辻潤

昔流行ったダダイズム。今は流行らないダダと言えば有名なところで中原中也ですかね。それと坂口安吾もそうですか。二人とも私はさっぱりタイプじゃありません。今年亡くなった赤瀬川源平（尾辻克彦）も私は嫌い。どうも私はダダさんとはお友達になれそうも有りません。

日本ダダの開祖と言ったら、高橋新吉はおいといて、まず辻潤の名が挙がると思います。
大杉栄と一緒に殺害された伊藤野枝のご主人だった人で、殺した犯人は甘粕正彦ということになっていますが、この辺り私には何とも言えません。後に満州国の夜を支配したとまで言われた甘粕の闇の部分ですね。同時に日本の暗い過去でもありますか。

私の住んでいる小田原周辺には、戦前に辻潤が虚無僧で暮らしていたことを憶えている人が前はいました。「尺八は抜群にうまかった」とおっしゃる方もいました。
私は無論聞いたことがないのですが、ある程度は尺八に知識のある方がおっしゃた事ですので、マア、その「世渡り」よりは上手だったのでしょう。でも、音程はずれまくり、音がしっかり出ていなくたって、「それこそダダだ」と言われたら、それまでですからね・・・
発狂して最後は餓死したというのが定説ですが、自殺だと言う人もいます。

自殺と言えば、辻潤と伊藤野枝との間の子、辻まことも直接の死因は自殺でしたね。辻まこと、古い山岳ファンは憶えているでしょう。70年代初めに「岳人」の表紙を書いていた人ですよ。
おお、そう言えば甘粕正彦も青酸カリで自殺しましたな。　

何か運命を感じるって。なに単なる偶然ですよ。