権威
- 2016/02/17
- 21:46
私達の学生時代は「学園紛争」の盛んな時で、左翼運動をやっていた学生は一部でしかありませんが、やっていないノンポリ学生でも影響を受けていて、会話や言い合いの中に、しばしば「サヨク用語」が使われていました。
「権威主義」というのもその一つで、しばしば言い合いの中で「それは権威主義の最たるものだ」とか相手を攻撃するのに使っていました。
当時は「造反有理」がハヤリですから、若い者は権威に反抗するのが良いとされていたんですね。
人間オトナになると「権威は信用するモノでは無く、利用するモノだ」というのが一般的な経験知となります。これは「権威なんてイイカゲンなもの」という意味ではなく、盲信せず適宜利用すれば良いというほどの意味です。
何らかの目的で相手を説得する為に「誰々さんがこう言った」と言う事には有効だが、自分が信じていたら仕方が無い、そういう事です。
かと言って、全然信じないというのも困りものですわな。医者にはヤブもいるのでしょうが、それでも祈るとか民間治療よりマシに決まってますわ。昔みたいに、医者が「国家資格」でなかったならば、誰にかかるかの選択は時として命がけですぜ。
経済評論家の言うことはアテにならないと言っても、飲み屋で隣に座った酔っ払いの「株式予測」よりは、はるかに信じられますわな。たまに「オレの予測の方が確かだ。その証拠に経済学者が外した予測を、オレは当てた」というオカタもいますが、それはマグレ。野球と同じ、トップバッターとお払い箱の差は打率。
金銭トラブルで、医者と同じ「国家資格」の弁護士に頼らずに、イイカゲンな知識の者の言う事を真に受けて、大金を擦っても嗤われるだけで同情する者などいませんぜ。
尺八にも一般の人には分かり難いながら、「権威」らしき物がイチオウ存在します。でも製管師も演奏家も基本的には自称で、「国家資格」ではありません。ですから、自称「プロ」も多く存在しています。大した実害も無いので野放しですが、これはチョットという話を幾つかしましょう。
割れ止めが施されていた尺八がパックリ割れていた。それもそのはず、籐の下に割れ止めがなされていない。溝を切って籐を巻いただけ。エレえなあ、「こんなのオラにも出来る」と金をとって作業したんですね。
「筒音が鳴らない」という尺八を「まかせとけ」と受け、片端から最狭部を拡げていた素人製管師がいました。「だって、オレの尺八、まるでロが鳴らなかったのに、そこを拡げたら鳴るようになったぜ」。お見事。ここで褒めているのは、金を貰って他人の尺八をいじる度胸です。
「オレの作る尺八には鳴りがキンキンするので金属など使わない」。ホウ、そうですか。ココでオシマイなら良いんですがね。「アンタらは売れれば良いんだから、見た目が大事だから中継ぎに銀なんか使うけど、それじゃあ竹の響きにならないよ」。
オソレイリマシタ。貴方こそ「尺八トンデモ王」の名にふさわしい。
でも、親切心から一言。その割には中塗りは朱漆ですよね。半分金属だけに実に良い発色ですこと。
「知り合いに尺八を作っている者がいて、鳴りを良くしてやるからと預けたら、首の所に籐巻を入れやがった」。別に良いじゃないですか。籐だけだから割れ止めの効果すら無いけど実害も有りませんよ。「百万出して買ったんだぜ」。それはお気の毒、言わば二重にひっかかったんですね。その尺八、何て言われて買ったかはハッキリ分かりますが、その尺八だと10万にもなりませんぜ。
製管である程度「権威」を見分ける方法とは。都山流の『楽報』。日本尺八連盟の『会員名簿』。『邦楽ジャーナル』。ここには少なくとも素人の広告は有りません。
「権威主義」というのもその一つで、しばしば言い合いの中で「それは権威主義の最たるものだ」とか相手を攻撃するのに使っていました。
当時は「造反有理」がハヤリですから、若い者は権威に反抗するのが良いとされていたんですね。
人間オトナになると「権威は信用するモノでは無く、利用するモノだ」というのが一般的な経験知となります。これは「権威なんてイイカゲンなもの」という意味ではなく、盲信せず適宜利用すれば良いというほどの意味です。
何らかの目的で相手を説得する為に「誰々さんがこう言った」と言う事には有効だが、自分が信じていたら仕方が無い、そういう事です。
かと言って、全然信じないというのも困りものですわな。医者にはヤブもいるのでしょうが、それでも祈るとか民間治療よりマシに決まってますわ。昔みたいに、医者が「国家資格」でなかったならば、誰にかかるかの選択は時として命がけですぜ。
経済評論家の言うことはアテにならないと言っても、飲み屋で隣に座った酔っ払いの「株式予測」よりは、はるかに信じられますわな。たまに「オレの予測の方が確かだ。その証拠に経済学者が外した予測を、オレは当てた」というオカタもいますが、それはマグレ。野球と同じ、トップバッターとお払い箱の差は打率。
金銭トラブルで、医者と同じ「国家資格」の弁護士に頼らずに、イイカゲンな知識の者の言う事を真に受けて、大金を擦っても嗤われるだけで同情する者などいませんぜ。
尺八にも一般の人には分かり難いながら、「権威」らしき物がイチオウ存在します。でも製管師も演奏家も基本的には自称で、「国家資格」ではありません。ですから、自称「プロ」も多く存在しています。大した実害も無いので野放しですが、これはチョットという話を幾つかしましょう。
割れ止めが施されていた尺八がパックリ割れていた。それもそのはず、籐の下に割れ止めがなされていない。溝を切って籐を巻いただけ。エレえなあ、「こんなのオラにも出来る」と金をとって作業したんですね。
「筒音が鳴らない」という尺八を「まかせとけ」と受け、片端から最狭部を拡げていた素人製管師がいました。「だって、オレの尺八、まるでロが鳴らなかったのに、そこを拡げたら鳴るようになったぜ」。お見事。ここで褒めているのは、金を貰って他人の尺八をいじる度胸です。
「オレの作る尺八には鳴りがキンキンするので金属など使わない」。ホウ、そうですか。ココでオシマイなら良いんですがね。「アンタらは売れれば良いんだから、見た目が大事だから中継ぎに銀なんか使うけど、それじゃあ竹の響きにならないよ」。
オソレイリマシタ。貴方こそ「尺八トンデモ王」の名にふさわしい。
でも、親切心から一言。その割には中塗りは朱漆ですよね。半分金属だけに実に良い発色ですこと。
「知り合いに尺八を作っている者がいて、鳴りを良くしてやるからと預けたら、首の所に籐巻を入れやがった」。別に良いじゃないですか。籐だけだから割れ止めの効果すら無いけど実害も有りませんよ。「百万出して買ったんだぜ」。それはお気の毒、言わば二重にひっかかったんですね。その尺八、何て言われて買ったかはハッキリ分かりますが、その尺八だと10万にもなりませんぜ。
製管である程度「権威」を見分ける方法とは。都山流の『楽報』。日本尺八連盟の『会員名簿』。『邦楽ジャーナル』。ここには少なくとも素人の広告は有りません。
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