね。高い尺八には寄り付かないから、この現実を知らない尺八家の方が多いでしょう。
私達の中学高校時代、ギターやドラムを始める者って、初めから師匠につきましたかいな?友達から手ほどきを受けて自分勝手にやったものです。それで、もうこれ以上は限界、もっと上手くなりたい。そう思った者だけが師匠につきました。
「そんなのイカン」ですって、良い悪いではなく、もうそういう時代なのです。だいいち基本をしっかり教えられない師匠につくのは時間の無駄でしょう。
言い分は分かりますよ。大学の尺八はクラブですから、じっくりポージングや基礎をたたき込めますが、街の師匠となると弟子が辞めない様に、すぐ曲に入ります。代々その繰り返しですから、上手な人が少ないのは当たり前です。
芸大に尺八科が出来る前は、プロを仮にも目指す者はNHKの邦楽技能者育成会に入っものです。今、尺八の50歳以上のプロでここを出ていない人は少ないでしょう。
初めの頃は邦楽家の子弟も多かったのですが、私が大学に入ったころ、そう第15期くらいからは、大学の邦楽クラブで初めて尺八を見たという人が多いのです。佐野鈴霏さん、香川一朝さん、古屋輝夫さん、橋本竹詠さん、三橋貴風さんとかそうですし、その後も同様です。
と言う事は・・・。皆尺八を始めて丸2年、3年だったわけです。その時点ですでに尺八界では技術レベルで上位0コンマ5%に入っていたでしょう。イヤ、もっとかな。当時、尺八吹きが10万人いたとして、彼等と同一水準の吹奏力を持った人が500人いたなんて到底信じられませんわ。
尺八を何十年もやって来て、なお楽器としてコントロール出来なくて、「頑張って練習します」ですと・・・。それって少し違うように思います。軽々しくは言えない事ですが、タブン違います。
外国でビックリするほど上手なのに尺八のキャリア自体は短い人がいます。どうしてか?って聞かれる度に私は「師匠がいないからだ」と答えていますが、逆説だと思う人、変な顔をする人、笑う人など、反応は様々ですが、ともかく半分本音です。
尺八の場合、始めようと思った時点では師匠の技術レベルが全く分からないのが普通です。ですから尺八が上手になってくると改めて師匠につく人がいますが、それはアリでしょう。一度の転門は多くの人が認めています。私達大学の邦楽部出身の者のように初めから良い師匠につけるという事は、通常はまず無いでしょうから。
私が大学に入る2,3年前に大学の尺八で大変革が起こりました。それまでの師匠に代えて、自分達が師匠とするに足る人をクラブの師として迎えたのです。世に言う「全共闘世代」ですから、先輩にもОBにもガタガタ言わせません。その代わった尺八家達は、その後全員が超一流になっています。学生の判断力がいかに正しかったかと言うことです。
だから、それ以後は大学クラブ出身のプロが輩出したのです。それ以前での環境でプロになれた人って坂田誠山先生くらいのものでしょう。
今、尺八を始める人って「師匠につかず自分でやってみます」と言って尺八を買って行く人が多いんですよね。高い尺八には寄り付かないから、この現実を知らない尺八家の方が多いでしょう。
私達の中学高校時代、ギターやドラムを始める者って、初めから師匠につきましたかいな?友達から手ほどきを受けて自分勝手にやったものです。それで、もうこれ以上は限界、もっと上手くなりたい。そう思った者だけが師匠につきました。
「そんなのイカン」ですって、良い悪いではなく、もうそういう時代なのです。だいいち基本をしっかり教えられない師匠につくのは時間の無駄でしょう。
言い分は分かりますよ。大学の尺八はクラブですから、じっくりポージングや基礎をたたき込めますが、街の師匠となると弟子が辞めない様に、すぐ曲に入ります。代々その繰り返しですから、上手な人が少ないのは当たり前です。
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