ピンチはチャンス
- 2016/04/29
- 22:54
去年の後半から私の所は需要が増え続けています。このままのペースですと去年より年間百本近く多くなる見通しです。
ここで早くもピンチです。作れば作るだけ売れるので、生産が注文に追い付かなくなっています。機会損失は早くも出始めました。
一人の職人を養成するのに年単位ですし、一人前になった時に売れなくなっていたらどうしようとの不安は常に有りました。
明日からの注文状況が皆目分からないのは尺八業の宿命ですから、今さらグチるだけヤボですが、半身が不自由になって、しかも66になった私には、もう新人養成の時間も意欲も無いのです。
いろいろ考えまして、結果、外国向けには中古尺八を出すしかないだろうと思っています。幸い、中古尺八の唯一の専門店である「ね色」の石田さんとは親しいので、話を持ちかけました。
程度の良い中古尺八を仕入れ、尺八界唯一の修理専門店である弟の遼山工房で十分の修理を施した上で、尺八を楽器として見る海外市場に持って行く、今はこの方法が良いのではないかと思っています。
日本では、前は尺八を楽器として見ない人が多かったのですが、ここでも変わりはじめました。前は割れた尺八は売れなかったのですが、この頃は割れた尺八から売れていきます。同じ物が、割れ止めが入っているだけで15%安いですからね。
きちんと直した尺八なら日本市場でも中古が売れるかなとも思います。
尺八市場の様相が変わってしまいました。今の時代、良かろうと名前が有ろうと、高い、そう15万円を超える尺八は全く売れなくなってしまいました。
高額尺八も今しばらくは少しは売れますが、もう間も無く高級車と同じ感覚でしか売れなくなります。つまり、品質で抜群の信用か、カルト的ファンを持たない大方の製管師は「終わった」のです。
個人的に私に「どうすれば良いのか?」と相談してきた人達で技能未熟者はいないと言って良いですが、価格が半分にならないと売れないというのが私の判断です。
だけど、売値を半額にして2倍数が売れるまでの期間、今は持ちこたえられないでしょう。単なるダウンピングになってしまって生活不能になるでしょうね。
だから言わないこっちゃ無い。25年も前から警告してたでしょう。
そう言って、事が済むなら簡単ですね。でも、このピンチ、潜り抜けられた尺八屋は異次元に生まれ変わりますよ。また、そうでなければ尺八も新しいステージで生きられないと思います。左様、人間、追い詰められると途方もない知恵が出る。ピンチはチャンスなのです。
製管師がドンブリ勘定で大金を稼いでいた35年前。「ナニ、29800円で尺八を作るだと。無理無理」
ドンブリでもまだ稼げた30年前。「修理専門だと。必要ない。製管師がやっている」
もう稼げなくなった25年前。「中古尺八を専門に扱う店だと。尺八吹きは行かないよ。お古なんて嫌だもん」
これ全部が稼げるビジネスになっています。そして私はその三っの企業の得意技を組み合わせてピンチを脱しようと考えています。
ここで早くもピンチです。作れば作るだけ売れるので、生産が注文に追い付かなくなっています。機会損失は早くも出始めました。
一人の職人を養成するのに年単位ですし、一人前になった時に売れなくなっていたらどうしようとの不安は常に有りました。
明日からの注文状況が皆目分からないのは尺八業の宿命ですから、今さらグチるだけヤボですが、半身が不自由になって、しかも66になった私には、もう新人養成の時間も意欲も無いのです。
いろいろ考えまして、結果、外国向けには中古尺八を出すしかないだろうと思っています。幸い、中古尺八の唯一の専門店である「ね色」の石田さんとは親しいので、話を持ちかけました。
程度の良い中古尺八を仕入れ、尺八界唯一の修理専門店である弟の遼山工房で十分の修理を施した上で、尺八を楽器として見る海外市場に持って行く、今はこの方法が良いのではないかと思っています。
日本では、前は尺八を楽器として見ない人が多かったのですが、ここでも変わりはじめました。前は割れた尺八は売れなかったのですが、この頃は割れた尺八から売れていきます。同じ物が、割れ止めが入っているだけで15%安いですからね。
きちんと直した尺八なら日本市場でも中古が売れるかなとも思います。
尺八市場の様相が変わってしまいました。今の時代、良かろうと名前が有ろうと、高い、そう15万円を超える尺八は全く売れなくなってしまいました。
高額尺八も今しばらくは少しは売れますが、もう間も無く高級車と同じ感覚でしか売れなくなります。つまり、品質で抜群の信用か、カルト的ファンを持たない大方の製管師は「終わった」のです。
個人的に私に「どうすれば良いのか?」と相談してきた人達で技能未熟者はいないと言って良いですが、価格が半分にならないと売れないというのが私の判断です。
だけど、売値を半額にして2倍数が売れるまでの期間、今は持ちこたえられないでしょう。単なるダウンピングになってしまって生活不能になるでしょうね。
だから言わないこっちゃ無い。25年も前から警告してたでしょう。
そう言って、事が済むなら簡単ですね。でも、このピンチ、潜り抜けられた尺八屋は異次元に生まれ変わりますよ。また、そうでなければ尺八も新しいステージで生きられないと思います。左様、人間、追い詰められると途方もない知恵が出る。ピンチはチャンスなのです。
製管師がドンブリ勘定で大金を稼いでいた35年前。「ナニ、29800円で尺八を作るだと。無理無理」
ドンブリでもまだ稼げた30年前。「修理専門だと。必要ない。製管師がやっている」
もう稼げなくなった25年前。「中古尺八を専門に扱う店だと。尺八吹きは行かないよ。お古なんて嫌だもん」
これ全部が稼げるビジネスになっています。そして私はその三っの企業の得意技を組み合わせてピンチを脱しようと考えています。
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