けしの花
- 2016/04/10
- 21:33
菊岡検校作曲の「けしの花」、こんな可憐な曲はちょっと無いですね。尺八の練習では比較的初期にやる曲で、「黒髪」、「六段」、「千鳥」と進んで「新高砂」、「八千代獅子」を終えて次くらいの順で稽古します。
私達のクラブでは、「夕顔」、「末の契」と並んで「中伝三曲」と呼んでいて、ダイタイ尺八を持って1年以内にはマスターする曲とされていました。
この曲を嫌いと言う人はあまりいないと思います。「末の契」にくらべ手が平易で、なおかつ「ままの川」みたいな辛気臭い雰囲気が無く、メロディがすぐ頭に入るので、大人気曲の「夕顔」ととも、大学の2年度では一番多く吹かれていたように思います。
この「けしの花」ですが、いざ三曲合奏をする段になって首を捻った事ありませんか?都山の譜面で合わせると、謎の2拍が出て、箏と合わなくなるのです。これはもう40年も前の事ですから、あるいは今は直っているのかも知れません。
私の大学の糸方は宮城系ですが、どうしてそうなったのかは分かりません。拍子の辻褄を合わせるなんてことは簡単ですが、そういう問題では無く、どうしてそうなったのという理由です。偶然、大阪から上京していて、その場に居合わせた倉橋(今の容堂)や藤田都志先生も首を捻っていました。
もっと特殊な曲とか、マイナーな流派なら有り得ることですがね。都山と宮城、そして有名曲で一致しなかったので驚きました。こういうミステリーは他にも「松竹梅」とか「みだれ」とかにも有って、『地歌、箏曲の謎』とかで本にしたら面白いですね。
「けしの花」は可憐でゆかしい女性への、そこはかとない恋心を歌ったものです。さて、ここで話が飛びますが、一般には「けしの花」という言葉は良いイメージを持たれていませんね。
言うまでも無い事。アヘンを思いうかべるからですわ。厳密には全く同じではないのですが、今の人のイメージを支配しているのはアヘンでしょう。
タイ、ビルマ、ラオスの国境を接する通称ゴールデントライアングル。名前は有名ですが、実際に行った人はほとんどいないはずです。どこの主権も及ばないアヤフヤな地域で山岳民族が芥子を栽培しています。共通通貨として黄金で代金決済をしたのが、こういう地名の由来です。
私も「行った」という知り合いは一人だけ。35年くらい前ですが、友人の一級建築士が不良仲間と行ったと言います。「そんなに特殊な土地という感じではなかった」と言っていましたが、他の換金作物が採れないからアへンの材料を栽培しているのでしょうし、しょせん材料の段階ですから、実際の麻薬取引(モチロン見た事は有りませんが)みたいに物騒ではないのかも知れないですね。
菊岡検校の晩年に日本の歴史をも震撼させたアヘン戦争が起こります。このショックが明治維新を引き起こした思想的な切っ掛けだとも言われます。
でも、この曲が流行っていた頃の日本にはアヘンに恐ろしいイメージは無かったと思います。まして「けしの花」を聴いてアヘンを連想した人も、いたとしてホンの僅かです。
私達のクラブでは、「夕顔」、「末の契」と並んで「中伝三曲」と呼んでいて、ダイタイ尺八を持って1年以内にはマスターする曲とされていました。
この曲を嫌いと言う人はあまりいないと思います。「末の契」にくらべ手が平易で、なおかつ「ままの川」みたいな辛気臭い雰囲気が無く、メロディがすぐ頭に入るので、大人気曲の「夕顔」ととも、大学の2年度では一番多く吹かれていたように思います。
この「けしの花」ですが、いざ三曲合奏をする段になって首を捻った事ありませんか?都山の譜面で合わせると、謎の2拍が出て、箏と合わなくなるのです。これはもう40年も前の事ですから、あるいは今は直っているのかも知れません。
私の大学の糸方は宮城系ですが、どうしてそうなったのかは分かりません。拍子の辻褄を合わせるなんてことは簡単ですが、そういう問題では無く、どうしてそうなったのという理由です。偶然、大阪から上京していて、その場に居合わせた倉橋(今の容堂)や藤田都志先生も首を捻っていました。
もっと特殊な曲とか、マイナーな流派なら有り得ることですがね。都山と宮城、そして有名曲で一致しなかったので驚きました。こういうミステリーは他にも「松竹梅」とか「みだれ」とかにも有って、『地歌、箏曲の謎』とかで本にしたら面白いですね。
「けしの花」は可憐でゆかしい女性への、そこはかとない恋心を歌ったものです。さて、ここで話が飛びますが、一般には「けしの花」という言葉は良いイメージを持たれていませんね。
言うまでも無い事。アヘンを思いうかべるからですわ。厳密には全く同じではないのですが、今の人のイメージを支配しているのはアヘンでしょう。
タイ、ビルマ、ラオスの国境を接する通称ゴールデントライアングル。名前は有名ですが、実際に行った人はほとんどいないはずです。どこの主権も及ばないアヤフヤな地域で山岳民族が芥子を栽培しています。共通通貨として黄金で代金決済をしたのが、こういう地名の由来です。
私も「行った」という知り合いは一人だけ。35年くらい前ですが、友人の一級建築士が不良仲間と行ったと言います。「そんなに特殊な土地という感じではなかった」と言っていましたが、他の換金作物が採れないからアへンの材料を栽培しているのでしょうし、しょせん材料の段階ですから、実際の麻薬取引(モチロン見た事は有りませんが)みたいに物騒ではないのかも知れないですね。
菊岡検校の晩年に日本の歴史をも震撼させたアヘン戦争が起こります。このショックが明治維新を引き起こした思想的な切っ掛けだとも言われます。
でも、この曲が流行っていた頃の日本にはアヘンに恐ろしいイメージは無かったと思います。まして「けしの花」を聴いてアヘンを連想した人も、いたとしてホンの僅かです。
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