日本刀
- 2014/11/16
- 12:13
日本刀は日本の匠の技の精華だという様なことが言われます。現在の様に選ばれた人だけが「鉄の美術品」として作っている日本刀だけに限れば確かにそうなのでしょう。
しかし良い物だけを選んで「日本人の優れたところ」とか言うのは少し不公平な気がします。
私の子供の頃、技能オリンピックで日本は金メダルのオンパレード、独断場の感が有りましたが、やがて韓国に抜かれ、今や話題にも上らなくなりました。
反対に悪い物だけ取り上げて「やっぱりX国製は粗悪だ」と言うのもチョットどうかと思いますね。私の子供の頃は、欧米では「日本製品は安いだけで粗悪だ」と相場が決まっていました。そんなこと60代以上の日本人は皆が憶えていますよ。
日本刀の製作は、日本では西洋のようにコークスを熱源として使えなかった為、フイゴを使用しても1200度程度の炭を使って鍛刀するしかありません。その為、叩いては折り、また叩いては折るを繰り返して鉄の中の不純物を飛ばしたのです。そして砥ぎの工程、それらが不十分ですと、いわゆるナマクラガタナと言われる物になります。昔は村の鍛冶屋や半端刀工が大量に作っていました。
ナマクラだろうと別に支障が無かったのは、江戸時代すでに日本刀は装飾品であって実用品では無かったからです。武士が刀を抜くなんて実際には考えられないし、実用に役立てたのは、むしろヤクザのほうが多いのではないでしょうか。それも殺傷の道具としてより脅しの道具として使われた事のほうが、はるかに多かったはずです。
名高い刀匠の鍛えた刀は身分の有る侍の所有物になりますから、まして実際に使われるわけが有りません。罪人を切る時に試し切りしたとかも聞きますが、どうなんでしょうかね・・・
落語に有りますよね、侍が刀の切れ味を試したくて夜毎に乞食を辻斬りにかけたら、ある晩、逆にとっ捕まって「この野郎、人を毎晩殴りやがって、今日は勘弁しねえぞ」 要するに、いくら刀が良くても使う方の腕が悪ければ駄目という事で、ホンマに尺八とそっくりですわ。
「家に古い尺八が有るけど鑑定してもらえないだろうか?」 こういう依頼がよく有りますが、実際に見せてもらうと八割がたは素人がその辺の山の竹で作った物です。それに古いと言っても昭和10年、20年代です。中も節を抜いただけ、まあ、中学1年の夏休みの工作くらいの物で、ガラクタですから当然値段など付きません。
日本刀が鍛刀と砥ぎに技術の粋が有る様に、尺八も歌口と内径の製作こそ楽器としての生命です。節を抜いただけの尺八は、日本刀で言えば鉄板を打ち抜いて形を作り、それに刃を付けただけのものです
刀の「拵え」に当たるのが尺八の外形製作です。尺八は素人でも偶然に名器が出来ることは有ります。たまたま内径や歌口が正確に出来る場合は有りますから。
しかし外形細工が偶然に上手く出来ることは100パーセントありません。
しかし良い物だけを選んで「日本人の優れたところ」とか言うのは少し不公平な気がします。
私の子供の頃、技能オリンピックで日本は金メダルのオンパレード、独断場の感が有りましたが、やがて韓国に抜かれ、今や話題にも上らなくなりました。
反対に悪い物だけ取り上げて「やっぱりX国製は粗悪だ」と言うのもチョットどうかと思いますね。私の子供の頃は、欧米では「日本製品は安いだけで粗悪だ」と相場が決まっていました。そんなこと60代以上の日本人は皆が憶えていますよ。
日本刀の製作は、日本では西洋のようにコークスを熱源として使えなかった為、フイゴを使用しても1200度程度の炭を使って鍛刀するしかありません。その為、叩いては折り、また叩いては折るを繰り返して鉄の中の不純物を飛ばしたのです。そして砥ぎの工程、それらが不十分ですと、いわゆるナマクラガタナと言われる物になります。昔は村の鍛冶屋や半端刀工が大量に作っていました。
ナマクラだろうと別に支障が無かったのは、江戸時代すでに日本刀は装飾品であって実用品では無かったからです。武士が刀を抜くなんて実際には考えられないし、実用に役立てたのは、むしろヤクザのほうが多いのではないでしょうか。それも殺傷の道具としてより脅しの道具として使われた事のほうが、はるかに多かったはずです。
名高い刀匠の鍛えた刀は身分の有る侍の所有物になりますから、まして実際に使われるわけが有りません。罪人を切る時に試し切りしたとかも聞きますが、どうなんでしょうかね・・・
落語に有りますよね、侍が刀の切れ味を試したくて夜毎に乞食を辻斬りにかけたら、ある晩、逆にとっ捕まって「この野郎、人を毎晩殴りやがって、今日は勘弁しねえぞ」 要するに、いくら刀が良くても使う方の腕が悪ければ駄目という事で、ホンマに尺八とそっくりですわ。
「家に古い尺八が有るけど鑑定してもらえないだろうか?」 こういう依頼がよく有りますが、実際に見せてもらうと八割がたは素人がその辺の山の竹で作った物です。それに古いと言っても昭和10年、20年代です。中も節を抜いただけ、まあ、中学1年の夏休みの工作くらいの物で、ガラクタですから当然値段など付きません。
日本刀が鍛刀と砥ぎに技術の粋が有る様に、尺八も歌口と内径の製作こそ楽器としての生命です。節を抜いただけの尺八は、日本刀で言えば鉄板を打ち抜いて形を作り、それに刃を付けただけのものです
刀の「拵え」に当たるのが尺八の外形製作です。尺八は素人でも偶然に名器が出来ることは有ります。たまたま内径や歌口が正確に出来る場合は有りますから。
しかし外形細工が偶然に上手く出来ることは100パーセントありません。
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