喰い逃げ
- 2016/02/16
- 21:35
私のお客には飲食店の経営者がたくさんいます。中で親しくしている地元の食堂のダンナが、喰い逃げに嘆いていました。
私の若い頃の「食い逃げ」は、店員の隙をついて走って逃げるというのがパターンでした。流行っている割りに店員が少なく目の届かない店、店員がカウンターの中、しかも盛り場で、逃げればすぐに人ごみに紛れてしまう店であれば、ほとんど食い逃げは日常茶飯でしたな。店主にしたら、その為に店員を一人雇う事も出来ないので、まあ半分税金のつもりで諦めていたんと違いますか。
たまたま運良く、逃げ遅れた奴をふん捕まえたら、逃げ遅れるような奴ですから老人か若くても体力劣等に決まってますので、日頃のウップンバラシも有って、5,6発ぶん殴った上で警察につきだしたものです。
その後、そういう店のほとんどは食券の自動券売機を入れましたので、私等も食い逃げの現場に遭遇することも無くなりました。
日本は良い方向に進行した、さあ・・・。事態は方向を曲げて根深いものに変わったのと違いますか。
その食堂経営者によると、タラフク飲み食いした後で客が言い出すんですと、「金は無い。警察でも何処でも連れてってくんな」。
相手は人生を諦めていて、タダメシ布団付の刑務所ほど楽な所はないという人間です。しかもスレている。腹立ちまぎれに一発くらわしでもすれば、騒ぎ立てて、無銭飲食(法律上では詐欺ですな)よりも罪のより重い暴行傷害で訴えるとサカネジをくわせます。
では警察を呼ぶ。マサか・・・。警察などに通報しようものなら、忙しい最中でも現場検証2時間。その後で警察に出向き調書の作成。それで金が戻ってくるわけでもない。
それで相手はと言えば、気楽な留置場で高いびき。「寒空青天の公園のベンチに比べて、ここは天国だぜ」です。運悪くか良くかは分かりませんが、放置所に入る事になっても「留置場より少し下がったけど、ここも悪くない」の心境でしょう。万一にも世間知らずの新米刑務官に「オマエのやったこと程度なら保釈金を払えば出られるぞ」とか言われても、勿論そんな金が有ればソモソモ食い逃げなんてしませんが、懸命に拒否するでしょう。
結果、泣き寝入り。セイゼイが「二度と来るんじゃねえぞ」の捨て台詞でオシマイです。
これで「真面目に働くのがイヤになる」ようでは自営失格です。ボヤイテ、酒の2,3合で忘れなくては。尺八屋の商売のうちには客の愚痴を聞くことも入っていると私は思っていますから、私相手にいくらでもボヤイテくださいや。一緒に相手を口汚く罵ってさしあげましょう。
私達尺八屋は、どんなに気をつけていても「食い逃げ」に逢うことは避けられません。極めて狭い範囲で商売をしている「地域製管師」や「社中抱え」は今ではプロとしては稀になりましたが、こういうタイプの製管師であれば、自分の良く知っている人達が相手ですから、こういうことにも遭わないでしょうよ。
でも広域な市場を持っている人では、そういう経験が無いと言った人は小林一城さんくらいですよ。人柄が良いと運も良いんですかね。でもオカシイな、オイラだって顔は良いし人柄だって悪くないと思いますよ。でも「食い逃げ」に当たりますな。
30年前、ある有名製管師は代金取っパグレが2百万有ると言っていました。催促しても払わなければ取り立ての方法が無い。直接集金に行くには遠方すぎる。1件10万程度なら裁判も出来ない。「それじゃどうすれば良いんだよ」
ハイ、今は「少額裁判」が有ります。60万までなら1回で結審ですし、相手を自分の土地に呼びだせます。140万までなら司法書士にお願いできます。私は泣き寝入りはしない。
そう言えば、その頃、製管師の間でブラックリストを作ろうという話が有りましたが立ち消えました。
また、都山の「楽報」や「邦楽ジャーナル」に、製管師が金を出し合って広告を出そうと言う案も有りました。何の但し書きも無く、払わない客の御尊名だけを載せるのです。尺八界はオトナの集団ですから、そういう意味はすぐ分かり、狭い世界ですから相手の名誉は著しく毀損されるので、代金踏み倒しに対して強い防止効果が有るという事です。
「邦楽ジャーナル」には私が連絡しました。最初はОKだったのですが、一週間後くらいに「やっぱりマズイです」の返事でした。
今は良いです。少額裁判制度が出来ましたから。でも法が不十分だと、こういうリンチまがいの事が横行しまっせ・・・。
私の若い頃の「食い逃げ」は、店員の隙をついて走って逃げるというのがパターンでした。流行っている割りに店員が少なく目の届かない店、店員がカウンターの中、しかも盛り場で、逃げればすぐに人ごみに紛れてしまう店であれば、ほとんど食い逃げは日常茶飯でしたな。店主にしたら、その為に店員を一人雇う事も出来ないので、まあ半分税金のつもりで諦めていたんと違いますか。
たまたま運良く、逃げ遅れた奴をふん捕まえたら、逃げ遅れるような奴ですから老人か若くても体力劣等に決まってますので、日頃のウップンバラシも有って、5,6発ぶん殴った上で警察につきだしたものです。
その後、そういう店のほとんどは食券の自動券売機を入れましたので、私等も食い逃げの現場に遭遇することも無くなりました。
日本は良い方向に進行した、さあ・・・。事態は方向を曲げて根深いものに変わったのと違いますか。
その食堂経営者によると、タラフク飲み食いした後で客が言い出すんですと、「金は無い。警察でも何処でも連れてってくんな」。
相手は人生を諦めていて、タダメシ布団付の刑務所ほど楽な所はないという人間です。しかもスレている。腹立ちまぎれに一発くらわしでもすれば、騒ぎ立てて、無銭飲食(法律上では詐欺ですな)よりも罪のより重い暴行傷害で訴えるとサカネジをくわせます。
では警察を呼ぶ。マサか・・・。警察などに通報しようものなら、忙しい最中でも現場検証2時間。その後で警察に出向き調書の作成。それで金が戻ってくるわけでもない。
それで相手はと言えば、気楽な留置場で高いびき。「寒空青天の公園のベンチに比べて、ここは天国だぜ」です。運悪くか良くかは分かりませんが、放置所に入る事になっても「留置場より少し下がったけど、ここも悪くない」の心境でしょう。万一にも世間知らずの新米刑務官に「オマエのやったこと程度なら保釈金を払えば出られるぞ」とか言われても、勿論そんな金が有ればソモソモ食い逃げなんてしませんが、懸命に拒否するでしょう。
結果、泣き寝入り。セイゼイが「二度と来るんじゃねえぞ」の捨て台詞でオシマイです。
これで「真面目に働くのがイヤになる」ようでは自営失格です。ボヤイテ、酒の2,3合で忘れなくては。尺八屋の商売のうちには客の愚痴を聞くことも入っていると私は思っていますから、私相手にいくらでもボヤイテくださいや。一緒に相手を口汚く罵ってさしあげましょう。
私達尺八屋は、どんなに気をつけていても「食い逃げ」に逢うことは避けられません。極めて狭い範囲で商売をしている「地域製管師」や「社中抱え」は今ではプロとしては稀になりましたが、こういうタイプの製管師であれば、自分の良く知っている人達が相手ですから、こういうことにも遭わないでしょうよ。
でも広域な市場を持っている人では、そういう経験が無いと言った人は小林一城さんくらいですよ。人柄が良いと運も良いんですかね。でもオカシイな、オイラだって顔は良いし人柄だって悪くないと思いますよ。でも「食い逃げ」に当たりますな。
30年前、ある有名製管師は代金取っパグレが2百万有ると言っていました。催促しても払わなければ取り立ての方法が無い。直接集金に行くには遠方すぎる。1件10万程度なら裁判も出来ない。「それじゃどうすれば良いんだよ」
ハイ、今は「少額裁判」が有ります。60万までなら1回で結審ですし、相手を自分の土地に呼びだせます。140万までなら司法書士にお願いできます。私は泣き寝入りはしない。
そう言えば、その頃、製管師の間でブラックリストを作ろうという話が有りましたが立ち消えました。
また、都山の「楽報」や「邦楽ジャーナル」に、製管師が金を出し合って広告を出そうと言う案も有りました。何の但し書きも無く、払わない客の御尊名だけを載せるのです。尺八界はオトナの集団ですから、そういう意味はすぐ分かり、狭い世界ですから相手の名誉は著しく毀損されるので、代金踏み倒しに対して強い防止効果が有るという事です。
「邦楽ジャーナル」には私が連絡しました。最初はОKだったのですが、一週間後くらいに「やっぱりマズイです」の返事でした。
今は良いです。少額裁判制度が出来ましたから。でも法が不十分だと、こういうリンチまがいの事が横行しまっせ・・・。
スポンサーサイト