動員
- 2016/06/20
- 23:15
私は全国展示会を毎年7~9回開いていますが、場所の設定で一番気をつけているのは、都山流尺八楽会の講習会とバッティングしないようにという点です。
衰えたとは言え、今でも楽会は尺八界随一の動員力を持っています。その講習会が展示会の当日にぶつかろうものなら、もろに来客に影響が出ます。大都市では分母が大きいので、講習会に参加する人を期待値から外しても大過無いですが、地方に行くほど影響は大きいのです。
15年前に一度だけ事態を甘く考えて新潟でぶつかってしまいました。日曜の朝、講師の小山菁山先生の泊まっていたホテルに挨拶に伺いましたが、「なんか仕事の邪魔をしちゃったみたいだなあ」と言われました。けど悪いのは知っていて強行した私です。ナルホド前日はマアマアでしたが、当日の日曜は見事に閑古鳥が鳴きました。
動員力とは人数の多寡が一番大きいにしても、それだけでは有りません。組織の強さが重要な条件です。ですから、前の様な怖さこそ無いものの、楽会の動向は一番に気になります。
話し変わって、国民皆兵を採っているスイスやイスラエルはイッタン有事ともなれば全人口の12パーセントを戦闘員として動員できると言われます。この数字の異様さは、太平洋戦争の全期を通して日本が動員したのが人口の8パーセントで、それはもう社会から若い男が消え、女こども老人まで生産に動員しても経済がマヒした経験を見ても分かります。
戦国時代、兵農分離が起きてからの動員力は、普通は一万石あたり兵250人の半役だと言われます。いろいろな事情でもっと兵が必要な場合には農民を徴兵して最大500人の全役にまで上げるのですが、平均で全人口の6パーセント程度だった全役など農業生産に支障をきたすので、余程の短期間しか出来るものでは有りません。
中国の三国時代には人口の10パーセントが動員兵力だったそうですが、そういう状態が数十年続いた結果、三国時代は中国史上最大の人口減少期になってしまいました。
動員って計画も実行も難しいのです。
尺八の場合、師匠の力の極めて強かった鈴慕会の全盛期で会員の半分です。この半分を達成する為に青木先生は、かなり長期にわたって「これは極めて大切な行事です。会員は絶対に出なければなりません」とプレッシャーをかけ続けました。
国家権力による強制でも無ければ、この数字はかなりハードルが高いと言えます。でも、これに近い数値をかつての楽会はベツダンの強制も無く達成していました。
見落としてはいけない点は、かつての都山流は地方での組織は地縁に基ずく人間関係が大きな要素になっていたということです。
浄土真宗に八代教主・蓮如がいなければ今頃は無いですよ。この蓮如の組織した「講」と都山は似てますね。曹洞宗も東西浄土真宗に次ぐ勢力にしたのは瑩山がいたればこそです。組織を形成する能力がかくも重要ですわ。
組織の後押しが有ればこそ個人では出来ない大きなイベントを実行する事も可能です。今みたいに尺八吹きがバラバラになると、今後は大きな事が何一つやれなくなりますぜ。新しい時代に合った組織論もそろそろ考える時期ではないですかね。
衰えたとは言え、今でも楽会は尺八界随一の動員力を持っています。その講習会が展示会の当日にぶつかろうものなら、もろに来客に影響が出ます。大都市では分母が大きいので、講習会に参加する人を期待値から外しても大過無いですが、地方に行くほど影響は大きいのです。
15年前に一度だけ事態を甘く考えて新潟でぶつかってしまいました。日曜の朝、講師の小山菁山先生の泊まっていたホテルに挨拶に伺いましたが、「なんか仕事の邪魔をしちゃったみたいだなあ」と言われました。けど悪いのは知っていて強行した私です。ナルホド前日はマアマアでしたが、当日の日曜は見事に閑古鳥が鳴きました。
動員力とは人数の多寡が一番大きいにしても、それだけでは有りません。組織の強さが重要な条件です。ですから、前の様な怖さこそ無いものの、楽会の動向は一番に気になります。
話し変わって、国民皆兵を採っているスイスやイスラエルはイッタン有事ともなれば全人口の12パーセントを戦闘員として動員できると言われます。この数字の異様さは、太平洋戦争の全期を通して日本が動員したのが人口の8パーセントで、それはもう社会から若い男が消え、女こども老人まで生産に動員しても経済がマヒした経験を見ても分かります。
戦国時代、兵農分離が起きてからの動員力は、普通は一万石あたり兵250人の半役だと言われます。いろいろな事情でもっと兵が必要な場合には農民を徴兵して最大500人の全役にまで上げるのですが、平均で全人口の6パーセント程度だった全役など農業生産に支障をきたすので、余程の短期間しか出来るものでは有りません。
中国の三国時代には人口の10パーセントが動員兵力だったそうですが、そういう状態が数十年続いた結果、三国時代は中国史上最大の人口減少期になってしまいました。
動員って計画も実行も難しいのです。
尺八の場合、師匠の力の極めて強かった鈴慕会の全盛期で会員の半分です。この半分を達成する為に青木先生は、かなり長期にわたって「これは極めて大切な行事です。会員は絶対に出なければなりません」とプレッシャーをかけ続けました。
国家権力による強制でも無ければ、この数字はかなりハードルが高いと言えます。でも、これに近い数値をかつての楽会はベツダンの強制も無く達成していました。
見落としてはいけない点は、かつての都山流は地方での組織は地縁に基ずく人間関係が大きな要素になっていたということです。
浄土真宗に八代教主・蓮如がいなければ今頃は無いですよ。この蓮如の組織した「講」と都山は似てますね。曹洞宗も東西浄土真宗に次ぐ勢力にしたのは瑩山がいたればこそです。組織を形成する能力がかくも重要ですわ。
組織の後押しが有ればこそ個人では出来ない大きなイベントを実行する事も可能です。今みたいに尺八吹きがバラバラになると、今後は大きな事が何一つやれなくなりますぜ。新しい時代に合った組織論もそろそろ考える時期ではないですかね。
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