曲の軽重
- 2016/02/18
- 21:28
30年前、尺八を買っていただいている関係で、よく助っ人で尺八を吹いていた民謡の会で「折角だから大橋先生も何か一曲歌ってくださいよ」と言われ、それではと「御立酒」と言ったところ怪訝な顔をされました。
「変ですか?」。そういう事より、「重い曲」なので気安く歌う曲では無く、まして私の様な全く民謡を知らない者が、聞きかじりで歌うようなモノではないらしいのです。
ただ、前提として、民謡を正式に習っていない私にとっては「ちゃんと歌えない」という事ではどの歌だって同じなのです。
この辺りの意味は今は分かります。「江差追分」は尺八で伴奏をつけるなら簡単な曲ですが、「簡単」などと本当の事を言うと顰蹙をかいます。
こういうのは「御稽古産業」ならではの理屈で、「鼎の軽重を問う」の故事そのままに、本当に重要なのは鼎そのものの本当の重さではないのです。一つの体制を成り立たせている「権威」の軽重こそが問われています。
だから「教授産業」の外、たとえばカラオケですと、何でも気楽、自由です。どんな歌でも、どんなにヘタに歌っても、それで顰蹙をかったりしないですわな。「曲を冒涜している」などとは間違っても言われません。
こういうのは尺八だって同じです。都山の「八重衣」は本当に難しい、一番奥の曲だけのことは有ります。「千代の鶯」や「五段砧」も同様です。しかし「残月」は大学2年で吹けますが、もし2年生で「演奏会で残月を吹きたい」と言ったら、仮にも大学ですから、まさかブックラワされはしないでしょうが、先輩のお説教はマズ免れません。
「当たり前だ、手が易しい難しいだけで判断するな」。ゴモットモ。だけど、それなら「末の契り」はどうなんですかい?2年生が演奏会にかけるじゃないですか。「雪」は?プロでもタジログけど、大学1年生が吹いていますぜ。
こういう在り方に賛成とか反対とか言ってるんじゃないですよ。「教授産業」が実践の御稽古の中で、長い時間で定着させた「軽重」ですから、それが思いつきや口から出まかせで決まったものではないのです。
でも、これからは二つの道に分かれる様に思います。
一つは、手が動いて吹ければ何でも舞台にかける。吹ければ良いじゃないの、です。
二つ目は、「軽重」を理解する。アナタ、若い人や外国人に「千鳥の曲」と「夕顔」の吹き方の違いを説明できますか。
「これは重い曲だからキミにはまだ無理だ」と言って、ドウシテと聞き返されて「そうなっている」では通らないと思うんですよ。これからは・・・。
そういった点で「海童道曲」は説明がいりませんな。前の曲をしっかり上げないと次のステップに進めない。まるでピアノのバイエルみたい。
「変ですか?」。そういう事より、「重い曲」なので気安く歌う曲では無く、まして私の様な全く民謡を知らない者が、聞きかじりで歌うようなモノではないらしいのです。
ただ、前提として、民謡を正式に習っていない私にとっては「ちゃんと歌えない」という事ではどの歌だって同じなのです。
この辺りの意味は今は分かります。「江差追分」は尺八で伴奏をつけるなら簡単な曲ですが、「簡単」などと本当の事を言うと顰蹙をかいます。
こういうのは「御稽古産業」ならではの理屈で、「鼎の軽重を問う」の故事そのままに、本当に重要なのは鼎そのものの本当の重さではないのです。一つの体制を成り立たせている「権威」の軽重こそが問われています。
だから「教授産業」の外、たとえばカラオケですと、何でも気楽、自由です。どんな歌でも、どんなにヘタに歌っても、それで顰蹙をかったりしないですわな。「曲を冒涜している」などとは間違っても言われません。
こういうのは尺八だって同じです。都山の「八重衣」は本当に難しい、一番奥の曲だけのことは有ります。「千代の鶯」や「五段砧」も同様です。しかし「残月」は大学2年で吹けますが、もし2年生で「演奏会で残月を吹きたい」と言ったら、仮にも大学ですから、まさかブックラワされはしないでしょうが、先輩のお説教はマズ免れません。
「当たり前だ、手が易しい難しいだけで判断するな」。ゴモットモ。だけど、それなら「末の契り」はどうなんですかい?2年生が演奏会にかけるじゃないですか。「雪」は?プロでもタジログけど、大学1年生が吹いていますぜ。
こういう在り方に賛成とか反対とか言ってるんじゃないですよ。「教授産業」が実践の御稽古の中で、長い時間で定着させた「軽重」ですから、それが思いつきや口から出まかせで決まったものではないのです。
でも、これからは二つの道に分かれる様に思います。
一つは、手が動いて吹ければ何でも舞台にかける。吹ければ良いじゃないの、です。
二つ目は、「軽重」を理解する。アナタ、若い人や外国人に「千鳥の曲」と「夕顔」の吹き方の違いを説明できますか。
「これは重い曲だからキミにはまだ無理だ」と言って、ドウシテと聞き返されて「そうなっている」では通らないと思うんですよ。これからは・・・。
そういった点で「海童道曲」は説明がいりませんな。前の曲をしっかり上げないと次のステップに進めない。まるでピアノのバイエルみたい。
スポンサーサイト