孫子
- 2016/02/29
- 17:29
私が尺八屋を開業してしばらくは、送った尺八を返品される事が多く、ダイタイ3割か4割有りましたねえ。送っても送っても尺八は製作が間に合わない状態でしたから、返品自体は一向に構わなかったのですが、いったいプロ製管師の返品率ってどのくらい有るのだろうと疑問に思いました。社中に入り込むかして、師匠を通して弟子に売ってもらうケースでは返品の可能性はグンと低くなりますが、フリーの一見客に売った場合です。その頃の私はデビューしたばかりで、ほとんどがフリーの客だったのです。
ところが製管師って親しくなってもナカナカ本当の事を言わないのですよ。「エッ、返品ですか。有りませんよ」ですって。自分にとって都合の悪い事は言う必要が無いですけどね、ある程度は情報を共有する事も大切だと思うんですよ。
話は変わりますが、孫子の兵法って有名ですよね。「己を知り敵を知れば百戦して危うからず」とかは良く知られています。
ところで、この『孫子』ですが、私の大学時代までは誰が書いたか分からなかったのです。候補は二人。
春秋時代に中国の東南の片隅(当時は)に有った呉を一躍強国に伸し上げた孫武か?
その150年ほど後の人で、斉に仕え、戦国前期の最強国家・魏を大いに破り没落させた孫臏か?
1972年に前漢時代の墓から実物が出てきて孫武の作と判明しました。
大学を出てから45年も経てば、若い頃に習った事も次々と覆りますし、また不明だったことが分かることも有ります。ささやかながら尺八に関する「謎」を不肖ワタクシめが次々と実証しましょう。そう思ったわけではモチロン有りませんが、この返品率の問題も、ウソツキ製管師達がゲロしない以上は私が自分で突き止めましょう。そこはそれ、「己を知り敵を知れば百戦して危うからず」。まさに「孫子の兵法」ですわ。
友人に頼んで、または自分で直接、有名製管師から尺八を購入して、それを客にマタ売りしました。全部で40~50本ですが、それで分かりましたよ。プロ製管師がフリー客に売った場合、35~30年前で返品2割です。「返品した」と言う人に聞いてみると、3回くらい送られてくることが多かった様です。私はと言えば、返品した客には、先方の要請が無い限り重ねては送りません。こちらから問い合わせる事も有りません。
今は何処も返品率はもっと下がっています。それは売れない時代の特徴ですね。もうフリーの客があまりいない、一流製管師は自分の顧客をガッチリ掴んでいます。また当時と違い、売れなくなったので在庫が豊富に有り、昔みたいに送るのは一本だけということは無いので、返品の可能性は低まります。
ところで『孫子』の言葉で日本では「風林火山」が非常に有名ですな。この「風林火山」を旗印にした武将といえば武田信玄です。信玄の事を知ろうとすれば『甲陽軍鑑』です。信玄の重臣、高坂弾正が語った内容を書いたことになっていますが、ホントは江戸初期の小幡景憲なのでしょう。
それでも江戸期に成立した数多くの講談まがいの「軍学書」と違って、「ヨタ本」の扱いではなく、ある程度真面目に研究される対象となっています。
武田信玄は戦国期きっての名将ですが、その信玄が「慢心を避ける為にも勝ちは六分の勝が良い」と言っています。六割買ってもらい四割返品だったら尺八屋はたまったものではないですが、そうかと言って返品が本当に無いってのも危険です。返品や客のクレームは製管師にとって自分の尺八を客がどう見ているかを教えてくれるマタと無い機会なのです。
師匠が「はい、これ」と渡していた、返品ゼロの製管師、主に琴古ですが、それがその後どうなったかを見れば明らかでしょう。
私のここ10年の返品率は1割弱です。これがほとんど無い期間は、危険を忘れて、やはり嬉しいですね。
ところが製管師って親しくなってもナカナカ本当の事を言わないのですよ。「エッ、返品ですか。有りませんよ」ですって。自分にとって都合の悪い事は言う必要が無いですけどね、ある程度は情報を共有する事も大切だと思うんですよ。
話は変わりますが、孫子の兵法って有名ですよね。「己を知り敵を知れば百戦して危うからず」とかは良く知られています。
ところで、この『孫子』ですが、私の大学時代までは誰が書いたか分からなかったのです。候補は二人。
春秋時代に中国の東南の片隅(当時は)に有った呉を一躍強国に伸し上げた孫武か?
その150年ほど後の人で、斉に仕え、戦国前期の最強国家・魏を大いに破り没落させた孫臏か?
1972年に前漢時代の墓から実物が出てきて孫武の作と判明しました。
大学を出てから45年も経てば、若い頃に習った事も次々と覆りますし、また不明だったことが分かることも有ります。ささやかながら尺八に関する「謎」を不肖ワタクシめが次々と実証しましょう。そう思ったわけではモチロン有りませんが、この返品率の問題も、ウソツキ製管師達がゲロしない以上は私が自分で突き止めましょう。そこはそれ、「己を知り敵を知れば百戦して危うからず」。まさに「孫子の兵法」ですわ。
友人に頼んで、または自分で直接、有名製管師から尺八を購入して、それを客にマタ売りしました。全部で40~50本ですが、それで分かりましたよ。プロ製管師がフリー客に売った場合、35~30年前で返品2割です。「返品した」と言う人に聞いてみると、3回くらい送られてくることが多かった様です。私はと言えば、返品した客には、先方の要請が無い限り重ねては送りません。こちらから問い合わせる事も有りません。
今は何処も返品率はもっと下がっています。それは売れない時代の特徴ですね。もうフリーの客があまりいない、一流製管師は自分の顧客をガッチリ掴んでいます。また当時と違い、売れなくなったので在庫が豊富に有り、昔みたいに送るのは一本だけということは無いので、返品の可能性は低まります。
ところで『孫子』の言葉で日本では「風林火山」が非常に有名ですな。この「風林火山」を旗印にした武将といえば武田信玄です。信玄の事を知ろうとすれば『甲陽軍鑑』です。信玄の重臣、高坂弾正が語った内容を書いたことになっていますが、ホントは江戸初期の小幡景憲なのでしょう。
それでも江戸期に成立した数多くの講談まがいの「軍学書」と違って、「ヨタ本」の扱いではなく、ある程度真面目に研究される対象となっています。
武田信玄は戦国期きっての名将ですが、その信玄が「慢心を避ける為にも勝ちは六分の勝が良い」と言っています。六割買ってもらい四割返品だったら尺八屋はたまったものではないですが、そうかと言って返品が本当に無いってのも危険です。返品や客のクレームは製管師にとって自分の尺八を客がどう見ているかを教えてくれるマタと無い機会なのです。
師匠が「はい、これ」と渡していた、返品ゼロの製管師、主に琴古ですが、それがその後どうなったかを見れば明らかでしょう。
私のここ10年の返品率は1割弱です。これがほとんど無い期間は、危険を忘れて、やはり嬉しいですね。
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