融通
- 2016/07/01
- 22:46
大学を出た翌年、1974年は一番頻繁に韓国へ行った年です。銭儲けが面白くてね、それはもう多い時には1ヶ月に3回行きました。当時の韓国は行く為には、いちいち韓国大使館に行ってビザを採らなければならず厄介でした。
その頃の韓国大使館は今と違う場所に有りました。広尾の駅から有栖川公園を左に見て南部坂を上がります。早合点しなさんな、南部坂と言っても、忠臣蔵の名シーン「南部坂雪の別れ」での日本一有名になった坂、赤坂の南部坂とは違いまっせ。
ともかく坂を上がりきって右に折れる、ダイタイ駅から10分の所に有りました。
ビザは申請は本人が行かねばなりませんでした。翌日の受け取りは本人でなくとも良いのですが、頼む人もいないので受け取りも自分で行きました。
頻繁に行っているうちに、20代の大使館員Pさんと顔見知りになり、いろいろ話もしましたが、ある時に昼食に誘われました。Pさんと大使館員の若い女性2人と10分くらい歩いた所に有った韓国料理店まで行きました。途中に何軒か韓国料理店は有ったのですが、わざわざ遠い店へ行ったわけはスグ分かりましたよ。2百円のランチ、これ自体でも安かったのですが、焼肉大盛、たぶん普通の客の倍量ですよ。大使館員に対する大サービスでした。
その時に韓国の習慣、「同性不婚」について聞きました。本当は「同本不婚」が正しいのです。姓が同じであっても本貫が違えば結婚には何の問題も有りません。反対に姓が違っても本貫が同じ場合、たとえば金海金と金海許の様に通婚しないということも有ります。
韓国は「石を投げれば金さんに当たる」と言うくらいに金姓が多いのです。もし金さん同士では結婚出来ないなら社会問題になってしまいますわ。
Pさんの姓にしても嘘か真か、たぶん嘘ですが新羅の初代王様の姓ですし、すごく多いです。それでも結婚にあまり支障が無いのは幾つもの本貫、すなわち先祖の違いが有るからです。ですから人数の多い姓でも結婚の心配は無いのですが、無論例外は有りますよ。例えば韓姓は人数が多いのに本貫は清州一つだけです。
こういう知識は大学時代には持っていました。私の知りたかったのは、「同姓同本」でなおかつ好きになって結婚したかったらどうするのかという事でした。
Pさんは食事が終わって大使館に帰ると、私に1枚の資料をくれました。大使館ですから、実際にそういう相談を持ちこまれるのでしょう。
そこに書いて有った事。韓国では法律上は認められない。(ちなみに当時から北朝鮮では問題は有りませんでした)。でも事実婚で支障無く社会生活を送れる。財産の所有に関しても幾つも方法が有り、あまり表だっての問題は無いというものでした。
要するに、実際の生活では融通を効かせるということですね。
日本の江戸時代。私の住んでいる近くには箱根の関所が有りました。「入り鉄砲、出おんな」には厳しかったのですが、それ以外には融通が効きました。
たとえば近所の農民が手形無しに関越えをする場合。「関の向こうに用事が有りまして・・・。」。すると役人は「ならん、ならん、関所を何と心得る」と言いながら、行きたい方向に追い出しました。
どんな法律も実情に合わなくなる時が来ます。その場合、融通が人間の知恵ですな。
尺八音楽の融通性。洋楽に比べて「融通だらけ」とも言えます。30年くらい前から都山楽会は都山流本曲に「基本形」という事を言い出しました。譜面に細かい指示が書いてあります。この当否は楽会所属の人達は大声で言うことが出来ません。支持あるいは賛成であれば何も当否に対して沈黙する必要はないですな・・・。
ほとんどの人が「懐疑的」、中には「基本形は高平さんによるデッチアゲ」とはっきり言う人もいます。言っときますが、これは楽会員についての話です。連盟、新都山の人について言うわけないですよ。理由は?尺八吹き相手には説明はいらないのですが、この私のブログの読者は、有難い事に洋楽の方も多いのでイチオウ説明します。楽会以外には賛同者なんてソモソモ一人だっているはずないのですよ。
でも私はあえて一部賛同します。洋楽、例えばクラシックの譜面を見たら詳細な支持の書き込みが有りますな。その多くは作曲者の意志ですが、都山流本曲の場合は作曲者の意志は不明です。ですから皆が、私を含めて懐疑的なのですが、ここへ来て、副次的な効果が大きく出てきました。
昔の尺八家って譜面の指示通りに吹けなかったのです。融通姓だけで成り立っている音楽ばかりやっていたからです。それで洋楽の演奏家や作曲家に嫌がられていました。
それが、このところ楽会の人は、プロでなくとも吹けるのですよ。これは正直言って予想外でした。融通が無いと問題ですが、融通オンリーでもどうかと思いますが、いかがでしょうか?
その頃の韓国大使館は今と違う場所に有りました。広尾の駅から有栖川公園を左に見て南部坂を上がります。早合点しなさんな、南部坂と言っても、忠臣蔵の名シーン「南部坂雪の別れ」での日本一有名になった坂、赤坂の南部坂とは違いまっせ。
ともかく坂を上がりきって右に折れる、ダイタイ駅から10分の所に有りました。
ビザは申請は本人が行かねばなりませんでした。翌日の受け取りは本人でなくとも良いのですが、頼む人もいないので受け取りも自分で行きました。
頻繁に行っているうちに、20代の大使館員Pさんと顔見知りになり、いろいろ話もしましたが、ある時に昼食に誘われました。Pさんと大使館員の若い女性2人と10分くらい歩いた所に有った韓国料理店まで行きました。途中に何軒か韓国料理店は有ったのですが、わざわざ遠い店へ行ったわけはスグ分かりましたよ。2百円のランチ、これ自体でも安かったのですが、焼肉大盛、たぶん普通の客の倍量ですよ。大使館員に対する大サービスでした。
その時に韓国の習慣、「同性不婚」について聞きました。本当は「同本不婚」が正しいのです。姓が同じであっても本貫が違えば結婚には何の問題も有りません。反対に姓が違っても本貫が同じ場合、たとえば金海金と金海許の様に通婚しないということも有ります。
韓国は「石を投げれば金さんに当たる」と言うくらいに金姓が多いのです。もし金さん同士では結婚出来ないなら社会問題になってしまいますわ。
Pさんの姓にしても嘘か真か、たぶん嘘ですが新羅の初代王様の姓ですし、すごく多いです。それでも結婚にあまり支障が無いのは幾つもの本貫、すなわち先祖の違いが有るからです。ですから人数の多い姓でも結婚の心配は無いのですが、無論例外は有りますよ。例えば韓姓は人数が多いのに本貫は清州一つだけです。
こういう知識は大学時代には持っていました。私の知りたかったのは、「同姓同本」でなおかつ好きになって結婚したかったらどうするのかという事でした。
Pさんは食事が終わって大使館に帰ると、私に1枚の資料をくれました。大使館ですから、実際にそういう相談を持ちこまれるのでしょう。
そこに書いて有った事。韓国では法律上は認められない。(ちなみに当時から北朝鮮では問題は有りませんでした)。でも事実婚で支障無く社会生活を送れる。財産の所有に関しても幾つも方法が有り、あまり表だっての問題は無いというものでした。
要するに、実際の生活では融通を効かせるということですね。
日本の江戸時代。私の住んでいる近くには箱根の関所が有りました。「入り鉄砲、出おんな」には厳しかったのですが、それ以外には融通が効きました。
たとえば近所の農民が手形無しに関越えをする場合。「関の向こうに用事が有りまして・・・。」。すると役人は「ならん、ならん、関所を何と心得る」と言いながら、行きたい方向に追い出しました。
どんな法律も実情に合わなくなる時が来ます。その場合、融通が人間の知恵ですな。
尺八音楽の融通性。洋楽に比べて「融通だらけ」とも言えます。30年くらい前から都山楽会は都山流本曲に「基本形」という事を言い出しました。譜面に細かい指示が書いてあります。この当否は楽会所属の人達は大声で言うことが出来ません。支持あるいは賛成であれば何も当否に対して沈黙する必要はないですな・・・。
ほとんどの人が「懐疑的」、中には「基本形は高平さんによるデッチアゲ」とはっきり言う人もいます。言っときますが、これは楽会員についての話です。連盟、新都山の人について言うわけないですよ。理由は?尺八吹き相手には説明はいらないのですが、この私のブログの読者は、有難い事に洋楽の方も多いのでイチオウ説明します。楽会以外には賛同者なんてソモソモ一人だっているはずないのですよ。
でも私はあえて一部賛同します。洋楽、例えばクラシックの譜面を見たら詳細な支持の書き込みが有りますな。その多くは作曲者の意志ですが、都山流本曲の場合は作曲者の意志は不明です。ですから皆が、私を含めて懐疑的なのですが、ここへ来て、副次的な効果が大きく出てきました。
昔の尺八家って譜面の指示通りに吹けなかったのです。融通姓だけで成り立っている音楽ばかりやっていたからです。それで洋楽の演奏家や作曲家に嫌がられていました。
それが、このところ楽会の人は、プロでなくとも吹けるのですよ。これは正直言って予想外でした。融通が無いと問題ですが、融通オンリーでもどうかと思いますが、いかがでしょうか?
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