水とぎ
- 2016/06/01
- 22:50
尺八の製作法に「水とぎ(水研ぎ)」という技法が有ります。竹の内部に下地(したじ)とよぶ物を詰めるのは何処も同じです。当然のことながら「地無し尺八」には下地を使わないですが、ここでは言及しません。
下地が乾いたらヤスリや紙ヤスリで削るのですが、ここで製管師によって「水とぎ工程」が入ります。
それも人によって、時どき尺八を水に漬けながら作業する人から、文字通り水の中で作業(尺八をですよ)すると言った方が良い人までマチマチです。この「水とぎ」の名手達を挙げると、古いところで横山蘭畝、河野玉水、あと中村銀越、三塚泉州とかがそうです。
その反面、「水とぎ」はイカン」と言う人もいます。代表は玉井竹仙でした。
よく「せっかく竹を乾燥させたのに水に漬けるって変じゃないですか?」と聞いてくる素人さんがいますが、竹を陰干ししているのは竹の組織を完全に殺して安定状態にする為であって、その後で水に入れても組織は復活したりしません。
これって、どっちが良いという事はありません。ただ竹仙のように下地に膠を使うと、水に溶けるので水とぎは相応しくないですね。この「膠地」は早作りの代表的なものですが、臭いというネックが有ります。
水とぎも早い。ただ何となく「水に漬けて大丈夫なの?」という気がするのも事実です。
今の製管師同士って別段秘密主義でもないし、一度身についた技術を頑固に変えない人種でもありません。少なくとも一流ともなれば日々研究、工夫しています。
それでいて、多くは、こういう所となると、こっそり自分でやってみるくらいです。ですから、基本的には上手くいきませんね。どんな簡単そうに思える工程でも、実際にやってみると上手くいかない所に当たります。キモの部分が有るからですわ。こういうところを気楽に「ねえ、どうなってんの、教えて」、「ああ、良いよ」という関係をタクサン持っている者ほど強いですね。
外国人の製管師と話していて面食らうのは連中の頑固さです。全部の人を知っているわけではモチロンないですが、世界が狭いと頑固になりますね。聞きたくとも周辺に聞く相手がいないですもの・・・。
日本の場合、たくさんいるし、昔はもっといたんですがね。でも、その頃の製管師はメンツを重視するあまり自分で世界を狭くしていました。
今、秘密にしてまで守らなければならない技法って有ると思いますか?絶対有りませんよ。ですから今の人達は気楽に教え合っています。
水とぎでしたね。私の所ではやっていません。今は。前はやった時期も有ります。ですから、またやるかも知れません。私、思うんですが、長期の修行の一番の欠点は柔軟性を失うことではないかと・・・。
「水とぎ」で立派な尺八を作っている人がいます。そして「水とぎ」に反対していて素晴らしい尺八を作っている人もいます。だから「伝統芸」の中でも尺八製作は未来に希望が持てるんですよ。
下地が乾いたらヤスリや紙ヤスリで削るのですが、ここで製管師によって「水とぎ工程」が入ります。
それも人によって、時どき尺八を水に漬けながら作業する人から、文字通り水の中で作業(尺八をですよ)すると言った方が良い人までマチマチです。この「水とぎ」の名手達を挙げると、古いところで横山蘭畝、河野玉水、あと中村銀越、三塚泉州とかがそうです。
その反面、「水とぎ」はイカン」と言う人もいます。代表は玉井竹仙でした。
よく「せっかく竹を乾燥させたのに水に漬けるって変じゃないですか?」と聞いてくる素人さんがいますが、竹を陰干ししているのは竹の組織を完全に殺して安定状態にする為であって、その後で水に入れても組織は復活したりしません。
これって、どっちが良いという事はありません。ただ竹仙のように下地に膠を使うと、水に溶けるので水とぎは相応しくないですね。この「膠地」は早作りの代表的なものですが、臭いというネックが有ります。
水とぎも早い。ただ何となく「水に漬けて大丈夫なの?」という気がするのも事実です。
今の製管師同士って別段秘密主義でもないし、一度身についた技術を頑固に変えない人種でもありません。少なくとも一流ともなれば日々研究、工夫しています。
それでいて、多くは、こういう所となると、こっそり自分でやってみるくらいです。ですから、基本的には上手くいきませんね。どんな簡単そうに思える工程でも、実際にやってみると上手くいかない所に当たります。キモの部分が有るからですわ。こういうところを気楽に「ねえ、どうなってんの、教えて」、「ああ、良いよ」という関係をタクサン持っている者ほど強いですね。
外国人の製管師と話していて面食らうのは連中の頑固さです。全部の人を知っているわけではモチロンないですが、世界が狭いと頑固になりますね。聞きたくとも周辺に聞く相手がいないですもの・・・。
日本の場合、たくさんいるし、昔はもっといたんですがね。でも、その頃の製管師はメンツを重視するあまり自分で世界を狭くしていました。
今、秘密にしてまで守らなければならない技法って有ると思いますか?絶対有りませんよ。ですから今の人達は気楽に教え合っています。
水とぎでしたね。私の所ではやっていません。今は。前はやった時期も有ります。ですから、またやるかも知れません。私、思うんですが、長期の修行の一番の欠点は柔軟性を失うことではないかと・・・。
「水とぎ」で立派な尺八を作っている人がいます。そして「水とぎ」に反対していて素晴らしい尺八を作っている人もいます。だから「伝統芸」の中でも尺八製作は未来に希望が持てるんですよ。
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