後ろ盾
- 2016/02/21
- 20:45
中国人は金(キン)を買い貯めるとか聞きました。ユダヤ人は宝石に財産を変えるそうですな。そうしておけば、イザという時に身ひとつで逃げられるからだと言います。真実だと言ってるんじゃなくて、いかにも有りそうな話だと思います。たぶん本当にそうしていた時代も有ったのでしょう。
金(カネ)なんか状況によっては信用出来ない、そこへいくと金(キン)や宝石は値打ちが変らないし、何処でも換金できる、そういう考えも有り得ます。特に境遇の不安定な人達にとっては。
国という大きな支えが無くて、世界中に生活の場を求めて散ったユダヤ人や、ほとんどテブラで東南アジアに出て行った華僑の人達の最初の頃の苦労たるや筆舌に尽くしがたいものが有ったに違いありません。
しかもですよ、大きな力の後支えが無いだけに、取り巻く状況の急変が有るとトンデモナイ事に遭遇します。ユダヤ人が大虐殺に見舞われたのはナチスのケースだけではないし、ベトナム戦争後のボートピープルも華僑が多かった。
こういう不安定な境遇に生きていると財産や生命の安全を守るために知恵の限りを尽くす。そう言われればそうという気がします。
しかしですな、たとえ国の後ろ楯が有ったって、イザとなると金というモノは儚くも本来の紙に戻ります。
たとえば終戦直後の日本、1970~80年代の韓国、南北統一後のベトナムとかのインフレ。第一次世界大戦後のドイツに至っては紙幣よりチリ紙の方がまだ高いような状態になりました。イチイチ例を挙げなくても、ダイタイ何処でも同じでしょうが。現金で箪笥預金していたら子供の代にはスッカラカンでっせ。
私の若い頃は、日本が今みたいにデフレで悩むなんて想像もつかなかったですわ。
でもイザとなると人間って大したものですな、覚悟を決めれば後ろ楯をあてにせず、生きていく道を切り開きます。15年チョット前ですが、リストラや会社の倒産で、私の友人知人達が相次いで急激な生活環境の激変に見舞われました。酒につきあったりして話を聞きましたが、「良いナア、オマエは。オレも出来るなら尺八みたいにな、手に職を付けたいや」とか言われると少々違和感を感じました。
私に関して言えば、「勤め人になっておけば良かった」と思った事は一度も有りません。ですが、聞くと尺八で生活している者で、当時でも「サラリーマンの方が良かったと思う瞬間がしばしば有った」と言った人がかなりいました。
ですから、こう言って慰めるのが常でした。
リストラされたと言ってもオマエには失業保険も退職金も有るじゃないか。オレ達尺八屋って、自営といっても店をやってるのとは違う、基本的に明日の全く分からない仕事なんだぜ、日雇いと同じだ。後ろ楯なんか最初から無い、頼れるのは自分だけ。「良いなあ」と思うんだったら、今現在が出発点だ。友達だから協力するぜ。やってみるか?最初の半年か一年はオレが払えるのはコンビニのバイト並、その間は失業保険が有るんだろうから、それで凌げ。その後はオマエの腕次第器量しだいだ。一つ良い点を挙げれば他にバイトしながらでも出来る。尺八業は、複数の収入源のうちの一つと考えるなら、こんな有利なモノは無いよ。
それでやった者もおり、やらなかった者もいる。ですが今現在、何とかならなかった者はいません。皆それなりに生活しています。イザとなると何とかなると言っても、やはり日本国が後ろ楯になっていたんですね。
金(カネ)なんか状況によっては信用出来ない、そこへいくと金(キン)や宝石は値打ちが変らないし、何処でも換金できる、そういう考えも有り得ます。特に境遇の不安定な人達にとっては。
国という大きな支えが無くて、世界中に生活の場を求めて散ったユダヤ人や、ほとんどテブラで東南アジアに出て行った華僑の人達の最初の頃の苦労たるや筆舌に尽くしがたいものが有ったに違いありません。
しかもですよ、大きな力の後支えが無いだけに、取り巻く状況の急変が有るとトンデモナイ事に遭遇します。ユダヤ人が大虐殺に見舞われたのはナチスのケースだけではないし、ベトナム戦争後のボートピープルも華僑が多かった。
こういう不安定な境遇に生きていると財産や生命の安全を守るために知恵の限りを尽くす。そう言われればそうという気がします。
しかしですな、たとえ国の後ろ楯が有ったって、イザとなると金というモノは儚くも本来の紙に戻ります。
たとえば終戦直後の日本、1970~80年代の韓国、南北統一後のベトナムとかのインフレ。第一次世界大戦後のドイツに至っては紙幣よりチリ紙の方がまだ高いような状態になりました。イチイチ例を挙げなくても、ダイタイ何処でも同じでしょうが。現金で箪笥預金していたら子供の代にはスッカラカンでっせ。
私の若い頃は、日本が今みたいにデフレで悩むなんて想像もつかなかったですわ。
でもイザとなると人間って大したものですな、覚悟を決めれば後ろ楯をあてにせず、生きていく道を切り開きます。15年チョット前ですが、リストラや会社の倒産で、私の友人知人達が相次いで急激な生活環境の激変に見舞われました。酒につきあったりして話を聞きましたが、「良いナア、オマエは。オレも出来るなら尺八みたいにな、手に職を付けたいや」とか言われると少々違和感を感じました。
私に関して言えば、「勤め人になっておけば良かった」と思った事は一度も有りません。ですが、聞くと尺八で生活している者で、当時でも「サラリーマンの方が良かったと思う瞬間がしばしば有った」と言った人がかなりいました。
ですから、こう言って慰めるのが常でした。
リストラされたと言ってもオマエには失業保険も退職金も有るじゃないか。オレ達尺八屋って、自営といっても店をやってるのとは違う、基本的に明日の全く分からない仕事なんだぜ、日雇いと同じだ。後ろ楯なんか最初から無い、頼れるのは自分だけ。「良いなあ」と思うんだったら、今現在が出発点だ。友達だから協力するぜ。やってみるか?最初の半年か一年はオレが払えるのはコンビニのバイト並、その間は失業保険が有るんだろうから、それで凌げ。その後はオマエの腕次第器量しだいだ。一つ良い点を挙げれば他にバイトしながらでも出来る。尺八業は、複数の収入源のうちの一つと考えるなら、こんな有利なモノは無いよ。
それでやった者もおり、やらなかった者もいる。ですが今現在、何とかならなかった者はいません。皆それなりに生活しています。イザとなると何とかなると言っても、やはり日本国が後ろ楯になっていたんですね。
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